2016〜2017



2016/12/26
スーパーに行ったらなんか美味そうな刺身が売ってたからなんとなく買ってみた。

そうだがつお

「そうだがつお」と書いてある。
この脂の乗り方からおそらくヒラソウダだと思われるが
ソウダガツオ系って足が速いから普通スーパーとかには出回らないのよな。
ぶっちゃけ刺身は初めて見た。
腹の皮が剥かれてしまっているのは残念だが美味そうだ。

歯ごたえは前に食べたのと同じもんにゅり感。
脂の味は若いカツオ感。
普通のカツオ刺身とはやはり味わいも少し違って、これも中々良いのだが
それなりに多い血合い部分になんだか仄かに海獣類の血肉の味わいが漂う。
ちょっとじっくり味わうと嫌いになりそうだったので、その部分だけ噛み千切って
鳥のように噛まずに飲み込む。


クリスマスには近所のスーパーで半額になってた茹でオマールを買って食べたが
手に持つと明らかに軽く、開けてみると案の定かなりスカスカで
これ定価(2000円)で買ったカップルとか仲が険悪になるんじゃないかといらぬ心配することしきり。
まあ、私は悟りきった目をして一人でもぐもぐ食いましたがね。味はそれなりに良かったからまあよし。


年内更新は微妙なところなので
とりあえず皆様、良いお年を〜。





2016/12/18
そろそろ太田ポンカンが出始める季節。
ちょくちょくJAに行くのだが、ミカンとは違う柑橘系が売られているとつい手に取らずにはいられない。
この時期、太田ポンカンでたか!と思って手に取ると大体ユズなのだが
そもそもユズって中の実食えるんだろうか?
なんか薬味として果汁と皮を利用してるイメージしかない。あとお風呂
なんか凄いすっぱそうで買うのに二の足を踏んでしまう。




2016/12/11
近所のスーパー行ったらアカガレイが半額になっていたので買ってみる。
おかしら付きの一尾500円也。

エラは抜いてあり鱗は落とされていて、一から料理したい向きには残念なのだが
まあこれはこれ、たまには楽をしてこういうメジャーな魚を食べるのも良いだろう。

二つに切って、なんとなく見栄えを気にしてフライパンで煮付ける。

あかがれい

適当に煮てできあがり。

あかがれいにつけ

うむ、うまそう。てか旨い。
縁側は薄いがちょうど良い脂の乗りで全体的にまとまりがある。
肉量もそこそこだしアカガレイ中々旨いな。
この時期ゆえそれなりに期待してたはあまり大きくなかったのは残念。

それよか腹をめくってみたら内臓が丸々残ってたのが驚きだ。
鰓抜いてあったからてっきり内臓も抜いてあると早合点して丸のまま一緒に煮てしまった。
おかげで内臓の仔細が観察できたが楽しみの一つである肝臓苦不味くて食えない。
非常に無念極まりない。

でもまあアカガレイの腹部表側腸がとぐろを巻いていて、
肝臓は裏側に広がっているというのがわかったのは収穫と言えよう。
この場合、左右逆転してるヒラメではどうなってるのか中々に興味がわく。



Web拍手
   LeviAThaN1が出たのが2007年の1月という事は
        そろそろ 十周年になる訳で我らが老けるのも道理ですな

いやああー!聞きたくないいいー!もうなんだ10年て!
いやあああー!・・・私まだなにもしてないよ。なんにも何も。
10周年とかなんか気が遠くなりそうだけど、
まあちょうどそれに間に合わせるように完全版一巻配信するのも良いなー
と言うかなんかそのタイミング以外無いような気がしてきた!




2016/12/06

スーパーに行ったらこうばこ売ってたので買ってみた。
そういやもうそういう季節だった。と言うか季節過ぎかけてた。

なんか雑な袋に入れられて三匹入りの500円。安い。
年に数回の縁起物だからととりあえず手にとって見たがそれなりに重い。
家に帰って袋から出してみたら三匹ともまだ動いている。活物だったとはこれは嬉しい誤算。

と言うわけで、ひとしきり拝んでからゆでていただきます。

こうばこ

写真をいまいち失敗した感があるが、鮮度は当然申し分なく、内子も外子も十分。
こうばこは基本胴体部分だけを期待するものだが足の筋肉も負けず劣らず漲って旨い。

ふいー、久々のかにはやっぱり旨い。
カニギャンブル完全勝利すると、なにか人生が報われた感すらする。かに素晴らしい。





2016/11/26
さて、私の痔ろう完治したのだが
ついでに「大腸内視鏡検査」を受けて尻関係の最終的な〆を行う運びとなった。


大腸検査やったことないし軽い気持ちで決めたのだが、これ結構めんどくさいのね。

前々日の夜から下剤を飲み、前日の昼食と夕食は病院から渡されたレトルト食品を食べる。
夕食後はピコプレップという名の腸管洗浄剤を水に溶かして飲み、
さらに追加で色の付いてないスポーツドリンク系1.5ℓほどを適当な間隔で飲まなくてはならない。
就寝前にもう一回下剤投入。

翌日、結構やばい肛門事情でバイトを終わらせ、1.5ℓの追加スポドリ持ってクリニックへ。

すでに何人か同じ検査を受ける人達が集まっていて、
皆同じ検査着に着替えてずらり並んだ背もたれ座椅子に座っている。
平日だったからか圧倒的に年配が多く、私の年代は一人もいない。

再びピコプレップを飲み、
持ち寄ったスポドリ系1.5ℓを適当な間隔(250ml.を10分間隔で五回以上)で飲む。

あんまり意識した事無かったが、それなりの水分をそこそこのペースで飲み続けるのは結構きつい。
そして結構ヒマ。TVは備え付けられているが、本持ってきといて良かった。


ここからは早い者勝ちレースの様相を呈しており、
とにかく便を完全な透明の水にするまで検査は行われない。

すでに腹の中は完全にカラで、固形物の食べ物が早くも恋しい。
水飲んで水出しての繰り返しなのでそのうち「人間って一本の管なんだねえ」と悟り
後半、完全に色が落ちた暖かい水ケツから噴射してると「俺は温水製造機か」と笑えてくる。
ケツがひりひりしてつらい。

努力の甲斐あって、内視鏡一番乗り。
左手に点滴を打たれ、手術室に運ばれる。
麻酔を打つと言うので腰椎麻酔のトラウマが甦り、「やっぱりいいです」つって帰ろうかと思ったが
点滴のチューブを併用して流し込むタイプだったので一安心。

横向きに丸くさせられ、ケツにずぶりと何かの感覚。腹の中に空気を送り込まれ、腸が膨らんでゆく。
モニターに俺の腹の中が映されているのが見える。

検査自体はすぐ終わった。正味10分あるかないか。

麻酔が入ってるのですこしふらつく。軽く酔っ払った時のよう。
少し寝ろと言われて少し寝たらたたき起こされ、着替えて結果報告。


俺の腹の中、こんな感じ。

はらのなか

とりあえず綺麗。ポリープとか何も無し。

と言うわけで終了。先生に礼を言って帰る。
費用は6000円ちょい。軽度の癌やポリープがあった場合、
その場切除で費用が3万〜6万に跳ね上がるので
とりあえず何も無くて胸をなでおろす。


とても腹が減ったので河岸の市に寄り、なんか旨そうな大き目のアオメエソ売ってたので買って帰る。

あおめえそ

一夜干しのようだ。大きめだからかちゃんと内臓が抜いてある。
焼いて食べる。

めひかり

外はカリッ、中はふわっ。
腹減ってたからすこぶる旨し。




2016/11/14
大学時代の友人が脳梗塞で倒れたので
久々に同級生および後輩達が集まり、岐阜まで見舞いに行った。

冷静に考えたら同級生もそれなりに大病経験者が多く、
正直もう全員ポンコツ。もうそういう歳なのである。
かく言う私も尻に穴が開いたりしたしな。

友人は実家通いなのだが
話を聞くに、それでも結構ぎりぎりの感じだったようで
命があっただけめっけもの。言い方はアレだが不幸中の幸いとも言える。

まあ、私が同じ事になったら間違いなく部屋でチーズになってるね。

あせらずリハビリを続けてほしい。


そんで見舞いの帰りに、友人の弟さんがやってる鰻屋にひつまぶしを食べに行く。
ちゃんとした本式のひつまぶしを食べるのも初めてだが、
鰻自体を食う事もものすごく久しぶりなので、もうめっちゃ旨い。うなぎめっちゃ旨い。
うざくっていう酢味噌であえたキュウリの上に鰻がのってるやつも食べたが、これも旨い。めっちゃ旨い。
皆すさまじく綺麗に平らげていた。ご馳走様でした。

