2019〜2020



2019/12/31
マムネタファイナル。今年もファイナル。

かすみさくらだい

沼津港産カスミサクラダイ。二尾で95円。なんて値段だ。
普通のサクラダイは売ってるの時々見かけるがこの魚は初めて。
というかそもそもこの魚の存在を知らなかった
買ってきて調べてこんなんいたんだって感じ。
魚それなりに知ってたつもりだったが、知らない事まだまだ沢山ある。

普通のサクラダイは非常に可憐な魚だが
このカスミサクラダイの顔つきはなんかカサゴ風味
なんとなく意地悪そうな面構えしてる。
そして鱗がやや強い。
このごろ鱗のちょろいのばかりおろしてたからなんか新鮮。
ボディの見てくれは赤くきれいでなかなかいい。


どうやって食べればいいかよくわからんのでまずは火を通す。
とりあえず塩焼き。

かすみさくらだいしおやき

なんかよくわからんが立った。

身は淡白でやや水っぽい。脂がないので味わいにかける。
皮は少しもちっとしてうまいが
全体として不味いわけではないが特徴がない。
喉の奥で大豆みたいな味が仄かにするのは気のせいだろうか。
骨が普通に硬く鱗も大きく強いので落とし損ねると食べずらくなる。

あらためて、ものすごく特徴がない。
ビジュアルは良いのだが味わいがない。


寝かせると旨くなると目にしたので三日ほどおいて皮つきの洗いにしてみる。

かすみさくらだいあらい

鱗が大きいので熱を入れると隆起する皮のひし形が映える。
見た目は非常に良い。旨そうだ。

食べてみると三日寝かせたにも関わらず身質がしっかりしていて
皮の厚みもあり歯ごたえがいい。
味わいは相変わらず無個性だが嫌味臭みも皆無でそういう意味では悪くない。
寝かせたことで旨味も少し増したように感じる。

確かにカスミサクラダイは少し寝かせた生で食べるのが一番良いようだ。



ちなみにこれを最後に僕が通ってたマム魚屋の深海魚系入荷が途絶。
以降、いつもの感じの普通の魚屋に戻った。
深海魚フィーバーの期間は約一か月ほど。わかってたけど残念だ。
しかし普通なら容易に手に入らない食材を格安での提供、
実に感謝しかない。い つかまたやってね。

というわけで、マムの深海魚編はこれにて終了。
そして皆さま、よいお年を。




2019/12/25
マムネタ。前々回の写真の一番下の軟体類。

たこ

たこ。

沼津港産、表記では「水たこ」 
三匹で118円とこれもやけくその様にぶっちぎりで安い。
なんか青緑の目が大きいし普通のミズダコではないと思うのだが、
何しろ頭足類は体色が決め手にならず特徴がわかりづらい。
色々調べてみたが、多分
「チヒロダコの子供」
なんじゃないかなあ、とは思う。自信ない。


同定できないものを生で食べるのは気が引けるし、
そもそもこれ食べて大丈夫なやつなのかという疑問もあるので
頭をひっくり返し肝臓等を引っ張りつつ眼球ごと切り落として

ゆで

ゆでー。

みるみるゆで汁がワイン色に変わる。いいにおいがする。
うむ、これ食べて大丈夫なやつっぽい。

ゆでだこ

暫定チヒロユデダコ

身は非常に柔らかい。
やはりやや水っぽいがちゃんと蛸の味がする。
流石にマダコのパワーには敵わないが悪くない。
身が柔らかいので食べやすいとも言える。向いた料理もあるだろう。
この値段なら普通に買いだ。


どうでもいいけど聖夜に一人コタツで
タコの記事書いてる俺にメリークリスマス。




2019/12/18
マムネタ。もうちょっとだけ続くんじゃ。

今回は前回の写真の一番上の甲殻類。

おおこしおりえび

沼津港産オオコシオリエビ。店の表記では「クモエビ」
基本的に格安なマムの深海系にあって、こいつだけはやや高値。
と言っても7尾で400円くらいだけど。
ただ歩留まりが悪いようで小型ごちゃ混ぜだと普通に安い。

おなか

腹側。
見えている脚の数でお気付きだろうが
コシオリエビは基本的には異尾下目ヤドカリに近いとされている。
ただ、異尾とは言っても本種の尻扇の形は綺麗な左右対称。
見てくれは正直普通にエビである。

エビの様な尾扇でのバックジャンプも普通に使えるが
基本的に普段はその名の通り尾部を丸めており
オレンジの体色も上下を境に分けられている。
(なので尾部を伸ばすと尻尾の半分が白いヘンなエビになる)
またいつも尾部を丸めているからか腹肢が貧弱で痕跡程度しか残っていない。
クルマエビのように抱卵しないタイプなのかもしれない。

かくしあし

青丸がタラバガニやハナサキガニと同様の隠し脚。
足先がブラシ状なのでこれも鰓の掃除用なのだろう。
この足が入るからなのか尾部と背甲の繋ぎが緩く
ザリガニを持つように持ち上げると甲羅ががばっと開く。
多分これは構造上の問題で、恐らく鮮度とはあまり関係ない。

かおつき

顔つきはこんな感じ。
オストラム(ツノ)が独特で凛々しいが、目が大きくちょいと可愛い。
そして見た目よりかなりトゲトゲしている。
鋭くて細かい。ノコギリの様に切れるタイプ。結構痛い。

ちなみに鋏脚の大きさや長さはブレ幅がかなり大きく、非常に小さいものや
逆にアメリカザリガニみたいな太さの鋏を持つ者もいて、
同類の枠をはみ出している印象がある。

全体のフォルムが面白く、色も良いため
一般へのアピールは悪くない食材だと思う。


取り合えず茹でてみる。

みそ

元々が明るいオレンジだが茹でても色があまり変わらない。
ミソが結構多め。そして臭気等のヘンな癖がなく味が良い。これは良い。

しっぽ

尻尾。
殻質はパリッとした感じで剥きやすい。
何故か筋肉が背側の正中線に沿って綺麗に裂けていて背ワタが取りやすい。
普段あまり使わないからか比較的筋肉の締まりがない。が、悪くない。

ミソ・肉質共に癖がなく優等生的な旨さ。
例えるならヒラツメガ二のミソを上品にした感じ。うまい。
尾部の肉の味も仄かに甘くうまい。これは結構いいな。
食べ飽きない感じ。


鮮度に問題ないようなので生食もしてみる。

きもあえ

生エビ定番、いつものキモあえ。

身は柔らかく取り出しやすい。
頼まなくてもなぜか正中線が割れているので背ワタがすぐとれる。

身は柔いが味わいは問題なく、旨い。
ただ悪くなないが、量の問題もあって生だとミソの主張がやや足りない。
味わい的にはアルゼンチンアカエビと似ている。


最後に味噌汁にしてみる。

なしわり

小型の上に甲羅が比較的薄いので梨割も容易。
調理自体の難易度は低い素材だ。

みそしる


…ふむ、うまい。ちゃんとミソ由来の良い味が出る。ホッとする出来だ。

そして手足が長く絶対にハミ出るので味噌汁としてのインパクトは強い。

問題なのはやはり脚のノコギリの様な鋭利なトゲトゲで
鋏脚の殻ごと噛み砕いて肉をしごき出そうとすると確実に唇を切る。
危険である。
鋏脚は肉量もそこそこあるため口惜しい。

恐らく、こんな時のための「がん汁」製法であろう。
ミソの味も良いから良いものができるような気がする。
トゲが細かいから濾す時に工夫が必要になると思うけど
沼津の皆さん、「コシオリエビのがん汁」新名物にどうですか。




2019/12/10
例のマムネタ。

ごうかさんぼんだて

豪華三本立て。
とりあえず今回は真ん中の魚。表示はサビタチ。本名はカゴカマス。
2尾で271円という意味の分からん安さ。鮮度抜群。

かごかます

魚屋で見た時は思わずガッツポーズ。
というのもこの魚、あのクロシビカマスと同じ仲間なのだ。
というか黒くない以外顔つきとか全部同じ。
これは弥が上にも期待が高まる。一度食べてみたかった。

ひらき

クロシビカマスと同様、胃袋が異様に長い。
そして皮が異常に弱い。水洗いしたら白濁して勝手にはがれる。

み

断面はこんな感じ。綺麗。
腹側にはわずかに脂肪のサシが入っているが期待したほどではない。

まずは剥き身。
スプーンですきみにしていくのだが
なんか埋没骨があんま目立たないんだが気のせいだろうか。
なんか骨を感じないので剥き身とは別にはらもを刺身にする。

かごかますきみ

カゴカマすきみ。

旨い。仄かな脂の味。
ただ、うまいがクロシビカマスほどの衝撃は今回ない。
脂はそれなりにあるはずなのだが何か物足りない。
微妙に旬を過ぎているのか、「もっとやれるはずだよね君」と言った風情。
とはいえあの最強の剥き身と比較しての評価で、
これは普通に上位クラスの味。問題ない。

ちなみにはらも部分は
しっとりとした脂
思いのほか歯ごたえがあって非常に旨い。
クロシビカマスに比べて埋没骨が少ないなら
普通に刺身の方が良いかもしれない。


半身をにしてみる。

なべ

銀の皮目が美しく食欲をそそる。
肉質はやはりサワラに似ている。肝臓の味が鶏のようで濃い。
少ないかと思った埋没骨はやはり結構うるさく、食べるのがやや面倒。
しかし剝き身獲った皮部分とか埋没骨も山盛りだが旨さも山盛りだ。
黒い腹腔のはらも部分はタチウオに酷似した味
ほんのわずか苦みがある。がやはり旨い。

頭部は鋭い歯が剣呑だが顎ごと外してしまえば問題ない。
頬肉などの肉量もそこそこあるし
鼻っ面に良い脂がある
のでしゃぶりがいがある。

小さいながらも二尾とも白子持ちだった。
アブラボウズと同じく
火が入っても露骨には硬化しなタイプなのかトロリとうまい。
これは成熟していればかなりイケルと思う。


塩降って一晩塩焼き。

しおやき

焼けた銀皮が美しく、そして旨い。
が何故か肉質がやや水っぽい印象。
埋没骨はやはり普通に多く注意を要する。
なんかクロシビカマスと骨の数あんまり変わらないような気がしてきた。
銀皮とはらもはやはり絶品で、とろりと脂が香り旨い。


最後に煮付け。

かごかまにつけ

これは旨い。銀 皮のとろり脂がたまらない。
やはり埋没骨は煩いのだが
側面血合い部分を箸でこそぐと大体ごそっととれるので
口の中でそれを丹念に選り分ければ残りの骨は普通の魚と変わらない。
胃袋・肝臓・白子共に味が良く、
クロシビカマス同様煮付けと相性が良いようだ。実に旨い。


カゴカマス、やや脂が少ない印象ではあったが十分旨い。
全身銀色で見た目が美しいのもポイントだ。
クロシビカマスと同様見かけたら即ゲット推奨魚と言える。おすすめだ。


web拍手
   マム、いいですね!
   そんな値段ではうちでは卸値でも入ってきませんわ。

   さすが海沿いです。煮魚定食とか500円で出しても利益十分とれそう。
安すぎだよねアレ。
ヒウチダイは歩留まりさえよければ最強の煮魚定食になると思う。
そんな素敵なマムだけど
ここ二週間ほど深海系入ってこなくなっちゃってあれえ?もしかしてあれえ?
   コミティアお疲れさまでしたー。
   いつか霧恵先生のお魚グルメ漫画も読んでみたいですね。

ありがとうございます!今回バラムツの話で終わっちゃったけど
チラシが集まったらそんな感じの一本になるかも。




2019/12/03
コミティアお疲れさまでした(一週間前)
来てくださった方々、本当にありがとうございました!(一週間前!)


件のマム魚屋ネタ。

かさご

例のヒウチダイとなんか深海的赤さを誇るカサゴ系のやつを買ってみる。
店の表記は「赤カサゴ」 二匹で164円。やしー。

しろかさご

くちパカー。
店で見た時一瞬クジラウオ系かと思った。

調べてみると本名はどうも「シロカサゴ」のようだ。
ほっぺのトゲ形状が決め手。
…こんなに赤いのになんで白?

体つきはスリムで脂なさそう。

どうも各鰭が毒棘らしいので面倒くさいから二匹とも煮付ける。

につけ

煮付け。

うまい

見てくれはなんだか痩せているが味わいは問題なく旨いカサゴのそれ。

磯臭さがない分こっちの方がうまいかもしれん。やはり脂はさほどないが。
少なくとも値段的には大満足の部類。…当たり前か。
もうちょい大きいやつ食べたいな。




2019/11/23
明日開催のコミティア130に参加します。
スペースNoは『A26b』 サークル名は月間政策委員会(仮)
いつものごとく新刊はありませんが8Pの新チラシはあります。
よろしくどうぞ。



友人のサメ料理研究家がまた魚を送ってくれた。

おさかな

クロムツと、そしてクロシビカマス!(半分捌かれ中)
クロシビカマス丁度また食べたかったところにこれはありがたい。感謝感謝。

くろしびかます

釣ってすぐの状態らしく、非常に鮮度がいい。
前に食べた時は真っ黒だったクロシビカマスだが、
鮮度がいいとこんな感じなのか。

ひらく

さっそく開いてみる。
今回は小ぶりということだからか、比較的脂はないように思える。

すきみ

即、すき身。

くろしびすきみ

やはり脂はさほどないが、それでも旨い。かけらも嫌味がない。


あらを味噌汁にする。

くろしびみそしる

これも良い。脂が上品。


すき身で残ったはらもと皮目を煮付ける。

くろしびにつけ

こいつは旨い。脂ののったはらも部分がとろりととろける。
皮下埋没骨はやはりうるさいが、それを補って余りある味だ。
ただなぜかほんの少し皮目が仄かに匂う。なんだろうこれ。
あいつの家の匂いかもしくはジップロックの匂い?わからん。
クロシビカマスの皮は匂い移りやすいのかもしれぬ。


気を取り直してクロムツを調理。

くろむつ

持ってずしりと重い。良い鮮度と肉量だ。

さばき

とりあえず洗い。

くろむつあらい

前にもらったのに比べると脂は少ないが、もちりとした肉質で旨い。
クロムツは脂が全てだと思っていたが、存外味わい深いじゃないか。


定番のあらを味噌汁。

くろむつみそしる

クロシビカマスに比べてこっちの方が脂が出てる気がする。
そして旨い。クロムツはあらが旨い。


残った一匹は煮付け。

くろむつにつけ

こちらも旨い。
しかし十分に旨いのは確かなのだが、
やはり肉部分の味に物足りなさを感じる。
それに比べて鰭周りの皮目の旨さはどうだ。
とろとろと脂がのって絶品 と言える。脳髄も旨い。
やはりクロムツの旨さは体のすみっこにあるような気がしてならない。

ちなみにジップロック風臭はクロムツからは感じなかった。
うむ、よくわからん。

よくわからんからもっと食べねばなるまいクロシビカマス。もっとプリーズ。




2019/11/17
バイトの帰り道に「フードマーケットマム」というスーパーがある。
いわゆるあんなかんじの安売りスーパーで、
時々立ち寄って清涼飲料水なんかを買ってたりしてたのだが
ここの魚屋がこの頃やけにスルドクなった。

ひうちだい

深海魚系を取り扱いだしたのだ。
それも飛び切り安い!
いつか食べてみたいと願っていたあの「ヒウチダイ」
いきなりこんな値段で出会ってしまったこの私の心境を想像してみてほしい。
98円ってアンタ…。

というわけでなんか毎週のようにヒウチダイ普通に供給される異例の事態。
多分沼津港の底引き網漁船と提携したんだろうとは思うが
売り出される深海系魚介類全部が全部異様に安い。
こんなの採算取れてるようには思えない。続くわけない。

というわけで、続いてるうちになるだけ色々試すことにした。
うむ。天国かな?