確かに、この店を目当てに横浜から岐阜に行く同級生の気持ちもわかる気がする。



Web拍手
   ちょっと見ない間に神社巡りの旅が終わってらっしゃる 
   ・・・綺麗な写真と会わせて見応えたっぷりでしたお疲れさまです!
ありがとうございます!撮ってるのが完全に資料撮影用と割り切ったデジカメなので、
やはりこう現場の空気感とか数段落ちるのが口惜しい所でもあります。
あとちょっと神社シリーズ長すぎました。
その間に撮ったネタとか完全に季節はずれになってしまってお蔵入りであります。
   そして痔完治おめでとうございます!さらば第二尻穴
そしてまたありがとうございます!私の”人生でいらないもの”辞書の中に”第二尻穴”記載されました。
本当にいらない。親知らず抜いた穴ぐらい役に立たない。




2016/11/08
しばらく前からどうも第二尻穴の存在を感知できなくなり、
それはそれで妙な違和感を感じていたのだが
先日、病院に行ったところ「うん、治ってますね」と言われた。

と言うわけで、痔、完治。

八月の前半に手術したから、大体きっちり三ヶ月である。
尻ピアス方式のシートン法だとゴムが自然に外れるのが大体半年と言われているので
比較的治癒の早いこのくりぬき法も、終わってみればまあこれで良かったかな、という気分になる。

当然、二度とごめんだが。




2016/10/31
さすがに結構寒くなってきた。すでにコタツでぬくぬく。

少し遠目のスーパーに寄ってみたらカラスガレイ縁側が残ってるタイプ
つまり普通の切り身が売っていた。
カラスガレイで縁側が付いたままなのは珍しいのでためしに買って煮付けてみたが
縁側部分がさすがの脂の乗り非常に旨い。
今度売ってるの見かけたらお試しじゃなくてガッツリ買ってこよう。




2016/10/26
コミティア118お疲れ様でした。
来てくださった方本当にどうもありがとう。

今回のチラシは8ページの痔の手術の話だったんだけど
何故か女の子が二人手にとってその場で読んで
あまつさえ「おもしろかったです」となどと感想まで言ってくれて
一緒に本出してる隣の真名くんに
「目の前で女の子にアナルの話読まれて感想を言われるってどんな気持ち?ねえどんな気持ち?」
などと言われたりしたりした。

そりゃあ嬉しいに決まってますよ!



Web拍手
   Q:もう漫画は描かないのですか
A:すいません描きます。描きますとも





2016/10/16
来週、10月23日のコミティア118に参加します。
スペースNoは M55a 月刊製作委員会(仮)
いつものごとくチラシで新刊はありません。あしからず。

今回は例年より日時が早くてコミティア本部に結構混乱があったみたいで
我々のサークルの当落通知が大幅に遅れて、これはついに初めてコミティア落選しちまったか
なんて思ったりしたりした。




2016/10/09
2016年度実家帰省記 神社の章その六

前回・前々回の速川神社速開都比売神社で今回の旅の目的はおおかた果たしたので、残りは気楽に回る。

次の目的地は銀鏡神社

しろみじんじゃ

例の愉快な魚ギンカガミと同じ漢字の神社。
実際は銀鏡と書いて「しろみ」と呼ぶ。銀鏡神社(しろみじんじゃ)

しろみじんじゃ

鳥居と拝殿は立て替えたばかりらしく新しいが、この神社の神宝は神代の鏡
そのいわれが非常に面白い。

この神社の主祭神はあの磐長姫なのだ。

イワナガヒメコノハナサクヤビメの説話は今更説明するまでも無いと思うが、ものすごく簡単に言うと
天孫降臨のニニギの所にイワナガヒメとコノハナサクヤビメの二人の姉妹が嫁に出されたのだが
なんだか不細工な姉だったのでイワナガヒメだけチェンジする外道ニニギ
しかしながらイワナガヒメをポイしたせいで
これ以降の人間の寿命は花の散るごとく短くなってしまった。そんな感じ。

後世の人間からすれば「何やってんだニニギ」
「重婚OKなら両方とっとけよニニギ」
みたいな評価になるかなりメジャーな神話である。

んで、この神社は
ニニギにポイされたその帰路で、あらためて鏡でまじまじと自分の顔を見たイワナガヒメが
ブチ切れて鏡をブン投げて、
その飛んできた鏡が木に引っかかってた場所に建立された神社
と言う事なのだそうだ。

イワナガヒメの心中察するに余りあるが、言っちゃあ何だが非常に愛嬌のある一面も感じ取れて好感が持てる。
世の移り変わりと共に美醜の価値観が変化しているという説をとれば
現代の価値観ではイワナガヒメ超美人かもしれないし。うん、不老の美人。言う事無し。

ほんでん

拝殿は新しいが本殿は古いまま。
神道の理念はよくわかっているつもりだが、やはりこういうのは新品より古い方がなんだか落ち着く。

りーぜんと

ここにも屋根にリーゼントの彼がいた。
本殿自体も朱塗りだし、先に訪れた巨 田(こた)神社と似ている。何か関係があるのだろうか。
ニニギ関係にはサルタヒコが守護するとか、そういう感じだろうか。

うらがわ

裏門側から振り返ったところ。鳥居が並ぶとやはりちょっといかす感じになる。

やはり先に訪れた速川神社速開都比売神社と比べるとロケーション的には見劣りするのだが
周囲には分祀場奉納相撲の舞台巨木への小道もあり、これはこれで中々良い。


銀鏡神社よりさらに山の奥へ。
道中いかす橋があったので撮影。

くちたはし

くちはし

こういう風情はとても好きだ。

そのまま39号を登り、渡川ダム湖に沿って南郷町神門(みかど)南郷温泉山霧へと向かうのだが
この渡川ダム湖沿岸の道は非常に細くクネクネしていてスピードがまるで出せず、
近いようでいて結構きつい。

なかなかのぱのらま

ただ、上りきれば恋 人の丘というなんだか80年代くらいのセンスの名前の公園があり、
そこからは中々の眺望が期待できる。

神門は百済だか新羅だかの王族が流れ着いて住んだ土地という、
中々に歴史のある面白そうないわれをもつ神社があるのだが
町をあげての何故か韓国押し
関係者達が皆おそろいの赤いTシャツとか着てて正直今の時勢どうなんだろうこれ。
早期に方向転換したほうがいいと他人事ながら心配になる。

神門神社の裏手の山を上った所にある温泉につかってひとごこち。
掛け流しの成分ナトリウム炭酸水素塩でアルカリ性泉。ぬるぬるする。悪くない。


後はもう帰るだけなのだが、ラストに地図で見た下渡川神社と言う所によって帰ることにする。

いいかんじのどうそしん

近くまで来たがそれらしきものが見つからず少し徒歩で探す。
途中で見つけたいい感じの道祖神を撮影。
花の状態から信仰未だ絶えず、
いい加減山の中なのだが人間ってどんな場所にでも住んでるんだなあなんてちょっと思う。

ちなみにその後、例の下渡川神社を見つけたが、正直この場所のほうがずっといかしていた。

ここから帰りの道は再び中々の細いぐねぐね道。
「イノシシが崖の上を通りますので落石注意」てな看板とか初めて見たわ。

トンネル

あと、こんな狭くて(車一台分)野趣溢れるトンネルとか初めて通ったわ。


んで、そのまま日向の我が実家へ帰宅。
途中、若 山牧水記念館のふもとの川が非常に綺麗で少し寄って写真を撮りたかったのだが、
母親が尿意を訴えたので無念のスルー。
ここなら実家からも割りと近いし、今度帰省した時にでも行って見よう。


予定していた場所はすべて訪れ、寄り道もして過不足無く一日で回りきった。
今回は実に順調で爽快、深い見識にも触れた思いのする旅であった。
その中でもやはり白眉は速川神社速開都比売神社
もし、近くに行く機会があったのなら是非参拝する事をお勧めする。


そういうわけで2016年度帰省日記はこれにて終了。
おいもう10月になっちゃってるじゃないか。




2016/10/02
2016年度実家帰省記 神社の章その五

さて次は、速川神社から四キロほど上流にある伊吹戸主神社に向かう。
国道219号のトンネル手前から旧道に入りしばらく進むと入り口発見。

はやあきつひめじんじゃいりぐち

・・・うん。本道から離れてるのもあってなんかいかにも誰も来てない雰囲気の入り口。

のぼりには「速開都比売(ハヤアキツヒメ)神社」とある。
・・・あれ?ここ息吹戸主神社じゃないの?