あらためてヒウチダイ。静岡では「アブラゴソ」と呼ばれている。
前に食べた「ゴソ」と呼ばれるハシキンメの親戚で、見た目はかなり似てる。
ハシキンメに比べるとかなり小型で白っぽく華奢な印象。
基本的に尾鰭の先が真鯛のように黒いのでそれで見分けをつける。

ハシキンメも旨い魚だが、ヒウチダイはそれを超えるともっぱらの噂。
もう期待しかない。

まずは生で食べてみる。

さしみ

ハシキンメと同じく骨が柔らかいため、至極簡単におろせる。
「ゴソ」の由来であるやすりの様な細かい鱗もそれなりに剥がしやすく、
皮を剥くと食欲をそそる綺麗な銀皮が現れる。

食べてみると、身質が非常に柔らかく
なんか若干古い生エビのような食感。
味は良いが期待したほど脂は感じない。
もわっとしててやっぱりすごく生エビっぽい。
…ふむ、悪くはないが期待しすぎたか。

じゃ次、焼いてみよう。

しおやき

小魚然とした焼き上がり。
身質はネンブツダイのような
きゃらきゃらした感じに思えて速やかに細かく繊維がほぐれ柔らかい。
やや水っぽいが十分うまい。
尻鰭の基部に脂が蓄積していてそこがベストポイント
この大きさだとやすりのような鱗も気にならず、
骨が柔らかいから背骨含め大半の部分はまとめてかみ砕ける。旨い。
頭がデカくてパーツが細かいのだが頭もまとめてうまい。

脂はあるところにはあるが
どうも身質が水っぽいようなので干してみることにする。

ひもの

開いて一日干したやつ。

ひもの

を、焼いたやつ。
これは絶対旨いだろう。

食べてみると水が抜けてしっとりとした繊維感
骨ごとバリバリ食う香ばしさ。
おお、コレコレ!と思ったら何故か皮目がほんのり若干生臭い。
尻鰭基部の脂も健在でこれがなかったら完璧な干物と呼べたのだが、
もしかして干し失敗した?


よくわからんが干してなんか微妙になるなら
味噌汁に入れちまうことにする。

みそしる

沈んじゃってよく見えないが鰓と内臓を抜いて
肝臓(ちっちゃい)と一緒に三匹ぶち込んだ。
つなぎが貧弱なのか頭のパーツがすぐばらける。わりと食べずらい。

…しかし明らかに旨い!
脂とわずかに上品な香気を感じられ
普段の味噌汁のグレードが二段くらい上がる。
これは煮ると美味くなるタイプの魚だ。どうも水と親和性がある。
大きな個体なら鍋が絶対うまい。
残りは全部味噌汁にしてもいいくらいだ。

なべ

というわけで鍋にしてみる。

うむ、問題なく旨い。旨いがやや味が埋没する。
味噌汁の方が「らしい」
あとやはりすぐに頭の骨がバラけて邪魔。
ただ良いダシも出て目玉と脳髄もおいしいから
利用しないのもちょっともったいない話だ。

最後に煮付けにしてみよう。

につけ

…あ、うんめ!
めちゃうまい!


小さいから物足りなくはあるが身が厚くそれなりに肉量がある。
骨離れが非常に良い上に骨自体も柔らかいので
鰭や背骨を噛みしだいて縁側の脂と骨髄の旨味をまとめて堪能できる。
身の味もおかしな臭みやえぐみなどなく実にすなおでありながら味わい深い。
仄かに上品な脂が香る。間違いなく一級品。
これは良い。いくらでも食べれる。


というわけでまずはヒウチダイ
味噌汁と煮付けお勧めです。
よし、また夢が一つ叶ったわ。


どうもここのマムには新鮮な深海魚系が毎週金曜に入荷してくるみたい。
これはちょっと目が離せないぞ。





web拍手
   ガン汁エビ系ならザリガニとか相性良さそう
そうそう。
尾の身は取り外して残った脚と脚基部とミソを丸ごとバキバキっと。
でも淡水のやつはジストマ怖いんでちょっとやりたくない。というか
こっちには実家と違ってすり鉢すりこぎ無いんでやりたくてもできないという。




2019/11/06
エビの話、ついで。

前回、ミノエビを実家以外で中々見ないという話をしたが
静岡のスーパーでこんなん売ってるのを見つけた。

こすたりかみのえび

コ、コスタリカミノエビ?
原産地ニカラグア?

こすたりかみのえび

単体だとこんな感じ。
大きさは僕の知ってるミノエビとあまり変わらない。
基本的なミノエビフォルムではあるが頭胸部が若干スリム。
そしてとにかく赤い。どす赤い。
普通赤い食べ物は食欲をそそるがこいつは赤い赤すぎる。
エビでこの赤さは覚えがある。
三保の浜辺で拾ったことがあるショウジョウエビ、 その赤さだ。
こうまで赤すぎるとなんか人工的な感じがしてなんか
「めでたい感」
が薄れる気がする。

冷凍ものだということだが、
殻の乾き方とか赤から透けて見える黄色のホルマリン標本感だとか
見た目なんか鮮度が怪しげなんだけど
生食用と書いてあるからとりあえず生でつかまつる。

なま

僕の生エビの食べ方。
@腰接続部のバンドを外し殻をむいて、身をミソごと外します。
胃袋(エビの脳天に見える赤い袋)と背ワタ確実に除去するように。
A醤油かけてぐちゃぐちゃにかき回して身とミソをよくあえてから
おもむろに食べます。

見てくれが酷いので写真は載せないが、カワハギのキモあえと同じだ。
甘エビクラスの大きさのエビ尾頭付きで生食可能なら大体これが一番うまい。
(アルゼンチンアカエビもこれでイケる)

このコスタリカミノエビとやら、
ミソ部分が大きいのはもちろん比較的しっかりと形を保っている。
甲殻類の肝膵臓って脊椎動物の肝臓と比べて器官としての強度がないのか
大体すぐにでろでろになっちゃうのだが、
これは思いのほか鮮度は問題ないのかもしれない。

食べてみる。
ミソの味が強い。まぎれもなくミノエビの味ではある。
身にはきちんと甘みがあり普通にうまいのだが、
歯ごたえにおいてやはり解凍された肉質の溝は深い。
あとやっぱりミソの味が濃い。エビにあるまじき脂の味だ
獲れたてだったらかなり旨く感じるだろうが冷凍モノだとちときつい。

ゆで

茹でるとこんな感じ。
なんだろ。
ミソ部分がデカいからなのか
殻表面がごみを引っ掛けやすいのかあくみたいなのが結構目立つ。

味はそれなり
他の甘エビ系と同じく火を入れると身質はわりとスカった感じになる。
確かに生食の方が合ってるエビだとは思う。
ミソ脂で喉が少しイガイガするし。

このコスタリカミノエビ、
味自体は悪くないのでもっと新鮮な奴、食べてみたい。



web拍手
   残ったエビ殻で、唐揚げ(片栗粉の)を作ってもおいしそうな。
おお!なるほどそれです!
厚いカニ殻ではできないえび汁(の廃棄物)ならではの一品!
せんべいに近い感じで作ったらまず間違いなく旨いはず!



PS:直前でまた告知しますが
11月24日(日)開催のコミティア130に参加します。
とはいっても私はまたチラシのみですが。
スペースNoは「A26b」 月間製作委員会(仮)。よろしければどぞー




2019/10/26
がん汁。それは臼で引いたカニの搾り汁を加熱した飲み物。
こう書くとなんだか凄く不味そうだが、
これは細かな節や殻に覆われた生物の可食部のエキスだけを抽出する工夫であり
出来たものはカニのすべてが溶け出た潮汁みたいなもんである。
むしろ旨さしかない。

このがん汁、
新鮮な小型のカニが手に入りやすい帰省時に作ろうと思っていたのだが
今回雨続きの不運も重なって小ガニの入手目途が立たなくなってしまった。

入手しやすく、小型で、食べるのがめんどくて、味は良い。
この全ての条件に合致するカニの心当たりは大いにあるのだが、
がん汁には相当の匹数が必要になる。
僕はそのカニの事が大好きなので、
大量に獲って大量に潰すのはちょっと忍びなくて出来そうもない。


と言う訳で今回、

えび

カニで出来るんだからエビでもできるんじゃね?

という事で、このかき揚げにしたらメチャ旨い小エビで
がん汁
ならぬえび汁を作ってみる事にする。

みのえび

「赤えび」と書いてあるが正式名称が分からない。
ジンケンエビのちっちゃいやつ?

何匹かミノエビが混ざってた。こっちはわかる。
正確にはアカモンミノエビ

ちなみにミノエビは見た目通りミソ部分が大きくて非常に美味い。
このエビも普段はあまり見ないので、帰省した時は必ず食べる。


と言う訳で、取り合えず全員頭頂部にある赤い胃袋部分を引っこ抜いて

えび

すり鉢にゴー。

えびみんち

すりこぎゴー。
すりへって、みそをつけて、しんじまうんだ。

えびしぼる

臼でゴリゴリ引いて 出来上がったエビペーストに
その2.5倍の水を加え、そいつをサラシで濾す。
すり鉢と鍋を往復させて何度か濾す。サラシの中に殻だけ残る。

えびじる

出来上がったのがこちら。
…うん。なんだこれ。

カニじるだとなんか灰色の泥水みたいな物ができるらしいが
エビだと桜色。
肉の色がそのまま出た感じだ。
あと多分ミソ部分が足りないんだと思う。

かねつ

こいつを火にかけてかき混ぜながら塩入れて
タンパク質凝固させて出来上がり。

エビ汁

はい、がん汁ならぬえび汁完成!

出来上がりも桜色で見た目は悪くない。

…飲んでみるとふわっとしたエビ味で中々旨い。
が、塩味が足らないので足す。
スーパーで売ってるような小エビは
基本的に塩分洗い流されてると考えるべきかも。

まさしく飲むエビといった塩梅で上品な味。
いわゆる「優しい味」ってやつ。
だが優しいだけでは何か物足りないのも事実。

茹でたエビの延長線上の風味だが凝固したタンパク質はふわふわで
歯ごたえ自体は望むべくもなく、うまいが尻の座りが悪い。パンチが足りない。
えび汁が普及してない理由が少しわかる。
そもそも殻剥いて食えばいいんだもの。


とはいえザリガニ系には合ってるはずで、
ウチダザリガニ
なんかでやったら多分旨いはず。
ただウチダは生体移動を禁じた外来法があるので現地に行くしかないなあ。


ちゃんとカニを使ったがん汁は、次回の宿題となりました。



web拍手
   亀石の循環形完全商売には笑いました。
   だれも損をしていない良い循環ですね。

   潮満瓊と潮干瓊は古事記で見た覚えがありましたが
   まさか実在するとは、驚きました。

   伝承に出てくる物が実物としてあるとテンション上がりますね。
   先生の旅レポ面白かったです。

ありがとうございます!
運玉のあれは循環が絶妙に理にかなっていて、
運と言うものを可視化したような妙な説得力があります。
損得でいえば地元の小学生達が、大げさに言えば多分
無償の労働力として運玉の生産に従事させられているわけでして
宗教における付加価値と言うものについて実に考えさせられます。
この辺、規範に近い形で膾炙している神道と
他の宗教とでは心持に違いが生まれるのか否か
ちょっとテーマとして面白くなりそうな気がします。




2019/10/18
続き。

鵜戸神宮に向かい海岸線を南下する。

かいがんせん

今回の帰省中、九州は毎日雨だったが、この日は天気に恵まれた。
正しく夏の日差しと色彩。気温もぐんぐん上がる。やはりこうでなくては。


途中、サンメッセ日南という施設があり、ここがなぜかモアイ押し。
… なんでモアイ。

もあい

ちょこっと見ていくかと思ったが、
なんかこの日は休館(水曜休館らしい)だった。
入口のモアイ像だけ写真に撮って先に進む。
…それにしてもなんでモアイ。


今回の目的である鵜戸神宮はサンメッセ日南からすぐだった。
途中観光客用の駐車場があるがさらに下って鳥居を車で潜り、
半島を半周する感じで境内の駐車場にいける。
駐車無料。途中に第二駐車場もあり全体としては結構キャパがありそうだ。

とりい

一般駐車場側の鳥居。

いいみち

鳥居をくぐって左手に石畳の参道があった。良さそうな雰囲気だ。
どうもさっきの観光客用の駐車場に繋がっているらしく、
本来はそちらから来るのが正しいようだ。
地図で見ると小山を一つ越える感じで、
今回利用した一般駐車場からの方が圧倒的に近く楽ではあるが
次、来ることがあれば今度はそちらを利用したい。

うどじんぐう

本殿に向け随身門をくぐる。さすが鵜戸神宮、平日だが観光客が多い。
別府もそうだったがやはり九州の観光地には中韓系が目立つ。
日本人観光客より多いんじゃないかと思うほどだ。
情勢によってこれもこの先どうなるかわからないが。

ちょうず

鵜戸神宮の手水場はこんな感じ。シンプル。青島神社と同じく龍像がいる。

かいしょくどう

小さな橋を超え階段を下りた先が海蝕洞。鵜戸神宮本殿。
写真右下には「亀石」と呼ばれる磐座のようなものがあり、
有料(100円)だがかわらけ投げの様に運試しができる。

ちなみに昔はお金を投げていたそうだが、
小学生が拾いに行って怪我をしたとかそんな感じで問題になり
今では地元の小学校で運玉と呼ばれる素焼きの玉を生産し、
それを投げ入れる仕様になっている。

うまいこと投げ入れられた運玉は回収されて細工され、
運玉の発売所で幸運のお守りとして売られている。
…なんだこの循環形完全商売は。

ほんでん

鵜戸神宮の祭神はウガヤフキアエズノミコト
これはホオリトヨタマヒメの子。
(ホオリとトヨタマヒメは先の青島神社の祭神の一柱。
なので地域としてとてもまとまりがある)
父であるホオリは
ニニギとコノハナサクヤヒメから生まれたファイヤー三兄弟
ホデリ(海幸)・ホスセリ(謎)・ホオリのホオリで通称「山幸彦」。
浦島伝説の原型にして神武天皇の祖父。

ウガヤフキアエズは鵜の羽をカヤとして葺く間もなく生まれたという意味で、
鵜戸とはウツロ、ウロ、屋根のない(いらない)場所の意味だそうだ。
また「ウ」繋がりなのかここの神使はウサギである。

ちなみに、ウガヤフキアエズは
竜宮に帰っちまったトヨタマヒメ
の代わりに乳母として来た
トヨタマヒメの妹…つまり叔母であるタマヨリヒメと結婚したという、
なんともエロ漫画みたいなお方だ。

鵜戸神宮には夫婦円満のご利益があり、また安産祈願の聖地でもある。
一昔前、宮崎県が新婚旅行のメッカだったのは伊達ではないのだ。


海蝕洞の中の本殿はその周りをぐるりと一周できる。
中は暗く一種の胎内くぐりの趣がある。お乳岩とかあるしね。
潮汐を操れるという常世製超ド級アイテムである
潮満瓊(しおみつたま)潮干瓊(しおひるたま)

神宝としてあり、念流・陰流武術発祥の地でもあるとされている
ここは、実に面白い場所だ。

いかす

とは言えやはりここは
先の亀石の小広場から望む一面の海蝕奇岩が一番の見どころであろう。
見てくれ異界感漂うこの造形。あらゆるところがいい形してる。

いぬいし

駐車場入り口近くにある神犬石(いぬいし)なんかも何とも言えず良い。
巨石信仰は大好きだ。



というわけで、満足したので帰る。

日南を「ひむか神話街道」でぐるっと右回りに山越えし、
田野ICから宮崎自動車道にのり、清武JCTで東九州自動車道に乗り換える。
山越えの途中、道の駅たのに寄り
冷凍の「かにまき汁」なるものを買う。680円。
パッケには田野町産山太郎かに使用とある。
でこん村というグループが作っているようだ。
山太郎かにはおそらくモクズガニのことで、
これはきっとがん汁と呼ばれるもの、その本物であろう。

日向ICで降りる。時間は14時ごろ。高速料金は2300円ほど。
なんか思ったより早く回れた。

あじふらいていしょく

昼食がまだだったので民宿金ヶ浜に行き
「あしあか(クマエビ)のフライ」
を期待したが無くて
ならば地魚定食を所望したが無くてアジ刺身アジフライ定食にした。
むねん。さすがに遅すぎた。
でもここのアジは活〆なので歯ごたえ良くすこぶる旨い。
普段お店の刺身をお勧めすることはないのだが、ここはおすすめ。


ちなみに道の駅で買って来た「かにまき汁」のパッケはこんな感じ。

かにまきじる

…写真撮る前に開けられちゃった。

中身はこんな感じ。

かにまきじる

…まあ、なんも変哲のない味噌汁の外見だが、
やはりこれはがん汁で蟹の味がして美味い。
味噌で整えてあるので飲みやすいが
蟹と塩オンリーのピュアなやつ
も食べてみたい。
やはり自分で作るしかなさそうだ。


ちなみに、今回の道の途中に
潮嶽(うしおたけ)神社という
日本で唯一「ホデリ(海幸)」を祀る神社
があった事に
家に帰ってから気付いた。
なんてこった。リサーチ足らんかった。めっちゃ気になる。

次回帰省した時は、また日南方面に行くことになりそうだ。



web拍手
   謎の出店すごいですね…何があるか気になります…。
   メガネの巫女さんは是非ともお目にかかってみたいですね。
   先生の描くセクシーな目つきの眼鏡巫女さんをイメージしてしまいます。
   なんとも素敵な場所ですね。

グーグルマップで見てみると謎の出店もちゃんと写ってますので
もしかしたらずーっと同じ場所でずーっと同じものを売っているのかもしれません。
巫女さんは黒ぶち眼鏡の可愛い感じでした。
青島神社良いですよ。南国にある神社感が本当にもう何とも言えません。
   生きてるかー こっちは隣町で亡くなった人が出てしまった?
なんと。19号凄かったみたいだな。
うちは海には近いけど半島の真ん中あたりだから特に何も問題なかった。
風つえーなーつってずっとモンハンやってた。
さすがに雨漏りするかと思ったけど
何年か前から屋根が自然治癒して今回もノー雨漏り。屋根えらい。




2019/10/10
宮崎は日南に鵜戸神宮という神社がある。
本殿が海蝕洞内にある中々有名な神社なのだが、
一度も行った事がなかったので今回参拝してみる事にした。
ちなみに実家の近くにも「鵜戸」がある。
海蝕洞の中から入り口を見ると
角度によっては光の昇竜が立ち現れるという事で
規模は比べるべくもないがここも中々味のある場所だ。


なんだかんだ言って鵜戸神宮は実家から少々遠い。
ついでなので道中気になった神社なんかのはしごをしつつ車で向かう。
前回の宇佐神宮が北、今回の鵜戸神宮が南なので、
九州の東側を走破した趣である。



時間がどのくらいかかるかよくわかんなかったので少し早く家を出る。
とりあえず途中寄るのはもはや定番になりつつある新富町の水沼神社
早く家を出たのはここの蓮の花が目的でもある。

みずぬまじんじゃ

ところが残念ながら今回期待していた蓮の花は一輪も咲いておらず、
蓮の実が朝日の方向を向いているのを見るに少し来るのが遅かったようだ。
同じ時期でも前回来た時は白い花弁がチラホラ見えていたので
蓮の開花ははどうも規則正しいわけではないのかもしれない。
とは言え一面の透明感あるやわらかな緑の海は絶景。
ここならきっと雨も似合うに違いない。


次に「市民の森」にある江田神社へ立ち寄る。
ちなみにここはリゾート施設シーガイアの隣である。

えだじんじゃとりい

この神社はイザナギが禊をしたとされるところで祭神もイザナギイザナミ。
禊および祝詞の発祥の地とされているそうだ。

…どえらい場所じゃないすか。
なんかいきなり超重要っぽい施設だが
正直母に教えてもらうまでこんな神社あるの知らんかった。
すまんかった。

奥にある社は小さめだが良い感じに掃除は行き届いている。
なんか木造校舎の学校の匂いがして懐かしい。

この神社の先、割と森森した公園を進むと
件の「みそぎ池」というものがある。

みそぎのいけ

この池こそイザナギが黄泉の穢れを洗い流したという、
あの超有名イベントの地!

・・・のわりにはなんか地味。ゴルフコースの池みたい。

100mくらいの長細い池だ。
石の上で外来種のアカミミガメが集団で日向ぼっこをしている。

池自体は浅く、鉄分の赤が染み出る完全な止水。
池のところどころに御幣の棒が刺さっていて、そういう雰囲気は少しある。

みそぎいけ

ただ止水であるということは、
禊の理念と仕組み(祓戸の四神の手順)から考えると
この場所の機能は完全に停止している。
というか、これで今も使われてたら穢れの行き着く先がない。
溜る一方だ。えらいこっちゃ。

ただここ一帯の地面は砂州であり、地形から見るに、
もしかしたらここは大淀川の河跡湖の残骸のようなものかもしれない。
あるいは神代の時代、
イザナギの禊は確かにこの場で執り行われた……と考えると
中々にロマンかき立てるものがある気がする。

ちなみに、この近くにみそぎ御殿という建物があるが、
行って見ればすぐ感ずくように
これは新興のもので建立は昭和30年代。
4礼8拍手というやたら大仰な所作(伊勢神宮で8拍手)を要求している。
また江田神社と隣接していながら道が閉ざされており
(道自体はあり、鳥居も立っているが通行止めになっている)
明らかに共通の出自でありながら
双方道を閉ざしているという事は多分、喧嘩してるんだろう。
…仲良く…万事仲良く…。


次は青島神社
ちょっとした島にある神社。ここも中々有名なのだがこれもまたお初。
実際に住んでる時ってそういうのの感受性が低調になりがちで
やはり一度外から見ないと
地元の魅力というものには中々気付けないものなのだろう。

宮交ポタニックガーデン青島横の青島参道南広場と言うところに駐車。
まわりは大体無料。

あおしま

この青島のロケーションは抜群で、
上のリンクのマップを拡大して見ればわかる通り
鬼の洗濯板と呼ばれる奇岩(波状岩)と貝殻性の白い砂浜に囲まれた
海に架かる橋と夏空と南国植生の深緑の島というまこと完璧、
すがすがしい場所。

はし

東尋坊近くの大湊神社と同じようなシチュエーションなのに
受ける印象がずいぶん違うのは
やはりこの南国の空気感がしからしめるところだろう。

でみせ

橋を渡り鳥居に向けて砂浜に歩を進めると、
海風にはためくなんか謎の出店がある。
売ってる品がすごい。完全に昭和
しかも昭和中期あたりのラインナップ。

懐かしい通りこして
この場所は永久保存しなくてはならないのではないかとさえ思えてくる。

入り口

鳥居をくぐりさらに進んでここが神社の入り口。砂浜一体型。
台風の時とかどうなるのかちょっと興味深い。

ちょうずや

格好いい手水場。
ちなみにここ青島神社の祭神はホオリトヨタマヒメ
そしてシオツツノオオカミ(塩土老翁・塩竈明神)

基本的には幸先の指針・縁結びの神社として機能している。
そして個人的にこれほど構想中のネタピンポイントの場所もそうそうない。良い。

ほんでん

場の雰囲気と同じく青島神社自体もなんだか沖縄テイスト
やたらとお守りの出店があるが
空気感のせいかあまり嫌みではない。
なんか頑張ってる感じがする。

こみち

境内から本宮に至る小路は特に素晴らしい。
願いを込めた絵馬のトンネルを抜けると
まわりは天然記念物にも指定されている熱帯・亜熱帯気候の植物群。
小路をふさぐ倒木の先で眼鏡の巫女さんが掃き掃除をしていた。

群生する亜熱帯植物と歴史ある神社と伝統的巫女装束という
なんともエキゾチックでありながら調和のとれた空間。
ここが竜宮であろうか。

ほんみや

本宮にはちいさな社があり、かわらけ投げの磐座がある。


神社から出て浜を左に向かえば(道はないが)
灯台のある先端あたりで遊歩道に当たり
島をぐるりと一周することができる。

とこよ

この海の先が常世だ。
トヨタマヒメの住まう竜宮がある。


9時の段階で島の北側は風があり実に気持ちがいい。
ヤシの倒木を利用したベンチに座り、ここで軽く朝食。実に良い。

すばらしきばしょ

小さなオカヤドカリを見つける。ここにもいるんだな。

おかやどかり

…石垣島のと違って警戒心が強く、全然出てきてくれなかった。
ただの貝殻の写真だこれ。

なにもかもすてき

本土側の橋のたもとの砂浜にはアサリの稚貝?
(おそらく。ハマグリではない)がたくさんいた。
参拝してる間に潮が満ちてしまったので見つけられなかったが、
おそらくキンセンガニもいるだろう。

ぽたにっく

ちなみに、途中にある宮交ポタニックガーデン青島も実に良い。
元の名前は県立青島亜熱帯植物園
開放感のある公園と温室が三つあり、入場無料。
手入れが行き届いていて清潔感があり風の渡りも良い。

ぴたや

漫画に描いたことあるドラゴンフルーツがなってた。
仄かにマンゴーの良い匂いもする。

果実温室はなぜか水曜日休み。
マーライオンがいるメインの温室はなぜか木曜日休み。
たまたま食虫植物の特別展が開催中で、
ハエトリソウ
モウセンゴケ・オジギソウなんかを
だれでも自由に触れるという実に剛毅な恐るべき展示をやっていた。

いんすたばえ

南国の日差しに当てられて
630円の宮崎産マンゴー入りソフトクリームを買い食べる。
熱で手持ちのアイスがボタボタ溶ける。
雰囲気が最高なので非常にうまい。

ちなみに特筆すべきはここのトイレ。なんと冷房完備の自動ドア。
俺このトイレ住めるわ。



基本的に周辺の駐車場は無料。観光地特有のガツガツ感が希薄。

なんだか青島神社を含めこの地区をかなり気に入ってしまった。
今回は主目的が鵜戸神宮な為に通り過ぎたようなものだが
次回来た時は海で泳いだりして何泊かしたいくらいだ。

宮崎空港からはむしろ近いので、もし宮崎に旅行の際は
皆にも少し足を延ばして青島神社への参拝をお勧めしたい。
天気が良ければ最高だ。



とりあえず長くなったので続く。





2019/09/30
実家帰省時の定番。
午前中はお気に入りの堤防で釣り、午後から櫛津干潟潮干狩り。

せっつひがた

久しぶりの櫛津干潟は変わってないが少しゴミが目立つ。
ゴルフボール
が所々落ちている。
多分奥の家から打ちっぱなしで練習でもしているのだろう。

川が二つ流れ込んでいる泥土の干潟だが山側以外はさほどぬかるまない。
相変わらずハクセンシオマネキがたくさんいて皆で招いてくれる。
干潟をしばらく進み、おもむろにそのへんをスコップで掘る。

でいしつ

いた。お目当てのオキシジミ。
いるのは深さ10pほどのあたりだろうか。

今回も前回と同じようにそこら中をやみくもに掘る。
この干潟には他生物の痕跡穴ぽこが多すぎて
ピンポイントで狙うのは無理すぎる。

そもそも正直どこにいるか全くわからない。
掘って出てきたとしてもなんでそこにいるのか解らない。
規則性が読めない。法則性が無い。なんとなく礫層以外の干潟全域で見つかる。

ここのオキシジミは歩留まりがよく、
ある程度の大きさ以下の、稚貝に当たるものを見たことがないのも謎。
稚貝時代は干潟以外の別の場所にいるのかもしれない。

えび

何故かエビの子供がいた。
透明感のある縞模様。クルマエビの子供だろうか。
華奢なフォルムが綺麗でかわいい。

1時間かからずオキシジミ35個ほど掘り出し、切り上げる。

おきしじみ

生息密度的には前回より若干増えている気もしないでもない気もする。
さっと行って適量獲って帰れる。これを豊かさと言うのだろう。
まあこの獲り方だと正直パンツまで汗だくになるので
帰りの車中は直接ズボンですがね。


前回砂出しのコツがわかったような気になっていたが
何故か今回は通用せず、
後日砂出し中のオキシジミ一匹が死んでるのを発見。
いくら干潟で貧酸素状態に耐性があるとはいえ、
やはり真夏のボウルに1日半は無茶のようだ。
又オキシジミの水管は図体に見合わず細く長いのだが、
刺激を与えると自分の殻で鋏んで容易に切れる。
ボウルに水管の切れ端がいくつか漂っているところを見ると
マテガイ
みたく自切出来るのかもしれない。

大きいのを見繕って蒸してもらう。砂はほぼ出ているようで問題ない。
おそらく二回水を変えれば大丈夫だ。

うまし

良い感じのオレンジ色。ぷっくりとした貝体。
やはり味が濃く旨い。この味の深みは鉄分由来ではないかと感じる。

ゆで

茹でたやつも問題なく旨い。
はりなんで他地で好まれないかわからない旨さだ。
ただ茹でて冷えたものからはシジミに似たほんの若干の苦みを感じるが。

てんぷら

あと、さばいておいた釣果を天ぷらにしてもらう。
ネタはトラギスと針飲んでしまった小鯛、あとオジサン的なやつ。
実にうまい。
特にオジサン的なやつが皮も赤く見栄えがいいし味も良い。
と言うか揚げれば何でもふわふわと旨い気もする。

ただ実のところ天ぷらの中では
潮干狩りの帰りに買った門川産の子エビが一番うまかった。
殻が絶妙な硬さで衣と殻のダブルサクサク感で実にうまい。
これはいい。これはまた買おう。

帰省のお土産に買っていった清水の日本酒
「臥龍梅(三重の米)」
を父と一杯やる。
このキリリと冷やした臥龍梅は正しくさっぱりした飲み心地で、
一人では酒飲まないタイプの僕にとっては、この久々の日本酒は実にしみた。

おきしじみごはん

オキシジミのゆで汁を濾したオキシジミの炊き込みご飯でシメ。
ほんとに無加工のゆで汁と剥き身しか入れてないのだが
塩加減が抜群でこれは文句なしに旨い。

…ふう、オキシジミの炊き込みご飯という前回の心残りが一つ解消した。



web拍手
   メガドラミニ届いた!!追加で買ったパッドも
おおうメガドラミニ出たか!
ミニ系のラインナップは大体すでにソフト持ってるパターン多いけど
やはりHDMI接続の画質で再度プレイしてみたい気もする。
昔のグラフィックはブラウン管のにじみも計算してたりするから
なんか違う!ってなっちゃったりするかもしれないけど。
わたくしPCエンジンミニは
サイレントデバッガーズが入ってないので様子見でございます。
なぜ入れぬ。  