両親は先の速川神社の道中にこりて車で待機宣言。
車の鍵を渡し、こちらは携帯電話を預かりいざ出発。

ちなみに速開都比売・速秋津姫はどちらもハヤアキツヒメ
伊吹戸主・息吹戸主・気吹戸主
はどれもイブキドヌシで、漢字は違うが同じ存在である。
以下結構混ざるので混乱のなきように。

おりる

速川神社のように道の脇を降りてゆくとなんか妙に立派な吊り橋が現れた。

つりばし

ははーん。母親が昔来た事があるって言ってたのは多分こっちの神社なんだな。

相変わらず眼下の一ツ瀬川は濁っていて勿体無い。すこぶる勿体無い。
しかし吊り橋の直線上に道が無いように見えるんだがどうなってるんだろう。

吊り橋を渡り切ると右手の山沿いに道が続いていた。

よいこみち

ちょっと雰囲気のいい小路。ある程度進んで振り返って撮影。
小路の山側にはなんか遺棄された民家らしきものもある。
陽光の中になにか水がざあざあと流れる音がするだけで、人の気配はまったく無い。

さらに進んで速開都比売神社に到着。
車からここまで300m.も離れていない。速川神社と比べると全然近い。

全体的には滝を中心に苔むした石垣や階段や小さな橋が組み合わさった、
結構本格的でワクワクする立地の複合施設である。
「なんかすげー良さそうだから来てみなよ」と両親に電話しようとしたが、余裕で携帯の圏外だった、

ちょうずや

手水舎とかとにかく水量が豊富で真ん中から凄い勢いで綺麗な水が噴き出してだばだば溢れている。
こんな贅沢で勢いのある手水舎初めて見た。

はやあきつひめじんじゃ

速開都比売神社の鳥居と拝殿。

形はごく一般的な明神鳥居だが、塗られた色がこれは初めて見るなんと青色。
一般的な朱色が命をあらわすとしたら、いったいどういう意味があってこんな色なんだろう。

鈴緒を引いてお参りすると、音に驚いた立派なメスのアシダカグモが壁をてけてけと歩いてゆく。
こんな山奥にもいるんだなと驚くと共に、なんか雰囲気が木造の小学校のようだ。いい意味で俗っぽいと言うか。

縁起を見ると、「当神社の速開都比売は瀬織津比売の姉にあたり、
主管・武崎守利の夢枕に息吹戸の神共々知らされた事から
この地に神殿建設となった」とある。
この、武崎守利なる人物、少し調べてみたが全然わからない。
わからないがこの神社施設の成立はさほど古くないように見える。
おそらくは神代の時代にさかのぼるとも言われる速川神社とは比べるべくも無い。

なんだか正体不明な感じの施設だが、しかしこの神社の裏手へ進むと素晴らしい滝が見えてきた。

たき

実に絶景である。
滝の上部に小さな橋のような人工物、側面の山腹に小さな鳥居が見えたが
どうやって行くのかはわからなかった。

たき

川端に下りてみる。
周りの木立を抜け、陽光が行く手を照らしだす。
切り取った一枚の絵のように素晴らしい情景。
正直この滝を見るだけでもここに来た価値があった。

たき

なるほど武崎某がここに神殿を建設した理由もわかる。これはいかす。とてもいかす。

ここは水行の場所となっているようで
すぐ横のなんだかひしゃげた小さな祠の前には

まるいいし

こんな丸石も置いてあった。
授け玉と彫ってあるから子宝祈願用の石のようだ。

とりあえず周りには誰もいないし暑いので
せっかくだから服を脱ぎ捨てパンツ一丁になって僕もしばらく滝に打たれてみた。

・・・うむむむむ、中々の落下衝撃。水塊直撃で脳天がハゲそうだ。手拭頭に巻いたほうがいいかもしれん。
最初はなんやかや祈願文句を考えていたのだが
脳天が盛大に揺さぶられるうちになんだかどうでもよくなってきた。
無心の境地に飽きたところで退散。
場所柄、なんか身体の中のもやもやをすっかり洗い流したような爽快な気分である。


来て見てわかったのだが、
のぼりや案内にあるようにこの施設のメインはこの速開都比売神社と裏手の滝。
グーグルマップでは何故か「伊吹戸主神社」とされているが、
正確には「速開都比売社」「すげえいかす滝」と表記すべきである。
・・・いや、実はここにはちゃんと息吹戸主神社もあるのだが

いぶきどぬしじんじゃ

その社は速開都比売神社に比べて右手の一段高い所にある。
とは言え一回り小さく、地面に置いてある看板から漂う絶妙な格差。
また一段高い所にあると言うのも違和感がある。

そもそもが、この速開都比売と息吹戸主の神社瀬織津比売の神社の上流にある
と言うのがしっくりこないのだ。
上から下に流れる水の流れと逆配置という、感覚にそぐわない位置関係。
外国には川の上流と下流の概念が完全に逆の部族がいるらしいが、
こと急峻な地形の日本においておそらくそれは無い。
と、なれば一番考えうるのは先の武崎某が滝の見事さに惹かれて
速川神社との位置とか関係無し
に類縁の神社を建ててしまった
そんな所だろうとは思うが、ふと気が付いた。

・・・そう言えば、ここには見事な滝がある。
滝とは大蛇だ。水行と禊をする場所だ。
・・・もしかしたらここでの瀬織津比売に当たるものがあの滝なのではないか。

延喜式の祓の順番で言えば
瀬織津姫
速秋津姫伊吹戸主速 佐須良姫で地形に当てはめれば川→海→海上→黄泉。
この場所の場合、(瀬織津姫)→(速秋津姫)→一段高い位置・蒸発(伊吹戸主)→土中(速佐須良姫)

もしあの大滝が瀬織津姫に当たるものならば
下流の速川神社とはまるで関係なく、この施設だけで一連の祓が小さく完結できる。
武崎某の意図は、もしかしたらここにあったのかもしれない。


ちなみに、

祓の順番、これは川から海に流れた水が海上で気化して再び雨となって土中に染み込むという
水の一連の状態変化にそのまま当てはまる。
祓の根本思想は消失であって輪廻ではないが、その触媒は普通に循環していると言える。

この中で、息吹戸主が海上で水を蒸発させて気化したそれを陸地に吹きやるわけだが
この時点では恐らく、まだ罪穢れの本質は変化していない。
だから、海からの雲によって列島全土に降り注ぐ雨、それに深く濡れれば身体に障る。
罪穢れを乗せた水が清浄になるのは、土中を潜って速佐須良姫にまみえて後である。

人界で発生した罪穢れは大海に流れ出て、そこで大いに希釈される。
だから降雨は恵みの雨となりうる(そもそも人の罪穢れは人以外に作用しない)のであるが
だがしかし、ここではそのサイクルを非常に小さく完結させている。

・・・つまり、小さくまとまれば、それだけ濃度も濃く凝る。

・・・・・・この場所、まずいんじゃないのか。




祓ラストの速佐須良姫の座す場所が、もし根の国底の国ではなく常世であったなら、
日本における罪穢れは人界に降雨せず、この国は常に清浄であり続けたはずなのだが
何ゆえか古代の日本人はそう設定しなかった。
道々、その理由を考えるのも実に楽しいものだ。


と言うわけで、色々堪能してこの地を後にする。
帰りの立派すぎる吊り橋を見るに付け

つりばし

この神社ひとつのためにこんな大層な吊り橋を建設するその理由怪しさが妄想を刺激する。


と言うわけで、この速開都比売(ハヤアキツヒメ)神社、
色々怪しいが色々面白くて非常にオススメである。
やはり滝のロケーションが素晴らしい。あと近い。


残りの神社めぐりは次回で一気にまとめて巻いていこう。




2016/09/24
2016年度実家帰省記 神社の章その四

ようやく今回の旅の主目標である速川神社の鳥居前に到着。
すっかり山の中である。

はやかわじんじゃとりい

完全に国道219号の道沿いで迷う事は無い。
結構大きな鳥居の横の看板にかすれた文字で縁起が書いてある。
曰く、
「この神社の祭神は瀬織津姫命。創設者はニニギノミコト。
従者であった瀬織津姫が速川の早瀬で水難にあい

その死を悼んでこの地に小さな祠を建立したのが始まり」


そもそも瀬織津姫の名が表に出るのは延喜式であり、記紀にその名は明記されていない。
興味深いことに、
ここでは天孫降臨時にニニギノミコトが同伴した何柱かの神々の中に瀬織津姫がいたとしている。
瀬織津姫アマテラスの荒御霊とか鈴鹿権現とか呼ばれてる色々もやっとした
いまいちルーツのはっきりしない女神
なのだが
ニニギと同伴した神の一柱というここでの立ち位置と出自は実に明快でわかりやすい。

すなわち、人間としての捉えやすさ。

思い出してほしいのだが、神社の章その二で訪れた瀬織津姫の墳墓である御陵神社
その説明で瀬織津姫
「速川神社で修行し、神武天皇の東征に同行したが、途中病気で死去した」
とある。

ニニギノミコトと神武天皇では世代が三代違い、
そもそも瀬織津姫はニニギの代と神武天皇の代で二度死んでいることになる。

・・・つまり、おそらく「瀬織津姫」とは罪穢れを流す巫女
それに与えられた役職名なのだ。


よく考えてみたら祓戸四神
瀬織津姫命が罪穢れを川に流し
次に速秋津姫命がその罪穢れを水底で吸収
伊吹戸主がその罪穢れを気体に変換して根の国に吹きやり
それを受け取った根の国速佐須良姫命がそれが自然消滅するまでさすらう」
・・・この一連の祓の流れの中で
冒頭の瀬織津姫「罪穢れを川に流す」作業だけは、人間の身で履行可能なのである。

おそらく、日本の歴史の中で「瀬織津姫」と呼ばれた女性幾人もいて
命を賭して時代ごとの罪穢れをその身に受け、そしてそれを海に流してきたのだ。
幾人もいたからこそ、ゆえに後世、単体としての瀬織津姫の実態像があやふやになっているのだ。


・・・とか考えながら鳥居を潜る。まだ来たばかりですよ。

つえおきば

母がどうも昔ここに来たことがあるっぽいみたいな事を話す。
橋を渡ってすぐの ところに社殿があったと言う。
しかし下りの階段の途中に登山に使う感じの杖がいっぱい置いてあって、
すぐなら何ゆえこんなものが置いてあるのか。

はし

なんか沈下橋みたいなところを渡る。
母は、「あれえ?吊橋だったと思ったけどなあ」とか言ってる。

みぎ

橋から見る川原が上々の眺め。
この流域の上流には一ツ瀬ダムがあるため、
本来清流であるはずの水面は問答無用で濁っていてすこぶる残念。

のぼり

橋を渡ると登りが始まる。
傾斜角がきつく、思いの外大変。

小さな木造の鳥居の向こうに建物らしき影が見える。あそこかな?と思っていたら
近づくとなんか違う。ほとんど遺棄されたような売店だった。当然閉まっている。
売店の横に鳥居があり、登り道はまだ先に続いている。
父はここでリタイア。母はやや後方。
僕も相当グロッキーだがここまで来て本殿を見ないで帰るわけには行かない。

ふりかえる

坂の途中で振り返って写真を撮った。
これ傾斜角何度だよ!みたいな坂道が続く。途中で何度も休む。
息が切れて進行速度がおじいちゃんみたいになる。
道自体は綺麗に整備されているのだが、薄くコケが生えて湿っているので帰りのスリップが怖い。
日当たりの良い乾いたコンクリ部分には立派な大きさのカナヘビや丸々太ったニホントカゲがいて
おじいちゃんみたいな僕が近づくとちょろちょろ逃げてゆく。

鳥居が何本も並んでいる少し開けたカーブがあり、後から考えるとここで全体の半分くらい。
ただこの時はまだ着かないのかと割と絶望的な気分。
真夏なのでとめどなく汗が流れ、全身グダグダのびっしょり。
ただここからは勾配が若干穏やかになるため、かろうじて心が折れずに済んだ。

さらに進むと岩清水が綺麗にくりぬかれた穴に注がれる小さな石の水場があって、
ここで大いに英気が回復する。清く冷たい水にハンドタオルをひたして絞らず頭の上に乗せて再び歩き出す。

さらに途中、結構大き目のトイレ施設をすぎてしばらくしてようやく、
ようやく速川神社、その本殿に到達した。

はやかわじんじゃほんでん

写真背後に鳥居、右に売店兼社務所の建物があり全体的にコンパクトにまとまっている。
水量が豊富で、地形的には峰の谷間に当たる場所。

ほんでんひだり

手水舎の左は素晴らしく苔むした何層もの小さい滝。

みぎ

本殿右も何層もの滝が組み合わさる素晴らしい水路。
奥の淵を覗き込むと2〜3pの小さなエビが何匹かいて、よくもまあこんな場所に住んでるもんだと感心。
この水はそのまま社務所脇の大滝(蛇滝というらしい)から流れ落ちる。
構成的には神社の章その一で訪れた同じく祓戸四神を奉る湊柱神社に似ている。

はいでんないぶ

ここの主祭神は瀬織津姫なのだが、
面白い事に直接的に供え参拝する対象はその眷属であるとされる蛇神である。
なので写真中央に小さく写っている通り、正式なお供え物は卵二つ蝋燭二つ。

水に関係する川や滝の聖域、あるいはの神格はおおむね大蛇として認識されるのだが
大陸の思想が入って以後、大体の蛇は竜となり水神雷神となった。
竜は卵など食べない。この事からもこの神社への参詣の歴史がいかに古いかは伺い知れよう。

・・・などと考えてはみたものの、
何故瀬織津姫の眷属が蛇なのか、卵のお供え物が何時から始まったのか
さっぱりわからない。
蛇は、そして死と再生を意味するが、祓の根本思想は消失であって輪廻ではない。
・・・あるいは昔の人は予見したのかもしれない。
人界の罪穢れに果ては無く、
ゆえにやがて一本の川の流れ、一匹の蛇のように機能するシステムとなるのだと。


さすがにこんな山奥の神社には誰もいないだろうと思っていたら
右にある社務所の売店に当たり前のようにメガネのおばちゃんが座っていて驚く。
なぜかちょっと割安感のあるお守りを買いつつおばちゃんに
「ここに住んでるんですか?」と尋ねると
なんと毎日通っているとの事。
ひゃああ。僕なんかもう足ガタガタでこれから下山するのもつらいのに。

写真撮ったりして結構な時間いたのだが後続の母親は現れず
両親の分もなんとなく祈願してこの場を去る。

帰り道、一本道であるにもかかわらず母親と出会えず、
途中で滑落とかしてたらちょっと今の体力じゃ洒落にならんぞと
バテバテになりながら心配してたら、川を挟んだ向こうの山から声がする。
おーいおーい、谷間って声が思いの外響くんだなあ。

かえる

どうやら母は鳥居が何本も並んだカーブ地点で前進断念
序盤でリタイアした父と共に車の所で待っていた。

最後の力を振り絞って無体な高低差の階段を這い登り両親と合流。
申し訳ないことに車の鍵は僕が持っていたので両親とも炎天の外でブラブラしていた。


さて、今回の主目標はこれで達成された。
序盤は景色もよく、社殿周りのロケーションも最高な非常にオススメの神社である。
・・むっちゃ疲れるけど。あと真冬は無理だな。路面が凍結して滑って死ぬ。


むっちゃ疲れたがしかし
このすぐ上流にマップ上で息吹戸主神社という
これまた無視できない祓戸四神が一柱の名を冠する神社があるのである。
これは推して行かずばなるまい。