2019/09/13
三日目、宇佐神宮〜実家帰路。

7時30分ごろ宿泊したホテルで朝食。メインは焼きサバ。
大分に入ってサバばっかり食ってる
気がする。
時間が早いので計画を変更して先に宇佐神宮へ。

泊まったホテルから宇佐神宮までは距離にして約三qほどであるが
周辺地形はそれなりの高低があり徒歩では少し面倒くさそう。
宇佐神宮自体には道に面した大きな駐車場があり、基本的に迷う事はない。
しかし駐車料金400円。神社にしては強気だ。

駐車場わきにある参道は大きく広い。
片側には茶屋やお土産屋や八百屋などのお店が並んでいる。

さんどう

到着が朝8時ちょいすぎとかそんなだったのでさすがに皆閉まっていたが。

寄藻川にかかる神橋を渡り境内へ。
橋を渡って参拝というのは伊勢神宮もそうらしく、
地形的に似た場所にあるのかもしれない。
小山が含まれるため敷地の規模は中々大きい。

はすのいけ

とりあえず中央部分にある蓮の咲いた良い感じの池に向かう。
臼杵摩崖仏の蓮の花と同じ色だ
中央の島に能舞台があり、周囲に小さな石橋がいくつかかかっている。

のうぶたい

能舞台を横目に見ながら上宮へ向かう。
池の水はさすがに三島の楽寿園に比べるべくもないが
天気が良ければ中々の景観になると思われる。

ちょうず

手水場に巴紋の石。
これから向かう上宮は立地的には小高い丘に位置していて、
階段をそれなりに上る必要がある。

ふうふいわ

階段途中にある夫婦石と呼ばれる縁結び系石畳。
左右対称の蛾の羽
みたいな一対がそれ。
とりあえず独身者は両足で踏めイ。

じょうぐう

上宮はこんな感じ。大きなクスノキが写真右側にある。
宇佐神宮のメイン祭神は三つで
1・八幡大神。2・比売(ヒメ)
大神、3 神功皇后。
中央の門みたいなたたずまいの位置が比売大神の拝殿。

このうちの八幡神自体はそもそも来歴がよくわからない謎の神
神仏習合の発祥みたいな事になってるこの神社の名称の主体(宇佐八幡)であるし、
中央に位置する言わばメインの祭神・比売大神
もとは付近の三つの巨石から三つの御霊水の井戸となり
水神かつ三体の女神である宗像三女神に当てはめられた。
3の建立は2より100年後で、
神功皇后は1の八幡神を応神天皇とした場合の母であるから
言ってみればこれはダメ押しのおまけのようなものだ。

げぐう

こっちが下宮。祭神の並びも上宮と一緒。

個人的に宇佐神宮は、祭神もふくめてなんだかとっちらかってる感がある。
何しろ八幡神が謎の存在に加えて男神メインなのか女神メインなのか、
そもそも宇佐八幡大菩薩って神道なのか仏教なのか。
周囲の信仰の篤さとは別に院内の軋轢も漏れ聞こえ、
これも腰が定まらない印象に一役買っている。

参拝する身としてはそんな人の世のごたごたなんかはどうでもいいものの筆頭で、
神社と言う静謐、清浄を旨とする空間にいらぬ不純物が混じってると気が散る。

ちなみに先日行った早吸日女神社とここは宮司の請け負いで関係があったようで
そしてまたごたごたで何だかよくわからない結果に終わったそうだ。
偶然ピンポイントで不穏な気配の両神社に参拝したことになるが、
個人的には早吸日女神社で引いた
おみくじの方が当たりだったので早吸日女神社に付く事にする。
あそこは蛸に優しいし。

今回の目的は神功皇后ネタの収集であったが、
どうも2の比売大神を卑弥呼とする考えもあるようだ。
神功皇后も卑弥呼とする考えもあるためこれはこれで面白い。
とは言え実際に祭祀の現場に来てみてもやはりどうもしっくりこないので
このネタは根本から組み直す必要がある。

かぼちゃ

地図上ではもう少し広大かと思ってたが
割と要所は歩いて回れる等コンパクトに仕上がっている。
とは言え適当に歩いて1時間半ほどかかるが。
ちなみに宇佐神宮宝物館は休館だった。なんだよー。
なんかかぼちゃを山積みしてるお店があったりして
参道の売店が開いてる時間に来たらまた印象が変わるかもしれない。



帰路ついでに宇佐平和資料館に行ってみる。

れいしき

倉庫然とした感じで入場無料
ここには映画で使ったレプリカの零式が置いてある。
ついでに桜花のレプリカもある。零式が思いの外大きい


途中宇目の道の駅に立ち寄り昼食。
唐揚げが名物のようで確かに旨い。唄げんか大橋も中々の絶景である。

はし


今回の小旅行、宇佐神宮では目論見を外した感じだが
杵築のカブトガニがそれを補って余りある。

守江湾干潟カブトガニ幼体の生息密度が国内2位と言われる場所だそうなので
生カブトガニを観察したい諸兄には杵築の場所がらや人柄も含め特にオススメしたい。



web拍手
   カブトガニ解説、とても面白かったです。
   今までカブトガニへの印象はその名の通り兜のような外見のみでしたが、
   口の構造の不可解さや行動パターンの無個性さなど、
   表面的な要素以外での強烈な個性を

   わかりやすく知ることができました。
    足をカシャカシャ動かして食べるのは想像すると可愛いですね。

ありがとうございます!
私もそんな感じの印象しかなかったんですが
実物を手に取るとやはりもっと色々知りたくなりますね。
特に体長5pくらいのカブトガニ幼体は
滑るようにちょこちょこ走り回って非常に可愛いです。
飼育されてる映像を見ると
ひっくり返ってジタバタしながらゴカイを食べたりしてるので
やはり摂餌に関しては不器用な印象です。
   カブトガニへの思いが溢れてますw 抜け殻、よかったですね!
ありがとございます!
エビカニやシャコとは脱皮の仕方が違うので保存状況も良い気がします。
カブトガニ抜け殻拾いツアーとかアリかもしれません。




2019/09/02
我慢できないので先にカブトガニについての雑感を。

かぶとがにとおしろ

脱皮殻を拾ったことで、普段は見せてくれないお腹側のあれやこれや
色々と個性的な構造をじっくり観察することができた。

はら

@の部分がカブトガニの口。
この位置に口があるというのは色々と納得できないものがあるので後述。
口の上に小さな1対のハサミがあり、
口の近くにあって何かを挟むもの…つまりはこれが「鋏角」である。
分類としては鋏角類・鋏角亜門・節口綱・カブトガニとなり、
カニやエビなんかの甲殻類よりも
ダニやらクモやらサソリやらの鋏角亜門の蛛形綱に近いというのは
よく知られているところだ。

A途中のしわしわになってる部分が蓋板と鰓脚。
鰓脚にはキチン質の薄い板が幾重にも重なった書鰓という構造が付随していて、
ガス交換はここで行っている。

ちなみにカブトガニは背泳ぎが可能で、
その際はここをばっふばっふと動かして水をかく。
子供だと割と素早く泳ぎ回れる。
泳げば泳ぐほど呼吸効率が上がるという合理的構造は
位置も含めシャコの腹部遊泳脚を彷彿とさせるが
やっぱり両者の縁はずいぶん遠いため収斂進化と考えられる。

カブトガニの前体はお椀をかぶせたような構造で泥上での気密性が高いため、
矢印のような流路で海水を循環、尾剣基部付近の左右の隙間から排水している。

Bは第五歩脚で、泥上の移動に特化した構造。
この脚以外の脚先は全部ハサミである。
この脚(突き肢と呼ばれる)だけ
なんかつくしの腹巻きみたいな薄い板状のトゲみたいな物が付いていて足先は2又。
ガザミやキンセンガニの遊泳脚と比べるとあまり洗練された印象は無い。
この歩脚基部には櫂状器と呼ばれる鰓流補助器官がくっ付いている。

よこ

横から見るとこんな感じ。
紫の丸部分が腹側にある感覚器、いわゆる「腹眼」である。
なんで通常暗黒状態にある腹側に目が必要なのかよくわからないが、
先のとおりカブトガニは背泳ぎで泳ぐことができるので
その際に役に立つのかもしれない。

また、第五歩脚以外全てがハサミ脚というちょっと特殊な形状だが
甲殻類にもセンジュエビという
全ての脚がハサミ脚というちょっとイカすたまんない造形のエビがいるので
水中においては物をつかむ機構と歩行とはあまり競合しないのかもしれない。

ハサミの形状をよく見ると、
不動指と可動指(動く方のツメ)の付き方が甲殻類とは逆な事に気付く。
カニのハサミなら上に開くが、カブトガニの場合は下に開く。
下に開く構造はサソリやカニムシのハサミと同じ動作で、
やはり甲殻類よりもクモ綱との繋がりを匂わせる。
こういうハサミという形状も収斂進化の一部なんだろうなと思う。


くちあっぷ

んで、納得できないカブトガニの口のアップがこちら。

見てわかる通り、
脚の付け根に普通の生物の顎と歯に相当するトゲトゲ器官がある。
ちなみに第五歩脚の基部はトゲトゲがない代わりに強固な突起があり、
硬いものを砕く奥歯のような役回りを持っている。

この顎に当たる器官は各歩脚に完全にくっ付いていて、
つまりカブトガニの咀嚼に当たる行動は完全に脚の動きと連動している。
わかりやすく言うと「飯を食う時足をバタバタさせる必要がある」

…おかしいだろこの生き物。普通の口作れヨ。
そもそもなんで体の中央に口もってきてるんだよ。
俺こんなフェイスハガーみたいな構造の生物、
棘皮動物
コウガイビルとかプラナリアみたいな扁形動物以外知らないぞ。
カギムシだってゴカイだってちゃんと体の先に口があるのに、
なんで節足動物で突然こいつだけこんなとこに口があるんだ。
バージェス頁岩動物群のアノマロカリスだってオパビニアだって
変な口だけどちゃんと頭の先に付いてるぞ。
なにか合理的な理由かと思えば脚バタバタさせなきゃ飯くえないし、
食うのめっちゃヘタ
だし。

百歩譲って体の中央に口を置くのはまだいい。
頭がでかい人だと思えばいいから。
一番わからないのは脚の付け根という
構造上強固かつ複雑にならざるおえない場所
なんで口があるんだという事。

顎というものは、特に我々脊椎動物にとって、
脳の進化と密接に関係する欲望の具現、捕食の最重要器官だ。

顎無くして脳の発達はなく、顎無くして種の多様性はない。
顎が生物のデザインを決定し、
顎こそが他者を認識し作用する表現型の先駆けなのだ。

それをアンタ、そんな大事なものを
なんとなく脚にできたコブ
みたいなもんで代用しちゃって、
それで支障ないからこれでいいや、おや?あんたたちなんでそんな複雑で
高コストなものを必死に大事に守ってるのなんて泥の中で涼しい顔しやがって。
これは人類に対する侮辱である。
人類のみならず現存する全ての動物群に対する明確な挑戦である。

…とまあこんな感じでカブトガニの構造はヘンなのだ。
近縁とされるウミサソリだってこんな口の付き方していない。
なんとなく近縁のイメージのある三葉虫も体構造はまったく別物である。

ちなみに節足動物には脱皮という成長に必須でありながら
常に脱皮不全で一発死の危険をはらむ厄介なシステムがある。
どんなに長い年月強く大きくなっても
脱皮に失敗すればそこで問答無用ハイ終了という酷い仕様である。
もしやカブトガニは脱皮に有利な形を得るために
構造を簡略化し顎を省略したのかとも思ったが、
だいたいやつの脚は全脚ハサミかつ枝脚構造で複雑な形状だし
そもそも脱皮に有利な形を目指すと
エビとかカニもつるんとした卵みたいな形になるはずで、
現在の甲殻類達のトゲトゲした益荒男っぷりを見ると
脱皮の淘汰圧って実はそれほどでもないのかもしれない。

おそらくは過去、このような口を持つ生物群はいくつか存在していたが
次世代の実を結ぶことなく全て滅び
現生のカブトガニ達がその唯一の生き残りなのだろう。


また、カブトガニの内面、性格と言うか動作もなんかヘンである。

動きがどうも画一的と言うか、「意思」のようなものを感じない。
ひっくり返してみると同じタイミングで同じ丸まり方しかしないし、
水につけると即スルスルと走り出すのだが
状況や行き先を鑑みて効率的に逃げるというわけではなく、
なんだかいつも同じタイミングで走り出すリモコンカーみたいな印象である。

これが例えばキンセンガニだと
擬死からの抵抗や機をうかがっての逃亡等、明確に個性があり性格がある。
「この生物には意思がある」そう人間に思わせるだけの
外界からの刺激に対する豊富な反応がある。

ところがカブトガニからは外界に対する興味をまったく感じない。
人間が他者に感じる意思というものが行動パターンの集積に過ぎないのだとして、
その行動パターンの多寡が進化の深度精神や心の計測範囲を表しているのだとして、
カブトガニはこういった部分でも
古い形質を残したままの生物と呼ぶことができるかもしれない。



web拍手
   カブトガニの抜け殻かっこいいですね。箱に入るとすごい高級感。
   思い出の品が増えると嬉しいですよね。
ありがとうございます。
カブトガニに限らずガザミなんかの完品の抜け殻を拾うとテンション上がります。
はばかることなく細部まで見れてしかも腐らない。
すこぶる出来のいいプラモみたいな感じ。
本当に良いものをもらえました。




2019/08/25
二日目。杵築(きつき)市に向かう。
ここでの目的はカブトガニに会う事。
でもまあそう簡単にはいかないだろうなと諦め半分。
とりあえず守江湾干潟がどんな感じなのか見れればそれで満足。

この日は干潮時間が13時だったのでそれまで杵築市内を見て回る事にした。
正直カブトガニ見つけるのに最適な潮汐帯を知らないのだが、
歩いて探す以上まあ干潮時だろう。

と言う訳で、武家屋敷など見て回る。杵築は城下町なのだ。
とりあえず南台武家屋敷という所に向かおうと
Googleマップで出てきた電話番号を入力したら
ふるさと産業館観光案内所的なところに連れていかれてなんやねん。
ぐるっと回ってそれらしい方面に向かう。
と言うか進んでたら道が行き止まりになった。

さか

写真の右側に杵築城下町資料館がある。とりあえず駐車。無料。

入ってみると資料館自体は休館中(月曜定休で祝日の場合翌日休館)で残念。
その先に一松邸というものがあるらしいので、
これが目当ての南台武家屋敷かと行ってみた。

いちまつてい

行ってみるとここが実に絶景ポイントで、杵築城と八坂川河口干潟が一望できる。

いちまつていから

画面中央が杵築城。

てっきり武家屋敷かと思っていた一松邸
まるっと移籍したもので昭和の建物。入場料100円。
だがしかし実にリッチな建材と現在の環境空間は非常に良い感じ。
川を上る風がそよぎぶたの蚊取り線香をくゆらす。案内のお姉ちゃんも気さく。

駐車スペースが近くにある上展望がとても良いので
車で杵築に来たならまず最初に行くべき場所かもしれない。

その後資料館に車を置いたまま北台武家屋敷大原邸に向かう。

さか

マップを見てもらえばわかるが、先ほどの坂道を挟んで
南に中級武士・谷に商人・北に上級武士という面白くてわかりやすい構造。
この構造は日本唯一だそうで、サンドイッチ型城下町と言うそうだ。