と言うわけで、神社めぐりはまだ続く。




2016/09/16
2016年度実家帰省記 食の章・神社の章その三


主目標は西都の速川神社
ついでだから道すがらのめぼしい神社も参拝してみる事にする。

宮崎県中部山岳部を右回りする形だ。一日で回れるか若干不安だがまあ何とかなるだろう。
今回は父母も同行し小旅行の様。Xトレイルに乗っていざ出発。

東九州自動車道を高鍋で降り、まずは湖水ヶ池公園の水沼神社へ。

みずぬまじんじゃ

ここは参道が若干長く、県道から一つ目の鳥居を車で直接潜る形で入る。
駐車場は左右にあり安心。
本殿そのものは比較的ファンキーないでたちで割と新しく、
周囲の鎮守の森もシュロが混ざって生えてたりして中々面白い雰囲気なのだが
やはり圧巻は裏手のハスの大群生であろう。

はすのうみ

一面ハスの海である。この規模のハス群生はちょっと見たことがない。

はすのはな

速川神社以外の参拝予定神社は地図見ながらなんとなく決めたのだが、これはいきなり大当たり。

朝日に透けてゆらぐ緑の海が目に優しい。気分がとても落ち着く。ずっと見ていられる。
これは今の時期がたぶんベスト。冬に行っても全部枯れてて面白くないだろうと思う。

ちなみに、この「湖水ヶ池」
親子二人で暮らしていたらある日幼い娘が突然失踪、湖水から竜になって昇天したという
なんだか幼女略取誘拐事件的な伝説があるそうで
「こすいがいけ」ではなく「こみずがいけ」と読み、正確には「子見ずヶ池」と書くそうだ。

・・・あれえ?朝のさわやかな気分がなんだか台無しである。


すぐ近くの富田浜入江干潟に寄り、

とみたはまかこうひがた

写真背後側の日向灘の砂浜でキンセンガ二がいることを確認。
ここの干潟は面白そうな地形で非常にそそられるのだが、今回は場所の確認だけ。


次の目的地、巨田(こた)神社

こたじんじゃ

なんとなく名前が面白いから行ってみた。道中は割と看板が主張してくるので迷わない。
道沿いにあり、大きな駐車場とトイレがある。開放的な雰囲気。
祭神は天太玉命(アマノフトダタマノミコト、誉田別命(ホンダワケノミコト)、そして神功皇后。
神功皇后とホンダワケノミコトは親子なので大体セット。ここ宇佐八幡の管轄だったみたい。
アメノフトダマノミコトは天孫降臨ニニギノミコトに随伴した神。

こたじんじゃ

いい感じに古びた拝殿。

こたじんじゃ

その後ろに三間社流造(さんげんしゃながれづくり)の朱塗りの豪華な本殿がある。
屋根に何かあるなと思ったら

どなた?

超リーゼント!

・・・どなたですのん?サルタヒコ?


近くに巨田池という鴨の古式狩猟地があるそうなので何も考えずに細い道に入ったら
ガタガタ道の末にホラー映画みたいな私有地に入り込んでしまったので退散する。

途中で見つけた羽 黒神社に寄ったりしながらこの先を考えて早めの昼食をとることになり
西都原古墳群の中のこのはな館へ向かう。

おのれこのはなかん

西都原古墳群はやはりロケーションが良く気分がいい。今回は若干ひまわりの満開には早かったが
春の菜の花も見事であるという。
ここの西都原考古博物館は素晴らしい展示の上さらに無料なので
是非立ち寄って欲しい。

巨田神社の鴨猟が頭をよぎって鴨食べたくなったので「ゆずかも膳」850円ってのを頼んで、
料理が来る前にちょいと周囲の写真を撮りに行って帰ってきたら
なんと厨房に鴨が無いと言う。僕がいなかったので両親がそれでもOKを出したら
はたして運ばれてきた料理はただのチキン南蛮で、タルタルソースには柚子感も皆無。
鴨でもない。柚子感も無い。・・・これ「膳」じゃん!ただの「膳」じゃん!!
お値段据え置きでおのれ!おのれこのはな館!!


気を取り直し、216号を一ツ瀬川に沿って上る。
ようやく主目的の速川神社へ到達した所で
長くなるので次回に続く。




Web拍手
   貝おいしそうですね! お体の方は動かれたりしても大丈夫なのですか?
オキシジミおいしいですよ!縄文人も食べてる由緒正しい二枚貝です。
ケツの方はもうなんとも無いですね。相変わらず穴は開いてるのですけど痛みも違和感ももうありません。
親知らずを抜いた穴が塞がる様に、完全復元はそれなりにゆっくりみたいです。
   BehEMotHの新作描くのですね、楽しみに待ってます。
   それにしても、ギンカガミかわいらしい顔してて美味いなんていいお魚ですね。
ずいぶん描く描く言ってる描く描く詐欺ですが必ず描くので気長にお待ちください。
そうそうギンカガミは中々かわいい顔してるんですよね。体色も綺麗だし水槽で飼ったら人気出そうです。
でもああっ、また食べたいっ。




2016/09/09
2016年度実家帰省記 食の章・神社の章そのニ

先の湊柱神社のように、(おそらく祝詞祭事の関係上)祓戸四神はひとまとめに奉られる事が多いのだが
延岡に瀬織津姫命だけを奉っている神社があるようなので行ってみた。
名前を御陵神社と言うらしい。

ごりょうじんじゃ

地図上だと国道沿いにあるのだが、入り口が少し外れたところにある。
両脇を完全に民家に挟まれてて駐車場はなさそうだ。

とりいいりぐち

全体的にこじんまりとしている。鳥居が独特。非常に低い。

この御陵という名はそのもの墳墓をさしており、
県指定史跡延岡市古墳第16号と書かれた杭が立っている。
つまり、この神社は古墳の上に立っている神社なのだ。
そして面白い事に、ここに埋葬された人物こそ誰あろう瀬織津姫命とされている。
ここは神の墓なのである。

由来書きによれば、
神武天皇が美々津より船出した神武東征のさい、同行した瀬織津姫という女性の神様が
途中のため延岡の方財町で船を下ろされ、この場所で亡くなったという。

おっと、先の立磐神社と繋がった。こりゃ面白い。
神武東征に瀬織津姫命が同行したというのは実に面白い。
歿後、古墳・御陵を築造するくらいなのだから
一方ならぬ身分あるいは地位役職の女性であることは確実。
つまり、東征遷都において必要不可欠な祭事を執り行う女性、あるいは女性「達」

んで、ここははやり病平癒祈願のために古墳の上に立てられた神社らしいのだが、
実はこの神社、建立自体が昭和20年ということでなんか神社としてはべらぼうに新しい。

・・・神様の墓の上に、建物立てちゃって・・・いいの?

とか考えながら写真とってたら
なんか神社左脇の社務所って言うか普通の民家の玄関にしか見えない所から
ワインレッドの作務衣を来たおねえちゃんが突然現れてビックリした。
どこからここに?とか幾つか尋ねられたが、
いくつもの神社を回ってきて、
俺から声を掛けこそすれ神社側から声を掛けられる事態など今まで皆無だったので
ちょっと面食らう。ひとしきり会話が終わった後に二人して沈黙。なにこの雰囲気。

ほんじゃまあ帰ろうとすると
「写真は撮られましたか?」
「ええ、それなりに」
「その写真は丁重に扱ってください。ここは力のある神様なので・・・
はい、それはもう。と答えたが、
ふとデジタルデータの丁重な扱いというのはどのようなものなのだろうと考える。
良いHDDに入れるとかDVDじゃなくてBDに焼くとか、そんな感じ?