というわけで南台(北台)武家屋敷とはつまり特定の一軒を指すものではなく、
初手の道案内を失敗したのはまあ当然と言える。
車で行く際は杵 築城下町資料館に定めるのが無難かもしれない。


大原邸も非常に面白い。かやぶき屋根だ。入場料200円。

おおはらてい

藩の第二位…殿様の次に偉い人が代々(世襲制ではない)住んで、
アヘン戦争時に住んでたのが
「大原さん」だったから大原邸となった。

第二位の武家屋敷ならではの便所に畳
(外すとえらいことになる・子供の教育用)とか
風呂が水で手ぬぐいで体拭くだけだとか
ヘタすると下級武士より厳しい目上に立つ者の気概に満ちた
自戒的面白ポイントがある。
あとかやぶき屋根を煙でいぶす良い感じの匂いがする。
ここの案内のおじさんも良い。


大原邸の前のマンホールの蓋がカブトガニ。

まんほーるのふた

カブトガニとそれを包む手。実に恰好いいし良いデザインだ。
(特徴を見る限りメスのカブトガニなので周囲の点々は卵を表現してるのかも)


次に杵築城に向かう。

鳥居を車で潜るので一瞬たじろぐがここは割と奥にまで車を進められる。

きつきじょう

入場料300円。
なんだかミニチュアのような城だが、
城中は甲冑の展示などあり天守の眺望は絶景の一言。

いちぼう

ここは是非干潮時を選んで見に行って欲しい。

目の前に広がる守江湾干潟はかなり広く(写真は干潟中央部の半分)
さすがカブトガニがいる場所である。
潮が大分引いてきている。わくわくする。

昼飯を何処にするか悩んだが
めんどくさいので城を下った鳥居の先のというお店で円定食を頼む。
円定食は1080円くらいで杵築産ブルベリージュース450円を追加 注文。
ここのお姉ちゃんも気さくで、どうやら杵築は良い人が多いようだ。うまい。


杵築大橋を渡り橋詰公園に駐車、いよいよ干潟に入る。

もりえわんひがた

…割とゴミ落ちてるな。
所々カキ礁もあるしまあ普通の干潟だ。
こんなとこにカブトガニいるんかね。
そもそも暑いし、環境としては過酷すぎる。

もりえわんひがた

…まあ、ほえっと来たぽっと出のド素人なんかに見つけられるわけないか、仕方ないかなと















…いたあああああ!

かぶとがに

なんかもぞもぞそれっぽい塊で砂に潜っている。
拾い出してみるとまぎれもなくカブトガニ。

やったあああ!

黒い甲殻。カブトガニの子供だ。 甲長4〜5センチくらいの可愛いやつだ。

うら

ひっくり返すとすぐに丸まって防御しておなかを見せてくれない。
かわいいかわいい。超かわいい。
ひとしきり感動。
写真撮って戻す。

さらに歩くと手のひらサイズの奴を発見。

かぶとがに

やはりカブトガニの形最高にイカす。
若い個体だからトゲトゲが格好いい。

かぶとがに

なんというか、完璧な形である。


そうこうしてるうちに三匹目発見。
ようやく落ち着きを持って捕獲前の姿を写真にとることが出来た。

もぐり

わかるだろうか。
普段はこんな感じでもぞもぞ泥に潜っている。

かぶとがに

今回一番大きいやつ。
手のひらに乗っけるとなんか歩こうとするのだが
このサイズだと口器部のトゲトゲが時々ちくちくする。
もしかしたら大きいサイズだとそれなりに痛いかもしれない。

うら

でもおなかは見せてくれない。

アクリルの透明な箱なんかに海水と一緒に入れれば
下から腹部を見れるかもしれない。
くそう、用意すればよかった。
(ただカブトガニは腹にも光受容体「腹眼」が一つあるので
やっぱり丸まるかもしれない。知りたい)


それにしてもこんな感じでのそのそしてて
鳥とかに食べられないのかこいつらはと心配になる。
三匹とも干潟に残る水たまりにいたのだが猛暑でその水温は非常に高く、
ほとんどぬるま湯である。
溶存酸素も少ないだろうに、
こんな過酷な環境で大丈夫なのかとやっぱり心配になる。

干潟の質は所々小さめのカキ礁、所々もずく見たいな細めの海藻。
ウミニナ系いっぱいヤドカリいっぱいコブシガニ系いっぱい。
中身入りのオキシジミも時々落ちている。
環境としては僕のよく行く櫛津干潟と似たようなものなのだが、
違いはやはり砂浜の有無だろうか。


すでに目的は達しているが場所を移して杵築市海浜夢公園に駐車。

干潟に出てみるといきなりいた!

から

と思ったら死骸?と思ったら脱皮殻だった。
しかも完全な出来。


はら

昨日の夜にでも脱皮したかのような感じ。
どこにも脱落なく、見えなかったおなかもくっきり。
むっちゃ嬉しい贈り物。
思わず守江湾に「ありがとうー」とお礼を叫ぶ。

その後少し干潟に出てみたが
八坂川と溝井川に挟まれた部分の干潟なのでふかふか砂泥で、
足を取られて立ち往生しそうになったので引き返した。
ここを進むには有明海みたいなガタスキーが必要だ。
同じ守江湾でも各部で干潟の質が違う。
ここにカブトガニ生存の理由があるのかもしれない。

公園には水場があったのでバカ長を脱いで丸洗い。
脱皮殻を保全するために
近くのサンリブ杵築でプラ箱買って水と一緒に入れて車に収納。

近くにJAいこいの湯と言う温泉があるので汗を落としがてら入浴。450円。
ぬるぬるするタイプのアルカリ湯。ここの番頭さん?も良いかんじ。
住人の人柄もいいカブトガニにも会えたおみやげももらった
もういっぺんに気に入った。
杵築大好き。大 分空港を利用したならぜひ立ち寄って欲しい。


今晩の宿は宇佐。杵築から49号を進む。

途中田染(たしぶ)耶馬(三の宮の景)と言うところを通り、

いいかんじ

湖南省の天子山っぽい景観が素敵なので停車し撮影する。いかす断崖だ。


宇佐に入り昭和の街と言う所に寄る。
地図上ではなんだかよくわからなかったがなんだろう博物館みたいなところだ。

しょうわのまち

昭和っぽい雰囲気が中々良い。昔の車の展示などある。
再現された木造の学校教室がなんだか懐かしい。
(小学校低学年まで母校が木造だった)
ただ時間も遅いし有料地帯断念。Tシャツ2000円を買って離れる。
ちなみに駐車場代は一日300円との事だったが、なんか無料で利用できた。


というわけで二日目終わり。もう正直予想以上の結果に僕は満足である。
満足すぎる。

最終日、宇佐神宮参拝に続く。




後日、杵築で拾ったカブトガニの抜け殻を洗って乾かす。

から

この前のスリットからするっと抜け出るようだ。
後ろに後退するカニやエビの脱皮よりスマートな感じがする。
継ぎ目の段差の感じが人工的で、
なんだかネコザメの卵鞘なんかを連想する。

100均ショップで箱を買い、アクリル板を切って蓋にした。

ひょうほん

ピッタリ。
うむ、これは良いものだ。

守江湾干潟、本当にありがとー!




2019/08/16
実家帰省ネタ。
とりあえず構想中のイマイチまとめきれないネタがあるので
取材を兼ねて大分の宇佐神宮まで小旅行の巻。

今回の主目的は宇佐神宮杵築市の守江湾干潟
守江湾干潟はカブトガニの生息地として知られていて、
ちょいと検索すると出てくる画像見るに
こりゃちょっと行ってみるしか無いんじゃないの!という気にさせてくれる。
…まあこんなうまいこと会えるわけないけど。
脚の一本でも拾えたらそれで良し。


と言う訳で一日目。
宇佐に向かう途中適当に道草を食いまくるスタイルです。

まずは門川からE10高速に乗り臼杵(うすき)の摩崖仏を見に行く。

うすきまがいぶつ

駐車場は無料。石仏観覧券540円
見どころ摩崖仏が四箇所ほどあり、さほど大きくない谷あいをくるりと回る。
ちなみにホキ石仏第二群(ホキとは崖という意味の地名)の先にある
石作五輪の塔はそれなりの勾配を上るが
なんかメガドラタワーみたいなちょろい感じ。
山王山石仏手前にある日吉神社はこことつながっているようだ。
ここの日吉神社は丘の上にあるため鳥居が三か所にあり、
二か所をいっぺんに撮れてちょっといい感じ。

ラストの古園石仏(断首された仏頭が有名・現在は修復済み)からは
眼下にいい感じの農村風景と蓮の花畑がある。

がんか

時間にして午前11時ほどであったが今だ良い感じに咲いていた。
蓮を見に来る人も多い。

はす

水沼神社の蓮は純白だが、ピンクも中々良い。



次に昼食用に向かったさがのせき朝市という場所は、
行ってみるとなんか終わった後の魚市場と言う感で
飯を食うどころの騒ぎではないので
先に早吸日女神社に向かう。
早吸日女神社、なんか面白そうな名前じゃないか。
(チョイスした理由、ほんとこれだけ)

佐賀関は半島の先に島がもう一つくっ付いたような形であるが、
すごく大きな精錬所があり
超巨大な煙突が遠くからでもちらちらと見える。異形である。

えんとつ

煙突の形自体は普通なのでなんかスケール感が狂う。

はやすひめじんじゃ

早吸日女神社。「はやすひめ」と読む。
罪穢れを流す祓戸の神のひとつで
神武東征の途中のエピソードがこの社の創祀となるようだ。

ここ大分佐賀関と四国の佐多岬の間に豊予海峡があり、
これは別名「速吸瀬戸(はやすいのせと)」と呼ばれる。
地形上非常に潮の流れが速い。
美々津から船出した神武天皇の東征ルート上にあり、
この地の海女姉妹海底にいた大蛸から神剣を奪取して
神武天皇に奉献したという話が伝わっている。

だもんでこの地での蛸は神の使いであり、
拝殿には奉納された蛸の絵が大量に貼られている。

たこ

ゆえにこの神社の神職は蛸を食べず、
奉納の絵も参拝者各自の蛸を食べない誓いであるという。

いやあこんな面白い神社だとは知らなかった。
蛸というのがいい。思わぬ収穫である。

ちなみに僕の母は亀を祀る神社の巫女をやってたそうで、
亀にまつわる食のタブーがやはりあったそうである。
まあ、この話はちょっと面白いので機会を見ていずれまた。

それにしても父方が蟹で母方が亀とは。
我が家は何だかよくわからん神様の組み合わせで出来ている。


昼食は道 の駅さがのせき関サバ丼。ヅケになってて旨いがちと量が少なめ。
ヤギミルクを使用したヤギソフトクリームなるものも購入。
ほのかにヤギ味がしてうまい。


大分を通過、別府に入り別府タワーに上る。

べっぷたわー

大人300円。令和前だと200円だったようだ。
作りが古いので何とも言えない昭和の味がある。

おおいたがわ

かなり古い建造物なのだが、
当時の窓ガラスをそのまま補強して使っているとのこと。

うさがわ

あちこちにヒビが入ってるし結構高いしでちょっと怖い。
ただ展望はすごく良いため、
周囲の地理関係を目視確認できるスポットとしてかなりおすすめ。
初別府の際に一番に行くべき施設の候補であろう。


野上本館という所で一泊。
別府での最終目標はこの近くにある竹瓦温泉という銭湯なので早速向かう。

たけがわらおんせん

狭い路地歩いてたら竹瓦温泉いきなり出現。

うおおかっけえ!そして思ったよりでけえ!

たけがわらしょうめん

雰囲気いいわあ。赤い郵便ポストもいいわあ。
入り口から向かって右が通常銭湯、左が砂風呂の部屋。
二階もあるがここは町民の公民館で基本立ち入り禁止。

よくそう

入浴料は100円。砂蒸し風呂は1030円。
入浴料やっす!

浴槽の作りは古く湯の温度は中々熱い。
この古さがいい。たまらない風情がある。

写真だとなんか汚そうに見える
ヌルヌルするとかそういう不快感は一切無い。
掘り下げ型ゆえに天井が非常に高く開放感がすごい。
つうか男湯は側面の窓全開なので脱衣所は外から丸見えである。

男湯の方は若人二人と俺が入浴中に
明るい感じの地元のおじいさんが入ってきて
「あつくするよ〜」と言いつつ
右奥の木の丸太みたいな栓を抜いて源泉を流し込み始めた。
このおじいさん、竹瓦温泉警察みたいな感じで(不愉快な感じではない)
お客に話しかけるので旅情がいや増す。
実際風呂は熱いが。

ひろま

風呂上がりにフルーツ牛乳飲んで一休み。うん、たまんねえ。
ここには温泉蒸し卵や蒸しプリンなるものが置いてあるようだが
残念ながら品切れ中だった。
こいつは無念。


湯冷ましにそのへんを少しブラっとしてみる。
実は竹瓦温泉みたいな歴史感ある建物は実は周囲にここ一軒だけで、
周りはキャバレーやスナック、ヘルスだらけ。周辺は普通に大人の風俗街である。
迷路みたいに細かい路地がそこかしこにあり、そこに飲屋系が軒を連ねる。
このあたりだけでも一体どのくらいの店があるのか想像もつかない。
ここで自分だけのお気に入りの飲屋とか探すの凄い楽しいだろうな。

ねこ

あと猫が時々いて、のんびりしてる。観光客が撫でたりしている。

ちなみに別府は歓楽街だけあって外国人観光客が非常に多い。特に中国系。
中国韓国系水着で温泉に入ってきて洗いもしないで湯船にざぶんと入ったり
そこらへんびちゃびちゃにしてたり銭湯ゆえのマナーの問題も多いようだ。
ゆえに銭湯警察みたいな
うるさ型の地元のおじいちゃんやおばあちゃんの存在は非常に心強い。

そこら辺をそぞろ歩いてアーケードでアイス買ったりして宿に帰る。
路地に入ると怪しげな店の前に
おじいちゃんとかおばさんとか座り始めて夜の街の気配が漂い始める。
なんとなく粘度の増した夜の風に心の底が少し高揚する。
なんとも猥雑でわずかに怖い面白い街だ。


とりあえず砂蒸し風呂も体験しておくかという事で
翌日、竹瓦温泉が6時30分に開くと同時に砂風呂を予約する。
砂風呂開場は8時からで1030円。
20分前には竹瓦温泉の方に来ていて欲しいとの事。

砂風呂は入り口こそ男湯と女湯とに分かれてはいるが
最終的に中で繋がっている。
砂場は左右に分かれており、
ローテーションで使ってない方にお湯を流し込んで洗浄もしくは保温している。

すなぶろ

なんだか塩田みたいだ。

砂風呂の客は俺だけで、
背中に湯と書いてある紺の浴衣を渡され、お姉ちゃんに埋められていく
圧迫感と暑さで手足の脈動が明確に感じられる。
ちなみにカメラを持って行くと埋もれたわが身を撮影してくれる。
汗がだらだら出るが埋まっててなんにもできないので
顔を美顔体操みたいにうにょうにょ動かすしかない。
途中でおばちゃんが顔の汗を拭いてくれた。
砂風呂の刑の執行時間は10分間。ギリギリ丁度いい。
正直30分とかだと耐えられる自信がない。

再びお姉ちゃんの指示通りのムーブで砂場から体を抜く。
浴衣についた砂をシャワーで落とし浴衣を脱衣かごにほおり込み、
体についた砂を隣のかけ湯で流す。
かけ湯のお湯が鉄臭く、これ一番源泉濃いんじゃないのと思う。
その隣でお風呂。
今回は私一人だから思うさま使えるが、砂風呂利用最大人数の八人だと
結構な混雑になるのではないかと思われる。

とりあえず今回は私のほかに誰もいないのでのんびりゆったり風呂につかる。
ここも天井が非常に高く、男湯と女湯ブチ抜きなので開放感が半端ない。
砂蒸し風呂はまあ指宿で体験した砂蒸しのあんな感じだが、
やはり竹瓦温泉の神髄はその天井にある。

竹瓦温泉、別府に行った際はぜひ入浴されたし。


と言う訳で一日目終わり。二日目の杵築カブトガニ探訪に続く。




2019/08/03
さて、しばらく実家 に帰省しておりました。
今回は去年休めなかった分ちょっと長め。
…まあ期間の半分は雨降ってたけどな!
というわけでしばらくは実家帰省ネタ。


とりあえず店など回って美味しそうなの探す。

サンシールさのという中々の品ぞろえの店があって、
そこで「磯シジミ」な る貝が売ってたので購入。

いそしじみ

私が帰省したおり、必ず潮干狩りに行くオキシジミとは
殻幅がずいぶん薄いし外靭帯も目立つしで違う奴。
「磯シジミ」なんていかにもな俗称だなと調べてみたら
なんか普通にイソシジミという本名の貝だった。
こんな貝知らんかった…。

と言うかクロダイの釣り餌とかにするとか書いてあるんですけど…。
そんなんがこの強気な値段設定?

と言う訳で茹でて食べてみる。

いそしじみゆで

身痩せはあんまりしてないけど色合い地味。
食べてみると味が濃いが嫌みがなく素直な味わい。普通に旨い。
…でもやっぱ旨いけどちと高いな。



細島をぐるっと回って道の駅ほそしま岩ガキを買う。
どうも日本各地で岩ガキブーム来たらしくて、このごろは結構見るね岩ガキ。

いわがき

でもぱっと見、ここのは小ぶりだし岩ガキっぽくないな。
6〜7個入ってて1300円。

いわがき

こいつを電子レンジ600wで1分30秒加熱する。分量しだいでは1分40秒。
要は半生で、蒸しガキの旨味と生ガキの香気を共に味わいたいのだ。
カキに関しては半生が一番うまい。

ここらへん微妙で1分50秒だと風味があらかた消し飛ぶので注意。
生食できる殻付きカキは電子レンジ600wで1分30秒。
おいらとの約束だ。

当然貝柱に火が完全には通らないが隙間は出来るのでこじ開ける。

いわがき

はい、文句なしにうまーい。むちゃうまーい。
むしろ岩ガキは殺人可能なバカでかいサイズより
このくらいのサイズの方が丁度いい気がする。
つるりと口の中が至福&エロティック。
なんだかんだでカキはやっぱりうまい。



あと海産物以外だとこれだな。

とりたたき

鶏のタタキ。
実家方面でしか見ないから帰省すると必ず食べる。
というか個人的に毎日のように食べる。

値段も大体200〜300円台でリーズナブルだし。なにより旨い。
付属の醤油が「ポン酢生姜系」
「甘口おろしニンニク系」
と二種類あるけど、私は甘口系の方が好き。
めっちゃ旨いから全国区で売ってくれたらいいんだけど、
ものがものだけにまあしょうがない。無念。




2019/07/11
よく行くスーパーにバテイラが売られている事がある。
シッタカとも呼ばれて磯遊びなんかでとれる小型の巻貝だ。
(郷里では三角ミナと呼ばれていた。「ミナ」は「ニナ」が訛ったものだろう)
味が良く野趣あふれる良いおやつになる。

んで、磯の小型巻貝の定番として
バテイラ自体は結構流通してるしそう珍しくないのだが
時々異常にでっかい奴が売り出されたりするようになった。

ゆでたあと

愛媛県産。
写真だとわかりづらいが一般的なバテイラよりも二倍くらい大きい。
ちなみにお値段も普通の倍以上する。
(高すぎて手が出せないので半額時に購入)

でかすぎるので似たような磯貝のオオコシダカガンガラの可能性もあるのだが
どうも見た感じ肋(ろく…表面の凹凸)も目立たずシュっとしてるし
バテイラをそのまま大きくしたようにしか見えない。

海でこんなの見つけたら大喜びしちゃうわ。
でもこれだけ大きくなるのにどんだけの年月かかるんだろう。

なかみ

普通に塩ゆでにする。
バテイラ系はサザエと違って石灰藻を食まないので内蔵がじゃりじゃりしない。
うまい。

うまいんだけど通常サイズのと比べるとなんだか大味感がいなめない。
半額の活性が落ちた生体というのを差し引いてもお得感はあまりない感じ。
やはりでかすぎて味わいが部分部分に分散してしまい、通常サイズのような
腹足の香味と鰓のぬるみと肝臓のコクを
同時に噛みしめるような食べ方には向いていない。

あと、なんていうか立派すぎて食べるのがもったいない気分になる。
ヌシ的な魚を釣っちゃった時みたいな、
そのまま元の場所に逃がしてあげたい感じ。

僕はまあ、普通サイズのバテイラでいいや。




2019/07/04
ずいぶん梅雨感出てきて部屋の中がじーめじーめする。
洗濯物のタイミングを逃がすとえらいことになるので気が抜けない。
今九州すっごい豪雨みたいだが
私が行くころまでには梅雨明けしてくれると嬉しいのだが。




2019/06/26
流れでとろろを食べに丁子屋(ちょうじや)に。
いわゆる鞠子宿、東海道五十三次の丁子屋だ。

ちょうじや

400年以上の老舗だという事で店の雰囲気がものすごく良い。
因みに来るのは二度目。写真は一年前のもの。

相変わらず凄い混んでる。廊下にずらっと人の列。

なか

元々はお茶屋なのだそうだが、何度か増改築をしてきたようで
いくつかある座敷に案内される道中がダンジョンのごとく楽しく入り組んでいる。
旅籠も兼ねていたのかなと思う。

にわ

一応庭にも降りれる。
各部屋でとろろ食ってる人々に見つめられるけど。

とろろ

店員さんの注文受けはてきぱきと手際がいい。出てくるのも早い。

麦飯はおかわり自由。とろろうまい。
うまいが流石地元静岡産の自然薯なだけあって値段はそれなり。
このセットだと動物性タンパク質が小鉢のシラスのくぎ煮みたいなやつしかないので
塩辛とか追加注文した方がいいかもしれない。
ただとろろパワーなのか腹は膨れる。調子に乗っておかわりとかするとやばい。

有名店だけあっていつでも混んでる気がするが
いうてもファストフードみたいなものなので寿司に近いスピードで客が流れる。
長蛇の列でも壊滅的に待たされるという事はないとは思う。

じんりきしゃ

一年前は駐車場側の階下に
ちょっとした囲炉裏と人力車の展示がある
ひなびた休憩スペースみたいな場所があったのだが
こないだ行った時は
やたらちゃんとしたトイレと新し気な物販所にリフォームされていて
なんだかちょいと残念な心持になった。


とは言え何だかんだ言って古い木造建築で食べる飯はとても落ち着く。
やはり全体の雰囲気は素晴らしい。良い味だ。
うちの長屋はそろそろ築60〜70年くらいになるはずだが
まだまだその域には達していないなあ。




2019/06/18
なんかスーパーで北海道産のシシャモが半額だったので買ってみた。

ししゃも

10尾で本来なら489円。
僕が子供の頃は国産のシシャモなどのような扱いだったが
高値とは言え流通に乗るのだから
少しは資源量が回復したということなのだろうか。

ちなみに国産シシャモ自体はかなり前に一度食べたことがあるのだが
その時は脂が変質していたのか喉がイガイガした思い出しかない。

今回のは半額とは言えまあ味の再確認くらいはできるだろう。

ししゃも

改めて焼いてみるが、かなり小さい。
シシャモはギンザケの様に産卵したら死んじゃうタイプでは無いらしいのだが
このサイズだとこ奴らはまだ一年生なのではないだろうか。

食べてみる。
まあ普通にうまい。ししゃも。別に喉もイガイガしない。
雑味がなく変なクセもない。
ただ小さいのですごい小魚感。各うまさも小魚級

・・・正直に言わせてもらえば
ぶっちゃけカラフトシシャモ(カペリン)の方が全然美味い。
国産シシャモはその希少性以外、脂の乗りも肉量も値段もカペリンには及ばない。

でもまあ、それでいい気がする。
全てが及ばない代わりの存在がいるうちは、
需要も抑えられて資源量のさらなる回復も見込めるかもしれない。




2019/06/11
そういえば書くのすっかり忘れていたが静岡ホビーショウに行ったんだった。
(1か月前の話やんけ!)

ほびーしょー

相も変わらず盛況。土曜の一般開放日で人いっぱい。

よんごう

あんこうなW号とか

せんはさ

何が何だかわからガンダムとか
今年も色々面白い展示っぷり。


しかし、私の静岡ホビーショウにおける一番の目的はアレ!
進化を続ける東京マルイ試射ブースなのだ!

と、わくわくしながら真っ先に向かったら、
試射ブースは影も形も無い上にお試しの空打ちさえもできなくなっていた。

一体何が・・・何が・・・




2019/06/04
夏場になると突然電源落ちたり
なんか気付いたら低くウゥーーンって唸ったりしてたAVアンプを買い替え。
完全に壊れたわけではないが
HDMI接続端子付いてないくらい古い型だったので流石に潮時だろう。
いきなり爆発されても困る。


というわけで、新しいのはこれにした。DENONのAVRX1500H

使いこなせるわけがないとわかってはいるが
やはりなんとなく多機能なものを選んでしまう。
とくにこいつはドルビー!あともす!DTS:X!
なんだかわかんないけどなんか凄そうなやつ!
まあ全端子HDMI2対応してるし
そんなにすぐに腐ることはあるまい。うちのモニタは2Kだがな!


・・・んで届いたそいつをセットアップ。
とりあえず5.1CH環境にする。あ、ウーファーはないので正しくは5CHか。

前のアンプは貰い物だったので
何が何だかわからない状態から四苦八苦したものだが
こちらはマイクで音響測ったりして本格的ではあるが
いうてもセットアップガイダンスに沿ってやるだけなので楽ちんでいい。


終わったのでとりあえずPS4PRO繋げてペルソナ5やってみる。

・・・ああー・・・、街のガヤって本当はこういう風に聞こえるものだったのか・・・

隻狼やってみる。

・・・ああー・・・、かがり火のぱちぱちする音がぐるぐるまわるよう。
・・・あとめっちゃ怖いんですけど!
予期しない場所からいきなりうなり声とか聞こえてきてビックリするんですけど!
敵の位置が即座にわかるのは良いんだけど臨場感マシマシすぎてマジ怖いんですけど!
ブラボとかザンキゼロとかもめっちゃ怖いんですけど!
ホラーゲーとか無理だこれ。


これは良いものだ。
もうまじで今まで音関係適当にたれ流してて制作者の皆さんほんとすみません。


というわけで調子に乗って7CH環境にしてみる。
中古屋から30年位前のスピーカーセット2000円くらいで買ってきて
ドルビーアトモス見越して高い位置に背後スピーカーセット!

何しろスピーカーがさらに二つ増えるわけだからそりゃ期待しちゃうぜ。
さあどうなんだい?鳥は俺の頭上で飛ぶのかい?



・・・・俺、ドルビーアトモス対応メディア、持ってませんでした。



web拍手
   ファーストトマトすごいおいしそうですね。
   そんなに美味しいのかと通販を漁ったのですが、

   ファーストトマトはちょうど旬が終わったようでどこも取り扱ってませんでした。
   また来年買ってみようと思います。
なんと、季節終わってましたか。しまった、もっと早く紹介すればよかった。
あのトマトちょっと調べてみたら那須安雄さんという
知る人ぞ知るトマト名人が作ってるトマトらしくて
もしかしたらこの那須農園以外のファーストトマトは味が違うかもしれません。
また来年、良かったら(取り寄せができるのかどうかわかりませんが)
連絡してみてはいかがでしょうか。
市外局番は0982、続きは下の写真で。と言うか完全に私の実家近辺でした。




2019/05/28
この時期、実家から送られてくるものの一つにトマトがある。

とまと

送ってくれるのは那須農園と言うところで栽培されているファーストトマト。

「ファースト」っててっきり初収穫とかの意味かと思ったら普通に品種名らしい。
輸送コスト等で桃太郎などが隆盛してくる前の、いわゆる昔のトマトなのだそうだ。
ちなみに、贈り物なので値段は不明。

全体的に無骨にゴツゴツ硬くてケツが殺人可能なほどトガっている。

とがり

で、この那須農園のトマトなのだが、

これがめっちゃうまい。
ほんとにめっちゃうまい。

いわゆる高糖度トマトなのだが、
スーパーなんかで高糖度を謳っているトマトと比べても
比較にならないほど味が濃い。
言わば超々高糖度トマト。

しかもただ甘いだけではない。
この一個にトマトとしての香りや味、旨さが極限まで凝縮されていて
これを冷やしておもむろにかぶりつくと
硬い皮が弾けた瞬間トマトという果実のすべての魅力口内で炸裂する。
僕はこのトマトを超える旨さのトマトを
今だ食べたことがない。



僕の中のトマト界で揺らぐことのないナンバーワンである。

困った事に、一度これを味わってしまうと
メジャーな市販の品種ではまったく満足できなくなる。
げに恐ろしき背徳の麻薬的トマトである。

もし手に入る機会があったら是非堪能して欲しい。
ほとんどの人のトマトの最高峰が塗り替えられるのではないかと思う。
気をつけろ。




2019/05/20
コミティアお疲れさまでした!(一週間前ですが)

売りもん何もないのに多数立ち寄っていただいてほんとすんません!
地蔵になってる暇なんてなかったですわ
ありがとうございました!