帰り際に
「この神社の鳥居に抱きつくと縁結びの御利益があるのです。抱きついてってください」と言われたので
言われるがまま鳥居の柱に適当に抱きついてぽむぽむして帰る。柱は金属製で中空の筒だった。
祓戸四神が一柱と縁結びが全然繋がらないが、まあホラ縁結びは大切だしね。

なんだか普通と雰囲気が違うヘンな神社だったが、一つ今後の指針になるモノがあった。
先ほどの由来書きに「瀬織津姫様は現在の西都の速川神社修行され・・・」とあったのだ。
調べてみると速川神社の祭神はずばり瀬織津姫命
つまり、もしかしたらこの速川神社こそが瀬織津姫命の原点となりうる地なのやもしれぬ。
これはもう行くしかあるまい。行ってみるしかあるまい。・・・結構遠いけど。

というわけで、神社めぐりは続く。



帰省するとサノ(サンシールさの)というスーパーにしょっちゅう行く。
馬刺し鶏刺し等の品揃えは良いし、なにより鮮魚コーナーが中々にスルドイ。
以前ギンカガミを見た(買わないで後悔した)のもここである。
親父のお気に入りはここの海鮮丼

さののかいせんどん

この出来で480円である。どこでもドアがあったら多分毎日行くね。




2016/08/31
2016年度実家帰省記 食の章・神社の章その一

九州の中でも宮崎県はどちらかと言えば影が薄い印象で、
近い所では地鶏とマンゴー位しかイメージが湧かない人も多かろうと思うが
そんな陸の孤島的な立地にあって、わりとドヤ顔できるものの一つが「神話」である。

具体的には記紀における「天孫降臨」から「神武東征」まで、
諸説あるがその期間、宮崎は日本神話の中心地であり続けた・・・ようだ。

ニニギノミコト・アメノウズメ・サルタヒコ・
コノハナサクヤヒメ・イワ ナガヒメ・海幸彦・山幸彦・トヨタマヒメ・タマヨリヒメ
等々
登場する神々も誰もが何処かで聞いた事があるような錚々たる顔ぶれである。
コノハナサクヤヒメとか富士山のイメージが強いけど、多分ぶっちゃけ南九州の土着人である。
俺が描く時には断固褐色キャラにする。トヨタマヒメもタマヨリヒメも褐色キャラにする。

・・・ええと、まあそういうわけで、県内にはそういった由来の神社や旧跡なんかがそれなりにある。
今回の実家における旅はそういったものの資料集めも兼ねた神社めぐりを主軸とした。
実は直近の漫画の資料としては神功皇后ネタの方が欲しかったのだが、実家から宇佐神宮は結構遠くて
県外なので勝手もよくわからず日取りの関係上断念したのだ。無念。
と言うわけで、今回の神社めぐりの主な対象は僕がずっと暖めているBehEMotH1・ 2ネタの資料の補強と確認、
すなわち祓戸四神である。

という訳で、
島津義久vs大友宗麟でそれなりに有名な美々津の耳川河口にふたつ面白そうな神社があったので行ってみた。
まずは河口北の権現山にある湊柱(みなとはしら)神社
実家から原付で30分くらい。なんか途中で雨がしとしと降ってきた。
適当に走るとそれらしき鳥居発見。原付を降りて歩く。

湊柱神社

途中で道が上下に分かれたが下のほうを行くことにした。
途中、川岸に明王のお堂とかあったりして中々雰囲気がいい。

おりてのぼって

案の定一旦降りてから昇りがある。降雨の音と波の音とアカテガ二が踏みしめる枯葉の音しかしない。
大御神社日 知屋城跡と同じく、この手の海沿いの小山はカニ天国である。私とカニ達の他は誰もいない。

みなとばしらじんじゃ

さほどかからず本殿に到着。

ちょうずから

振り返って手水場から見た来た道の鳥居の風景。入り組んでいてちょっといかす。
やはり神社は少し濡れそぼった方が緑も映えて魅力増し増し。そういう意味ではベストコンディション。

この湊柱神社の祭神は
速秋津彦命(ハヤアキツヒコ)・速佐須良彦命(ハヤサスラヒコ)・
伊吹戸主命(イブキドヌシ)・瀬織津姫命(セオリツヒメ)。
一名を四柱神社と言うそうで
正直今日はもう一つの方の神社が本命で、
この湊柱神社には何が祭られているかも知らずになんとなく寄っただけなのだが
これは当たりも当たり、大当たり。ここはずばり祓戸四神を奉る神社である。
私の知るかぎり祓戸四神男神一柱・女神三柱で、速秋津彦命速佐須良彦命姫神のはずなのだが
ここでは兄妹神としての活動と書いてある。これは初耳。面白い。
神道では月のものの血の穢れの関係上、女性は聖邪の振れ幅が大きい存在と捉えられていて
だからこそ神職の重要な部分に巫女として女性が参加しているわけだが、祓戸四神のうち女性が三人というのは
穢れへの耐性が高いという神道の女性観が反映したものだとてっきり思っていたので
ここでの四人中三人が男性という逆転した価値観は中々に興味深い。

ちなみにこの祓戸四神が穢れを扱う順番は決まっていて、ざっくり言うと
まず瀬織津姫命が罪穢れを川に流し→次に速秋津姫命がその罪穢れを水底で吸収→
伊吹戸主がその罪穢れを気体に変換して根の国に吹きやり→
それを受け取った根の国速佐須良姫命がそれが自然消滅するまでさすらう
・・・という感じ。
個人的には伊吹戸主の行動がいまいち釈然としないのだが、まあそれは別の話。

よく見ると社殿の右に下に下りる小さな階段がある。

しんすいしんすいかいせつ?

社殿の真下から水が湧いているようで、写真左奥に水が溜まっている。
なにやら「神水」と彫られた石板があり、いわれのようなものが記されているみたいだが解読できない。
霊験あらたかっぽいから口にでも含んでみようかと思ったが
いかにも水溜まりチックな上、ここぞとばかりにアカテガニの大脱皮会場になっていたので
沈んでた柄杓を拾い上げ、指についた水を喉の辺りに塗るに留めた。

さけめ

逆から見るとこんな感じで、裂け目に水が流れ込んでいる。
よく見るとこの神社自体が石を組んだ裂け目の上に建っているようだ。

れつど

裂け目の先は海に向かって開いている。
まさに裂戸、まさに息吹戸である。


雨が強くなったのでしばし賽銭箱の隣で雨宿りをして、
河を挟んで向かい側にある立磐(たていわ)神社へ向かう。

みみつちょう

立磐神社美々津大橋を渡って、結構いい感じの古民家的街並みの川沿いにある。
というか、隣に馬鹿でかいモニュメントがあるからすぐわかる。

でかい

そう、諸説あるがここは神武東征の出航地点とされている地なのだ。
天皇が総帥する水軍が初めて編成された場所ということで
これは日本海軍発祥の地のモニュメントと言うわけだ。

たていしじんじゃ

すぐ隣に立磐神社がある。
ここも非常に緑が綺麗で、参道がなんだか垢抜けている。開放的で雰囲気がいい。
途中に聖蹟といえる神武天皇の腰掛岩がある。

たていわじんじゃほんでん

祭神は筒男トリオの住吉三神。これは神功皇后ネタだがとりあえず置いといて
張り出した左は神木の大楠、右に美々津大橋が見える。

左奥の岩陰に稲荷舎、真後ろはすっぱりと柱状摂理に囲まれた耳川の淵になっている。
この淵は沈めば二度と浮かび上がらないとされ
機を織るお姫様の姿が浮かぶとかそんな話もある。

おおくす

境内を逆から見るとこんな感じ。
苔むした大楠がすばらしい。
大楠の根元に小さい洞が開いており、そこには小さな鳥居が立っていた。

美々津町内をそぞろ走り、清流石並川を少し覗いて帰る。相変わらず綺麗そうで安心した。

神社めぐりはまだ続く。



帰路、立ち寄った道の駅日向でなんとギンカガミを発見、興奮、即購入。

この魚は4年前の帰省時にスーパーで一度見かけたものの、
その時購入を見送って以来後悔と共にずっと気にかかっていた魚なのだ。
ちっさい魚売り場で奇蹟のこの出会い。
むしろ今回の話のメインはこの魚と言ってもいい。

ぎんかがみ

この店ではホウチョウウオと言う名前がつけられていた。
店の人に聞いた所、朝獲れで鮮度は十分。
このほかにも4パックくらいあったので、ある程度の群れでまとまって獲れる魚のようだ。
それにしても値段、100円て・・・。
かなり旨い魚と聞いているんだがどうなんだこの値段。

ぎんかがみくち

写真でもわかると思うがピカピカ銀色で、体が本当に薄っぺらい。ホウチョウ呼ばわりも納得。
キッチリ頭に納まった口がシステマチックに変形して伸びる。
なんとなくリュウグウノツカイ、フリソデウオ系の口と相似があるように感じる。

おろしてみた

体制が違い過ぎておろし方がよくわからんので適当に。
脊椎が中々硬くしっかりしているので五枚おろしがいいかも知れない。
紐のような腹鰭の直下に肛門があり、体の薄さもあって内蔵はコンパクトに納められている。
これはメス個体だった様で卵巣が入っていた。卵巣は小さいがそれなりに成熟しているように見える。
もう一つは幸運な事にオス個体で、白子が入っていた。これは味が楽しみ。