売り物無い方が当日忙しくなるとは予想外。
次は何か出したいなあ。




2019/05/09
五月の大型連休中にむくつけきおっさん4人で何故か富士サファリパークに行ってきた。

入場料2700円
だがHPの割引告知画面を提示することでいきなり2100円になる。謎である。
流石に凄い人出。到着は8時くらいだったのだがすでに第一駐車場は満車。

ここ富士サファリパークは入場時から一歩も車外に出ずに
そのまま自家用車でのサファリ見学が可能なのだが
この時すでに中年おっさん4人の膀胱が破裂寸前になっていたので
第二駐車場でトイレ休憩。

ふじさふぁり

流石裾野。富士山がいい塩梅に見える。

ちなみに運転ははらりんさん
低速でのマニュアル操作だし
ライオンがガリっ
とすんじゃないかとか色々懸念をはらみつつ
サファリゾーンに突入するFK7シビック

らいおん

ライオンがガリっとするって言うより
ライオンをガリっとしちゃうんじゃないかとさえ思える距離感。
路肩を枕に寝るんじゃないよ。
動物たちの気の抜けようが予想外で、
道路にこんなの落ちてたら死体にしか見えない。

ただ気は抜けてるが最初の肉食動物ゾーンなんかには
クマやらライオンやらがうじゃうじゃいて
まあ生身でここで車降ろされたら間違いなく食われるなと感じる恐怖はある。

きりん

思いのほか動物密度が高く見てて飽きない。
サイとかあんなのどうやって倒すんだ。なんだあの皮膚装甲。

しまうま

中々にお互いの距離が近くて眼福。

もっと動物がどこにいるかわかんないような野っ原で
目を皿のようにしながら車で走らされると思ってた(失礼)のでこれは嬉しい誤算。

サファリ見学は一周大体50分くらい。ちなみにマイカーなら何周してもOKだ。



再度第二駐車場に車を止めて、今度はふれあいゾーンとやらを見学。

なんか色々触れる。餌とかやれる。

かんがるー

なんか白いカンガルーとか触れる。
どう見ても殺人可能な手のひらをしているが触れる。
彼奴が突如変心すれば貫手で子供など刺し貫ける距離感だがおとなしい。
子供べたべた触ってるけど動じない。えらい。

わらびー

ワラビーとかいる。
もこもこして良い触り心地。
子供がむしゃむしゃ食われる。

かぴばら

当然のようにカピバラもいる。
子供達が与える笹を無心にもくもく食べる。癒される。
触り心地としては正直ワラビーの足元にも及ばないカピバラさんだが
おなかだけはなんかぽにょんぽにょん中年のおっさんのおなかの触り心地である。
女性陣におかれましては
中年男性のおなかを触りたくなったらカピバラのおなかを揉むが良い。

このほかにもなんかモルモットだのアルマジロだの触れる。
特に丸まるタイプのアルマジロはとことことこと駆けてった後に
ごとんと丸くなったりするので超かわいい。


いや富士サファリパークいいわ。サファリも良いが色々動物触れるのがいい。

ちなみになんか他にも犬館猫館ウサギ館なるものがあるのだが、
各々別途500円必要な上に
50分待ちとかの長蛇の列だったのでスルー。
昆虫館なるものもあるようだがこちらは夏季限定らしくオープンしてなかった。
無念。



告知:
今週末12日開催のコミティア128に参加します。
今回の会場は青海展示棟。
サークルスペースは め14b
ただ新刊無いうえに今回はちらしもありません。
ほんとに居るだけです。申し訳なす。




2019/04/30
平成最終日
ちょいと前(去年の11月くらい)の話。

三島に楽寿園という市立公園がある。
三嶋大社に行くついでに寄ってみただけなのだが、
これがどうして中々の名所であった。

いりぐち

入園料は300円。着いてみると丁度菊まつりというのを開催していて
園内のいろんなところで見事な菊の展示があった。

敷地が広大なうえ普通に見通しのきかない森でどこ行ったらいいのか一瞬迷う。
とりあえず端の方から攻めてみると
なんかちいさな動物園みたいな所に行き着いた。

どうぶつえん

子供が喜びそうな豆汽車環状線の中央にお触りOK動物が囲われている。

かぴばら

あっ!
カピバラだ!カピバラいる!ヒャアア!
触っていいのこれねえ触っていいの!?
お触りOKブースにいるんだから触ってもいいよなあオイ

かぴばら

・・・・ゴワゴワしちょる。

毛質が学校とかで掃除に使うほうき普通にほうき
お尻はおじいちゃんのヒジみたくごつごつでカサカサ
おなかの毛はちょっとだけ柔らか。

ねこのしろ君がわざわざカピバラ触りに旅行して
帰ってきた感想がなんか微妙だったがなるほど納得。
カピバラさん毛が固い。水に濡れてもサラリと平気な仕様の毛質。
見た目もふもふなので触った時に落胆方向のギャップがある。

それでもなおカピバラさんからあふれ出る魅力。それは性格。性格美人。
嫌がらない。全然動じない。いくらでも触らせてくれる。
ケツ撫でてる間も全然気にした様子無く笹かじってた。無関心とも言う。

ちなみにここ楽寿園は
東海道新幹線
が停車する三島駅から徒歩5分かからないくらいの抜群の立地なので
出費気にしないならもしかしたら
最速でカピバラを触れるチャンスのある場所かもしれない。

まあ言うてもこれカピバラの気分次第
今回みたいに檻のそばにいてくれないと触れないんですけどね。

れっぱん

ふれあい広場の先に唐突にレッパンもいた。もふもふ真打登場。
尻尾もふつうにふさふさで元気そう(写真じゃ見えないけど)。
もふもふがのそのそ歩きまわっている。
つか市立公園にレッパンいるとかどうなってんの。

まーら

謎生物マーラもいる。なんかじっと目線くれたので好感度爆上がり。
他にもワラビーやらアルパカやらいる。
ワラビーはケツしか撮らせてくれない。

それにしてもやるな楽寿園。かわいいどころをきっちり抑えてきた。
これには公園デートで彼女も大喜びではないのか?わからんけど。

えすえる

ちなみに唐突にSLの展示なんかもある。C58型。触れるし運転席にも座れる。
これには小僧も大喜びではないのか?わからんけど。

SLの近くには郷土資料館もあり三島の歴史なんかがよくわかる。
三島が練乳製造業発祥の地とは知らなんだ。


・・・とまあカピバラだのSLだの飽きさせない公園だが
やはり散策における神髄は小路である。

こみち

溶岩流の上にある日本庭園だけに
何処につながるかよくわかんないような小路が一々レベル高い。

みずきれい

そして水が綺麗。
三島は富士の湧水が豊富ないわゆる水の街なのだ。
ちなみに、私一押しの柿田川遊水群もそれなりに近くにある
(徒歩で行くにはちと遠いが)

せせらぎ

楽寿園内にもいくつか自然湧水の池があり、そこから小川になって流れてゆく。

おやつ

なんか園内で餃子フェスやってたのでおやつに食べたりしながら散策続行。

らくじゅかん

で、適当に歩いてったらなんか古民家みたいなお屋敷発見。
なんか見学出来るみたい。

・・・てなノリで偶然訪れた此処こそが、
実は楽寿園の中核である楽寿館であった。

この楽寿館、小松宮影仁親王の別邸として建てられた後、
何やかやで持ち主が変遷し今に至る訳だが
何しろ皇族の別邸、細部に至るまで凄まじく本物である。
空間の出来が半端ない

物凄く残念ながら内部は写真撮影不可なので言葉で説明するしかないのだが
温泉に入った時みたいな「あぁ〜、いいわぁ〜。日本人でよかったわ〜」的な
非常に静謐で落ち着いたなんとも癒される空間である。

そしてこの楽寿館から眼前の小浜池を望む光景こそは
間違いなくこの楽寿園を名勝たらしめて余りある絶景である。

例によって館内は写真撮影不可なので
池側から撮ったものから想像していただきたい。

こはまがいけとらくじゅかん

こんな感じ。

こはまがいけとらくじゅかん

こんな感じ。

まるっきり磯の風景なのだ。
海から遠い場所に磯。眼前に磯。磯独り占め。
こんな贅沢見たことない。

ちなみにこの小浜池、
なんか時々水が枯れたりするみたい(楽寿園のHPには水位情報がある)で
我々が行った時はなんか偶然良い感じに仕上がっていたようだ。眼福至極。


と言う訳で、楽寿園に行くならこの楽寿館、ぜひ見学して欲しい。
一般公開は一時間に一回ペースでやっている。
時間内に集まった参加者を案内するツアー方式な為
係員の方々が色々説明してくれるので理解も深まる。

時間が合わなかったらカピバラ撫でてりゃいい。あっという間だ。


なにしろ新幹線の駅から徒歩5分という好条件。
何かの旅のついでにちょいと立ち寄ってみては如何だろうか。


みずきれい

ちなみに楽寿園から白滝公園経由で三嶋大社へ向かう道も堪らない。

みずのまち

三島。一遍に気に入ってしまった。
水の街は、やはり良い。




直前でまた告知しますが
5月12日開催のコミティア128に参加します。
とは言ってもまたブースでボーっとしてるだけの置物になってると思いますが。




2019/04/17
いきつけのJAふれっぴーに時々紅まどかという大型の柑橘が入荷する。
一個大体300円くらい。

べにまどか

こいつはブンタンの一種で、重力に負けて潰れた晩白柚といった見た目。
ただヘタの部分は普通サイズの柑橘とそう変わらないように見える。
これでこの重量を支え切れるとは思えない。
このつぶれようを見るに台の上に乗せて育成してたりするのかもしれない。

中身はこんな感じ。

べにまどかなかみ

それなりに皮が厚く、房部分との結合がしなやかでかなり剥きづらい。
 包丁で切った方が無難ではある。

名前に紅とあるが、正直果肉にさほど紅感はない。
房内は皮離れよくザクザクした食感でそれなりに甘く、
また仄かにパール柑に似た香気もある。
まあ甘さや香りは大型ゆえの大味感があるのは否めないが、
何より房自体が大きいため非常に食べでがある。
またほとんど種無しに近いのもポイントが高い。

果汁豊富な種無しの柑橘を口いっぱいに頬張ってザクザクする。
これは中々の幸せである。




2019/04/08
僕の住んでる所の割合近くに日本平という場所がある。

家康の墓がある久能山東照宮
清水エスパルスのホームグラウンドがあることでそれなりに有名な地区だが
日本平頂上までのいくつかのルートの勾配とカーブが征服欲を煽るため
僕の大学時代あたりまでは走り屋達の巣窟であった。
週末ともなるとけたたましく峠を攻める音が聞こえたものだ。

なのでどうも日本平と聞いても僕には
バイク乗りの先輩たちスピードオーバーでガードレールを乗り越え
茶畑に突っ込んでいるイメージしかない。

そんな感じの印象が残ってるもんで
近くにある観光名所の一つでありながらほとんど行ったことがなかったのだが
今年に入って日本平頂上の展望台が
「日本平夢テラス」
として改装されたとの話を聞き
ネーミングはまあなんだがちょいと登ってみるかと行ってみた。

清水側から山頂に至る道は二本あるが、登りは旧道と呼ばれる方をチョイス。
ここは日本平スタジアムへの要路でもある。

おりしも桜の頃合い。天気も非常に良い。

きゅうどう

平日はさすがに車通りも少ない。
陽光の下の木々のにおい、
所々で咲き誇る桜が風にまかれて花びらを散らす中を原付でゆるゆると走る。
こういうのちょっとたまんない。なんで今まで来なかった俺。


風光明媚。
どうでもいいけど道中これバイクでガードレール乗り越えたら大概死ぬと思う。

みほほうめん

眼下が清水の町並み。正面奥が山頂が雲で隠れてるけど富士山。
天気が良ければ富士・沼津まで見渡せて駿河湾が一望できる。

にほんだいらほてる

近くには日本平ホテルって宿泊施設があるんだけど
庭がよく整備されててそこからの眺めも非常に良い。


展望台のある山頂へ向かう。

にほんだいらさんちょう

ちなみに駐車場は各所にあるが、休日になると出店も出てそれなりに混雑するはず。

駐車場から少し上がった場所に「日本平夢テラス」があった。

でんぱとう

山頂にある巨大な電波塔周りをぐるりと取り囲むように空中回廊が設置されている。

しみずほうめん

清水方面。

しずおかほうめん

静岡方面。

やいづほうめん

大崩れとその先の焼津方面。
下の施設は久能山東照宮と山頂とを繋ぐ日本平ロープウェイ。


山頂で、しかも結構高い位置に回廊があるため想像以上に景色がいい。
清水や静岡の町並みを文字通りぐるり一望できる。これは良い。
日本平夢テラス、名前はなんだがこれなら名物として十分成立する。

特に今の時期は桜もきれいだし、
間違いなくオススメできる静岡の観光スポットの一つと言えよう。


ちなみに山頂付近はさすがに食事関係はあまり充実してない(土日であれば
出店での買い食いもアリではある)ので、
新道と呼ばれる清水日本平パークウェイを下ってふもとの
カレーうどん専門店「鐘壱」イカ墨カレーうどんを食って帰った。

かねいち

いかすみかれーうどん

ちなみにこれを食す場合は必ずリゾットセットを追加で頼むこと。
リゾット化するとカレーなのか何なのかジャンルがよくわからなくなる。
卓上に常備されている「さくらえびラー油」を使うと
もっとなんだかわからなくなるが
イカ墨カレーうどんはリゾットでしめる事で完成する。うまい。




2019/04/01
JAふれっぴーでサワーポメロ売ってたので購入。

さわーぽめろ

サワーポメロという名は聞きなれないと思うが
「パール柑」と言えばそれなりに知名度があるのではないかと思う。

ポメロ系にはチャンドラポメロとかメイポメロとか
「そもそもポメロってなんだよ⁉」と叫びたくなる一族がいるのだが
まあ正直言っておおよそは親であるブンタンよりか一段落ちる感じの味わいのものが多い。

しかしながらそんな
「名前が面白いからなんとなく買ってみっか」
というお情け的屈辱一家において
このサワーポメロ・パール柑だけは違う。
明らかな個性として独特の香気を持ち、酸味のバランスがよく甘くかつさわやか。
非常においしいのだ。ポメロ一族の面目躍如である。

それゆえ高い。
パール柑として個別に包装され普通は一個だいたい400円以上する。

ところが柑橘不作と言われた去年は事情が違って
この「パール柑」と銘打たれた品物がスーパーで150円とかで販売されていた。
何故かはさっぱりわからないが安いにこしたことはないので
そりゃもう喜んで買って食べてみると
これが明らかにパール柑ではない。
控えめに言って普通のブンタンの味がした。
何かの間違いかと思って別の場所でも三個買って食べてみたが
三個とも普通にブンタンの味がした。

自分の舌が信じられなくなった。

なにこれ詐欺?柑橘界の闇?とも思ったが
安いし普通のブンタンもそれなりにうまいし
ここまで大量に流通していながら誰一人の指摘すらなく
このパール柑→ブンタンすり替え事件が公になっていないのがちょっとこわいので
日当たりのよさそうな柑橘界の闇は見なかったことにした。

というわけで今回のサワーポメロである。前振りが長すぎる。

結論から言うと間違いなくこれはパール柑である。
うまい。このケミカル一歩手前の独特の香気。まちがいない。
これこそサワーポメロ・パール柑である。
そしたやはり去年のあれは間違いなく普通のブンタンである。
私の舌は間違ってなどいなかった。
なんだったんだアレって話である。



web拍手
   新刊読みました。すごくいい所で終わって早く続きが読みたいです。
ありがとうございます!要請もあって二巻完結構成で組んだので
起承転結の起承まで終わってようやくこれから!なとこなんですよねあそこ




2019/03/25
近所のスーパーに時々

つぼだいさしみ

こんな感じのツボダイのお刺身が出る時がある。

正直この状態だと本当にツボダイなのか
よく似てるチョウセンバカマなのか判断できかねるのだが
当たりの個体は写真で見てわかるように非常に脂が乗っている。

かくだい

こんなん美味いに決まってますがな。

食べてみると過多な脂の甘みで肉の味わいはやや隠れ気味なのだが
白濁して柔らかそうな見た目に反して
身質はコリッコリで非常に歯ごたえが良い。
そりゃうまい。脂が多いからご飯と合う合う。

今までツボダイ名義のチョウセンバカマは何度か食べているが、
脂の乗った個体は皆無だった。
となれば、もしやこれが真のツボダイの実力なのやもしれぬ。

今度魚本体が売られていたら一匹買いしてみようと思います。



web拍手
   単行本購入させていただきました。
   雑誌も購読していましたが、一冊の本でまとめて読むことのできる幸せを感じます。
   巻末やカバー下の描き下ろしも嬉しかったです。続きを読める日を心待ちにさせていただきます。