まずは刺身で食べてみる。

ぎんかがみさしみ

鱗が無いのでカツオと同じように腹側の銀皮をそのままに。
身質はやや柔らかく血合いが多めでわずかに酸い。
皮のままだと味わい深い。非常にカツオの刺身に似た味わい。
脂の旨みというよりもタンパク質の旨み濃度が高い。滋味。

ぎんかがみにつけ

煮つけ
二枚におろしたものを頭と卵巣精巣ともども煮つけ。
骨が非常に固い
が骨離れはよく、火を入れると身がめくれる。
背側は前出のカツオ煮付けの味だが、脂ののった腹側はなんとまるでブリの煮つけのような味。
嫌味がなく非常に旨い。
少量ながら卵巣も若干粒大きめのホロホロでかなり旨い。
ところが白子は目を離した隙に親父に食べられてしまうという痛恨のミス。親父曰く「んまい」

天ぷら
中々旨い。ブリのような脂の味が際立つ。

ぎんかがみしおふりひとばん

半身を塩振って一晩塩焼き
焼けた銀皮がたまらなく食欲をそそる。比較的血合いが多く肉の味が濃い。肉質はややボソる。

ぎんかがみみそしる

最後に味噌汁
存外に脂と香りが出る。加熱すると銀の皮がとろけて脂と交じりたまらない。
基本的に背側の身質は加熱するとややボサり、カツオ等回遊魚の味わいとなる。
やはり骨格が独特で、胸の部分から長くて変な骨が出る。

背側がカツオの味、腹側がブリの味という実にヘンな魚だった。
全体的に素直で、味が濃いのに嫌味がない。
個人的にはやはり滋味が溶け出し骨までしゃぶれる味噌汁が肉のボソりも抑えられ一番旨かった。
調べてみると干物に加工されることが多いようで、
元々味の濃い肉質がさらに凝縮するこの魚の干物も随分と魅力的に思える。
とりあえず1パック100円一尾50円はないわー。
もし今度会ったら全部買って干物にするわー。




2016/08/20
2016年度実家帰省記 干潟の章

北浦のき たうらら海市場へ昼食を食べに行くついでに
前回、橋の上から見るに留まった熊野江河口干潟を散策する。

くまのえひがた

前回も言ったが、この干潟は日豊リアスライン388号橋の直下にあり、
橋の上から全景が非常に見渡しやすい。
ぐるりと一回転すれば、山、川、アシ原、干潟、河口、海と全てをコンパクトに一望できる。
すばらしい景観である。

前回写真中央の中洲の杜に小さな鳥居を確認したので、今回は河口から干潟を歩いてそこまで向かいたい。

うつくしい

河口の熊野江海水浴場に車を止め、ラジアルチェストウェダーを装備して遡上開始。
干潮時を狙って来たのだが、川はあくまで生命感に溢れつつも澄みわたり、
せせらぎセミの声が響くばかり。
川を歩くものは僕以外には誰もいない。
理想の田舎の夏をそのまま切り取ったかのような素晴らしい贅沢。満ち足りた気分だ。

おごのり?

河口付近にもさもさ生えている海藻。オゴノリだろうか?
他にも大きなノコギリガザミの殻が散乱していたりして血が騒ぐ。
コンパクトに纏まった景観同様干潟の泥質も多様で
河口から山側に向かって左の船着場はきめ細やかな泥が深くぬかるみ進行不能。
そこには比較的大きな穴が何箇所か斜めに開いており、
これ絶対中にノコギリガザミいるわーと思う。

橋をくぐってアシ原を抜け中洲に到着。

ひがたのじんじゃ

背の低い木立に囲まれて、錆化しつつある金属の鳥居。
コンクリの地盤に石組みの土台、石造りの小さな社が建っていた。
干潮時に側面の川を渡るしか参拝の方法がない立地である。
しかし神様の名前はわからないが、
石造りの社の前にはいくつか硬貨が置かれ、いまだ信仰が続く生きた神社であるようだ。
とりあえず二礼二拍手してこの干潟の更なる保全を願う。

またざぶざぶと川の中を河口方向へ。

かこうほうこう

河口付近は礫質、海への開口部がかなりヘンな形をしていて面白い。

うむ、熊野江河口干潟、堪能した。すばらしい。
東九州自動車道開通によって私の実家から一時間かからずにここまで来れる。
カニカゴかなんかを一晩仕掛けて翌朝回収とかしたくなっちゃう。


その後、本来の目的地であるきたうらら海市場で昼食
(1600円の非常に鮮度のいい刺身系食べ放題がある)を取り、
帰りに下阿蘇海岸海水浴場へ。

前回は水着を持ってなかったのでトランクス一丁で泳いだが今回ぬかりなし。
と思ったら、水中眼鏡を忘れていた。ぬかったー。

しもあそかいがんかいすいよくじょう

今回はさらに結構人がいる。人気である。
隣接する施設の芝生等も綺麗に整備されていて開放感が半端ない。

かわのみずさいこう

海でひとしきり泳いだ後はそのまま隣接するプールされた清流をシャワーのかわりに。
ああちめたいちめたい。すがすがしい。やっぱい良いわここー。


帰りに延岡道路を北川ICで降り、はゆま物産館側から家 田(えだ)湿地川坂湿地へ向かう。
というか、これは母親情報で、こんなとこに湿原があるなんて知らんかった。

ナビがポンコツで表示が無く、
家族と「ここじゃねえの?」「ふーん、まあこんな感じかね」と降りた場所は
九州電力の無粋な造成が行われているアシ原のふもとで、
「九電空気読めよ」「せっかくだからぐるっと回って帰ろうか」と
さらに進んだ先が本当の家田湿地であった。

えだしつげん

残念ながら現在片側の遊歩道を造成工事中で情緒に欠けるが、

ヒメコウホネ

それでもぬるむ川の水にヒメコウホネの可憐な群落がそよぎ、心が休まる。
というかコウホネって植物がいることを始めて知ったわ。

水のにおい、泥の匂いが、かつて実家の下にあって
イモリとかヤゴとかミズカマキリとかタイコウチとか捕まえて遊んだ
小さな沼の幼き日の思い出をフラッシュバックする。
左にイモリ、右にギンヤンマのヤゴという千載一遇の状況
左右両方それぞれ同時に手を伸ばしもろともに逃げられ
子供心に「二兎を追うものは一兎をも得ず」が深く深く骨身に染みた。
 ああ、におい。そう、このにおいだ。
桜並木に囲まれたその沼や道は今や微塵の痕跡も無く、追憶の脳裏にかすかに残るのみである。

それなりに少し離れた所にもう一つの川坂湿地があり、
こちらは家田湿地と比べるとかなり規模が小さく用水路チックであるが
それでも日本一オグラコウホネの群落があり、イトトンボもたくさん飛んでいる。
正直オグラコウホネヒメコウホネとの違いがわからなかったが、
日本の水田の原風景を見る思いで郷愁に胸がさざめく。
こういう湿原はとてもいい。水田を渡るかすかな涼風のように心がやすまる。


さて、干潟の章なので、〆はいつもの櫛津干潟で。

せっつひがた

潮干狩りである。目的はすでにオキシジミ一択。
車を止めれる所ができてたので親父を連れてやってきた。
他にも潮干狩りの人たちが結構いて、主に湾口の方で掘っている。

ここでの潮干狩りは独特で、皆まず三叉の魚用のヤスを手に持っている。
それを歩きながら泥にサクサク突き入れ、手応えがあったらそこを掘る。
まるでスナイパー潮干狩りである。
だが、我ら親子はショベルを使う。それも土木で使う大型剣先の奴だ。
それでもってとりあえずあたりをやたらと掘り返す。言わば脳筋潮干狩り。
循環効率の関係上干潟は掘り返していい、いいはずである。
とぶつぶつ言いながら汗だくになってショベルを振るう。
刃を差し入れるとき力を入れると、下にオキシジミがいた場合容易く殻が割れてしまう。
オキシジミは砂出し必須の貝のため、
まずそこに留意しつつ繊細に差込み、てこの原理で荒々しく掘り返す。