おおん!ご購入ありがとうございます!ありがとうございます!
僕自身もあると嬉しく感じるのでおまけ要素はどうしても入れておきたくなってしまいます。おまけ含めて一作品。
   単行本拝見しました。霧恵ワールド全開ですげぇワクワクしました。
   うちの地域は流通してないので単行本待ちだったのですが、一般誌で載ったのが驚きです。 
   早く続きが読みたい。

くうう!ありがとうございます!頑張ります。かく言う僕も書店で結局一度も見たことなかったという(笑)
    ぐっちょんぐっちょんだったりするよ!
まだ足りないよ!全然物足りないよ!境目がわからないくらいヌルヌルにしてやんよ!
   第2回はアラスカのキビヤックとアイスランドのハウカットルとニュージーランドのエキュピアチーズを
   何とか手に入れて開催したいですわ(笑)

シュールストレミングごちそうさまでした。貴様のケツに海鳥突っ込んで土に埋めてやる!(豹変)
   本屋行ったら普通に平積みされてたよ
マジかいや。こっちでは二軒ほど回ってみたけど影も形もなかったゾ
ホントに発売されてるのか疑わしいことこの上ないですよ(笑)  




2019/03/18
昨日の話。

友人の鮫料理研究家から「臭いもん取り揃えたから食べに来い」
実に有り難くないお誘いを受ける。
そもそも週末だし臭いもので無駄に体力使うより
家でごろごろゲームしてたいのが人情ではあるが
臭いもののラインナップの中に
ホンオフェシュールストレミングがあるという事で急遽参加することとなった。

ホンオフェシュールストレミング・・・やはりどちらも一度は経験しておかねばなるまい。


オフサイド堀畑(のモデルになった先輩)に駅まで迎えに来てもらい、
そのまま臭いもの会場に直行する。

くさいやつら

家族連れで賑わう河川敷のはずれ、橋の下に怪しげなやつらがたむろしている。
このうららかな日曜に、好き好んでわざわざ臭いものを食べに来た好事家どもである。

くさいものども

シュールストレミング
ホンオフェ
臭豆腐
マンステルチーズ
鮒ずし
くさや
ドリアン

壮観である。臭い奴らがそろい踏みである。
この時点で風下には異臭が漂い始める。
釣りやってる連中に通報とかされないか心配である。


最初にドリアン、くさや、マンステルチーズ、臭豆腐が開封。


まずくさや。
伊豆諸島特産の発酵液に付け込んだ干物。
今回の魚はトビウオクサヤモロ
うんくさい。うんこくさい。
うんこくさいのに焼き魚のいいにおいも混じってるので腹立たしい。
食べれば旨いとはいうがやっぱりうんこくさいので腹立たしい。
なぜだかトビウオのくさやの方が腹立たしい。
ご飯をくれ。


臭豆腐。
豆腐の発酵食品。
ほのかに緑の灰色。中身がどろどろと流れ出し四隅の外殻だけ残った感じの豆腐。
くさやで鼻がバカになったのか臭いをあまり感じない。
感じないというか嗅覚の忌避感リミッターが外れた感じ。
においは確かにあるのだが顔を背けるほどでもない。
中の豆腐はとにかく塩味が強い。塩分がじゃりじゃりと結晶化している。
ただ味自体は何か深みがあり、しかし塩分のせいで味蕾の彼方へ逃げ去ってしまう。
オフサイド堀畑が作ってくれた素のおにぎりがあったので一緒に食べてみたが、
こうすると普通においしい。
ただそれにしても塩分が高すぎるが。


マンステルチーズ。
チーズの表面を塩水で幾度も洗うウオッシュチーズ。
これはうまい。普通にうまい。表面がなぜか焼き魚の味がする。
色々な臭いものを食べてもなにか旨いと言わなくてはならない
強迫観念に陥ったこの場の好事家どもをして
「憩いの場」とさえ言わしめる圧倒的普通さ
いやほんと、普通にうまい。俺これ売ってたら普通に買うわ。


ドリアン。
ドリアンは現地に行かねば旨いものは食えないと聞くが、
今回のはなかなかどうしてイケル。
当然うんこ臭はあるのだが爽やかさと甘みがあり、ちゃんと果物である。
ちゃんとしてない食い物が多い中、ちゃんと果物である。普通ってすばらしい。


後半戦、ホンオフェ、鮒ずし、そして満を持してシュールストレミング開封。


まずホンオフェ
ガンギエイを常温の壺の中でほったらかしにするとできるもの

ほんおふぇ

なぜかチリ産韓国産が用意されていた。

最初は本場の食べ方、
鮫料理研究家が用意した豚キムチとレタスでくるんで食べてみる。

こうするとホンオフェ本体のにおいはだいぶマイルドな感じ。
豚キムチの見知った味わいの中から辛みが徐々に頭角を現し
なんか辛いなと思ってると噛み切れないカリコリしたものが最後まで口の中に残り
エイの味わいがかすかにしてくる。

よくわからないので素で食べてみるとこれが非常に辛い。
辛さの方向性としてたとえるならこれはトウガラシではなくワサビ
一切れ口の中にほおりこんで噛みしめると
完全なるアンモニア臭口腔を蹂躙し、
気体となって鼻腔を上昇して鼻の穴から抜けていく。

味わいとしてはやや塩味のもにゅもにゅしたただの生のエイであり、
飲み込みたいが噛み切れない。
この噛んでるうちにスースーと鼻に抜ける
ある種の清涼感がこの食べ物の持ち味だろうと思う。

なぜかチリ産のほうがアンモニアが強く、
そのあとだと韓国産のはまだ新鮮でぬるい。
どちらにしてもおかわりも行けるし、耐えられないほどではない。

ちなみに我が家は依然として汲み取り式なので、
仲間内のホンオフェ評は「我が家の便所の臭い」


鮒ずし。
塩漬けした鮒を再度飯とともに漬けこみ乳酸発酵させる食べ物。
うまい。ホンオフェ食った後だと普通にうまい。まとも。
乳酸発酵の程よい酸味のうちに水分が抜けて締まった肉質を咬みしだく。
酸味の中にしっかりとした旨さがある。
下水の臭いを覚悟していたのだが、特に変なにおいも感じない。
ホンオフェのあとだからかもう全然ぬるい。
放置しちゃって出来たような代物とは違う。
これはちゃんとした食べ物だ。 うまい。


そして最後におまちかね。
ニシンが低塩で発酵したもの
シュールストレミング開封。

しゅー

素手で持つおそるべし鮫料理研究家。

しゅーー

素手で切り分けるおそるべし鮫料(略)


臭いはドリアンに似てる気がする。
腐ったタマネギのような目の詰まった臭いもする。
ドリアンタマネギおよび正体不明で重合的な臭い
まず普通は食べない臭い。

赤々とした身は少しうまそうで、しかし食べてみるとこれも塩分が強い。

ある者はスクガラスの味だという。
ある者はカエルが死んだときあんな臭いだという。
クランウェルツノガエルが真夏に死ぬと
溶けてドロドロになる
そうでその時の水槽の臭いだという。

味わいはしょっぱく、ほんのわずかだけ魚の腹腔の味がするが基本的には
しょっぱくてどろどろしたなんかよくわかんないもの。

どうにも塩分が邪魔して臭いや味の表現が難しい。
塩分が強いためジャガイモを素で茹でたやつと合わせて食べてみるとそこそこいける。
ただ食べれないことはないが、
もし目の前の食材がこの状態になっていたら即捨てる。
当たり前だ。


ホンオフェと比べてみるとこの食材ならではという目立った長所がわからない。
各要素をストロングスタイルに調整した地味ながら厄介な相手といった印象。

おそらくシュールストレミングは経験により臭いによって想起される場面が変わる。
その個人個人で食に適さぬ情景を思い浮かべた場合は
そこでアウトとなる面白い食材である。


最後にクランウェルツノガエルの飼い主の言葉で締めくくろう。
「確実にあれは死んでる匂いがする」



web拍手
   こっちに来れば猪豚が食べられるよ!
おおイノブタ!食べたことない!まともな肉だ!きっとうまいに違いない




2019/03/10
ちょいと前の話。

普段は鍋といえばちゃんこばかり食べている我らであるが、
たまには違う鍋も食べようじゃないかということで
適当に探した結果見つけた見月茶屋というところに
シシ鍋を食べに行くことになった。

みつきじゃや

店は安倍川本流沿いにある。
ちなみに背後はこんな感じ。

はいご

場所的には静岡のそれなりに奥地なので、
普段海辺に住んでる者としては山のにおいが心地いい。

みせのなか

コンパクトな店内に入るといきなり焚火。

すいそう

そしてすぐ横の沢の水をふんだんに利用しての
ヤマメの生け簀と水槽が4〜5箇所ほどある。

この店は作りがなかなか面白く、ざあざあと沢の流れる音と主に
風通しのよさそうな灰汁深い木造に薪のにおいと煙が立ち込め
なんだかおばあちゃんの家に来たみたいな気分になる。
うん、昔の本家はこんなにおいしてた。

この雰囲気は非常に良い。

とんとんと階段を上り二階に通される。

ししなべ

ここのシシ鍋は予約制なので、我らが到着した時点で準備完了。
後は煮るだけ状態。

ちなみに一人前1800円。
入ってるのは野生猪・近所の野菜・近所のキノコ・自家製味噌とのこと。

やまめしおやき

ヤマメの塩焼き(一尾500円)なんかをかじりながら鍋が煮えるのを待つ。

にえました

煮えました〜。

ししなべ

うむ、うまい。
そりゃうまい。
普段自分で作ってるのは魚介系なので味噌鍋はなじみが薄いのだが
ガツンと活力系の肉の鍋だ。
やはり肉には味噌がよく合う。脂が強いから味噌に負けない。

そして肝心の猪肉だが、これが意外なほどクセがない。
僕の知ってる猪肉はもっと硬くて脂部分がぎゃりぎゃりしてて
表面に毛根の黒い粒が点々としてる感じのものなのだが
ここの猪肉は処理がよほどうまいのか硬くないし臭いもない。きれいなものだ。
逆に言えばジビエ感が薄く、うまいけれども個人的には若干物足りなくはある。

ぞうすい

そんなこんなで雑炊でしめ。

あつい。うまい。あつい。


というわけで、個人的には肉はもっと粗野なほうがいいかなとは思いつつ
店の雰囲気は非常に良いので
今度はヤマメ定食でも食べに来てみるかなどと仲間と店を後にする。

なんかもっとイノシシ食いたくなってきた。
肉の鍋は腹に一段力が貯まるのがとてもいい。





2019/03/04
忙しくて貯まってたネタ消化月間。
ちょいと前の話。


よく行くスーパーになんかこんなの売ってたんでついつい買ってしまった。

さめたまご

アブラツノザメの卵。299円。これは初めて見る。
どうやって食えばいいのかよくわからないが「煮つけに」とか書いてある。
昔、友人の鮫料理研究家からこれで作ったプリンをもらったことがあるが
若干の粒子感がある以外は特に問題なくうまいプリンだった。
というかサメ要素どこやねんな感じの普通にうまいプリンだった。

流石にプリンとか作ったことないし、
そもそもサメの卵が本来はどんな味がするのか知りたかったので
とりあえず塩ゆでにしてみることにする。

さめたまごに

さーてどうかな?とりあえず4個ほど鍋に投入。
持った感じぷにゃぷにゃの思ったよりも薄い卵膜。

さめたまごに

即中身流出
とりあえず水から火を通してみたら
速攻皮が破けて中身がのろ〜と出てきた。全部。

さめたまごに

即白濁
何も見えなくなる。

…そりゃあそうだよ。そりゃそうなるよ。



んで1分ほど茹でて
水が引いた後のカリ城みたいに出てきたのがこちら。

さめたまごカリ城

…かき卵みたいになったのかと思いきや、
四個全部鍋の底に中身が流れ出たままのかたちでくっついていた。

箸でこそいでお皿に盛る。う…うううん…

ばにらあいすみたい

色合いは黄色みがかった白で、形状と色はバニラアイスに酷似。
硬さはメレンゲのごとくふわっとしており
なんだか見た目はミルクとか使った西洋菓子のようだ。(梅干し付きだけど)
あれ?思ったよりうまそうだぞ?

だが口に運ぶといわゆる魚の味がする。
そして重い粒子感。飲み込むの躊躇する感じ。
味は粉っぽい食感ともども火を通した魚の水晶体に似ている。
それプラス仄かな卵黄の味。

ぶっちゃけうまくはない。
この重い粒子感を生かして何か料理に使えそうな気もするが、
火を通すと中身が破れ出る関係上溶き卵のような用途にしか使えない。
煮物は無理だろこれ。

鮫料理研究家がプリンに使ったというのは確かによくわかる。
卵膜が弱いのでそのままの熱加工は無理だ。
…うーん伊達巻に使えばいける気もしない?でもない?

というわけで

たまごやき

まあ吾輩に伊達巻なんて上級料理無理なんで単なる卵焼きですけどね!

たまごたまご

ちなみにそのままサメ卵ナチュラルパワー発揮させると絶対失敗するので
鮫卵3個に対してつなぎに鶏卵一個使用した。

さめたまごやき

あとうちにはケチャップがないのでソースかけた。
…卵焼き自体も作ったの人生で二度目くらいだけど、
思ったよりそれっぽく出来たな。

なかみこんな感じ。鮫卵の半生はちょっと抵抗があったので火は中まで通した。
…というか、見た目すごくよくね?卵焼きの才能あるんじゃないの?

さめたまごやき


からの……まっずい。

…うむ。というか味がしねえ。
見てくれに関しては申し分ないが、なぜか鮫卵の持つ魚の味が消えて
四分の一に薄まった鶏卵を
紙粘土でかさ増しした薄味で密度だけ高い卵焼き
である。
イメージは灰色。ディストピアの食べ物って感じがする。

ソースのおかげで食べられなくもないが積極的に食べたくもない。
そして食べ終わった後にやはり喉に粒子状のなんか軽いイガイガが残る。
これは多分裏ごししないとだめだ。

料理への使いどころとしては味ではなく充填剤としてだろうか。
紙粘土的密度の高さを利用して
かさまし用としてならある程度使い道があるようには思うが、
この鮫の卵単体での料理は料理人以外では扱いきれないように思う。

こりゃ素人が安易に手を出していい食材ではなかった。
無念…無念にござる。



web拍手
   秒で予約完了しました。布教しなきゃ。
おおう!ありがとうございます!
でもあのその布教していただきたいのは山々なんですが、
布教していただけると私大喜びなんですが
…読んでから決めたほうが!うむ!




2019/02/23
単行本作業終了。おわったおわったー。



web拍手
   ええええ単行本ですってえええええ!!!お待ちしてまーす!!
おおおう!ありがとうございます!
直前になったらまた告知しますが発売日は3月18日との事。
発行部数が非常に少ないそうので
「本屋で見かけたら買うか」だと手に入らない可能性大。
予約した方が無難であります!よろしくお願いします!




2019/01/20
単行本作業中。

コタツに入ってパソコン作業中、
電子レンジ
で昼食を温めつつ洗濯機動かしてたらブレーカーが落ちた。
ノオオーッ




2019/01/06
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします!


2019がんたん

今年の初日の出はこんなんでした。
伊豆に雲かかっててちょっとだけタイムラグ。
画面右のは砂流失防止用の簡易堤防
久しぶりに来てみたらまたえらく砂浜が削れてやがったぜ。


ネット用のノートPC新調したんだけど
そのセッティングで休日全部潰れてしもうた。

でもこれで我が家が生存に適さない温度になっても
お外で作業ができまする。





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