昔の印象だと一掘り一個というかなりの高密度で生息していたはずだが、
今回は五堀に一個と言った感じ。
地下15cm位にいて、あと、硫化鉄の層があるところに多い印象がある。
ほとんどの個体が殻が真っ黒である事が示すように、
どうもオキシジミは硫化物の多い場所を好むのではないか。

すこっぷ

二人で替わりばんこに掘って、
あきらかに過剰装備の俺のラジアルチェストウェダーが雨の日の外で遊ぶ子供の長靴みたいに
ガッポンガッポン流れた汗でいいはじめたあたりで切りあげた。
大体一時間くらいの脳筋潮干狩りの成果はこんな感じ。

しおひがり

ちいさいのは全て逃がしている。
11:1の割合でカガミガイのちいさいのが取れ
33:1の割合でハマグリが当たる。
どうも他の潮干狩り人たちはハマグリを狙っている節がある(オキシジミを捨ててたりする)が
索敵範囲が非常にせまいスナイパー潮干狩りでハマグリ狙うには
かなり分の悪い生息密度ではあるまいか。

適当4%ぐらいの塩分濃度で砂出しを行ったが、これが全然口を開かない。
口を開かないが砂は結構出てる。
一晩たっても口を開けないので一度水を捨て、
今度は若干甘めに作ったら今度は全員みょりみょり水管を伸ばして完璧な砂出しとなった。
一度環境を変えた事がいいのか甘めの海水が好みなのか、検証はまた二年後である。

おきしじみ

写真は砂出し一日目の奴を茹でたもの。
やはり風味豊かで非常に旨い。オレンジ色の貝体はよく太りコクがある。
アサリともハマグリともまた違う旨さと満足度。
こんなにうまいのにネットで調べてみるとオキシジミの味の評価は何故か基本的に低く、
硫化物を好む仮説からかんがみて、どうも生息環境で味が激変するタイプなのだと思われる。

ちなみに今回オキシジミ完全砂出し完了の早朝が私の帰省終了の日であり
大半の収穫物を食べる前にセントレア行きの飛行機に乗るはめになってしまった。
残りは全て両親が食べ尽くし、
「やっぱり蒸したほうがおいしいよ」「出汁で炊き込み御飯を作ったけど超おいしいよ」

電話で美味報告される静岡に帰ってきたわたくし。親孝行をした気持ちとぐぬぬった気持ちが3:7
俺もオキシジミの炊き込みご飯食べたいよう。




おまけ
俺の第二尻穴近況
 
経過は順調。非常に治りが早いと褒められる。褒められるとなんかうれしい。
傷口の痛み自体はすでに無く、現段階での厄介ごとの大半は穴からの浸出液のみ。
傷口が体内で盛り上がり穴が随分埋まってきた気がする。体内で溶ける予定の縫合糸が露出し始めて
軟膏を塗る際あちこちで指に当たる。なんかすごいいっぱい縫ってるなこれ。




2016/08/12
2016年度実家帰省記 蟹の章

今回、九州地方は私の帰省直前まで大雨だったのだが、到着と同時になんとか晴れてくれた。
海が濁ったのは残念だったが、おおむね天気に恵まれた旅だったと言える。

帰ったらとりもなおさずキンセンガニに会いに行く。
キンセンガニの資源量で実家の海にお伺いを立てるがごとく、これはもう習慣みたいなものである。

おくらがはま

いつものお倉ヶ浜へ。
若干もやった天気だが、正直砂浜の探索は曇ってた方が楽。
いつぞやみたいに日焼けで七転八倒しなくて済む。

さてさて、キンセンガニはいるかなー。

めす

ハイいましたー。即発見。抱卵した雌。綺麗なオレンジの卵
コロンとして相変わらずかわいいかわいい。
あいも変わらずで安心安心。実にほっとする。
今回のお倉ヶ浜はなんか小さいウシノシタがなぜかやたら泳いでいた。
 波打ち際で波に乗ってバシャバシャやってる。
薄くて非常にすばしっこいので素手で捕るのは無理だった。キレイ。

キンセンガニの行動様式も相変わらずで、
コロンと丸くなるやつ、丸くなって防御第二形態をとるやつ、
両鋏を上に向けて固まるやつ、大暴れするやつ等、実に多彩。
めぼしをつけた周囲の砂ごとえぐりとって海水で砂を洗い落としていけば、
大体のキンセンガニは掌の上でおとなしくしているのだが、それでも時々鋭いやつがいて
直下の掌をしこたま鋏まれたりする。
そういう奴はずーっと鋏みっぱなしで、水に着けないと許してくれない。

かっぷる

ひと掘りで二匹採れた例。
やはりカップルで、相変わらず仲睦まじい様子。
雌のほうは抱卵しているのだが、この状態でも雄が付き添っている蟹って他にいるのだろうか。
種的に近いと言われているカラッパ類も雌をずーっと抱えて守るタイプの雄がいるらしいのだが。

しょた

それにしてもやはり可愛いかにだ。大きい奴は白く強固な歴戦の殻質だが
特に若い個体は傷一つない殻にえもいわれぬ透明感があって美しい。

そして、毎度毎度確認できない鳴き声だが、
今回も最初に捕まえた雌が潜る時にぐっぐっぐっ鳴いた様な気がするが、やはり全然再現できない。
過去に捕まえたギコギコギコギコ鳴きまくったアイツは
もう完全にキンセンガニ界の異端児だったようである。
というわけで、今回も鳴き声収録はならず。無念。


後日、立ち寄った新富町豊田浜入江干潟の外洋側の浜でも

かくにん 浜に着いて五秒で発見。

普通にキンセンガニがいることを確認したので、
この日向灘に面した宮崎県の長大な砂浜部分には、
実に大量のキンセンガニが生息しているようである。



蟹から見る地方の特色と言えば、
アカイシガニがスーパーに良く並ぶのもこの地方ならではな感じがする。

きれい 色合いが綺麗。

ちなみにここではサクラガニと呼ばれている。
やや小ぶりかつ全部オスだったので値段も安い。タイワンガザミと一緒に茹でてみる。全部で600円ほど。

うまし

旨し。ほぼ活けに近い状態だったので筋繊維もハリ良く、
ガザミよりもさっぱりとした筋肉、味噌の味共に申し分無し。
ただやはり蟹は、特にガザミ系は鮮度に大きく味が左右される。可能な限り活けを買いたい。



前回、前々回あたりに、ハクセンシオマネキが繁殖していて嬉しかったアシ原を見に行く。

しおみがわ 山側を見たところ。中央にある建物は私の母校。

見に行くと言っても、欄干から橋の下を覗き込むだけである。
実に平然と市内を流れる塩見川は河口に向けてアシ原干潟が広がっており、
それを橋の上から容易く観察できるのだ。

さーて、ハクセンちゃんは元気かなー?

しおまねき 降りれなかったので望遠。

・・・・・・?
・・・・あれ?
・・・・赤いよね? 腕赤いよね?

これ普通のシオマネキじゃん!うわ、初めて見たかも。
結構大きいなー。むしろハクセンよりレア度高いぞ。

・・・・と言うか、ハクセンがいない。
ハクセンのコロニーがあったところにシオマネキがいて、他はチゴガニのコロニー
ハクセンはどこにもいない。
ハクセンはかなり小さいので、ガタイの大きいシオマネキにニッチをぶんどられてしまったっぽい。
もしかしたらこの地域一帯、ハクセンシオマネキいなくなっちゃったのかなあ。

せっつひがた

と、同じくハクセンシオマネキがたくさんいた妙見湾櫛津干潟を見に行ったら・・・

ハクセンシオマネキ

なんか昔と変わらず普通にたくさんいた。よかった。

巣の前で10秒くらいじーっとしてると警戒心を解いて出て来て、
目の前でまねきまねきしてくれる。かわいい。
かなり生息密度が高く、わりと大騒ぎでオス同士追いかけっこしたりしてる。かわいい。
ちなみにここには普通のシオマネキはいない。不思議。




おまけ
俺の第二尻穴近況

痛みは薬を飲み続けているのもあり、かなり収まった。
ただ、相変わらず体に穴が開き続けているわけで、
浸出液はとめどなくしたたり生理用品なしでは生活できない。
傷口に軟膏を塗るさい、指にチクチク当たるものがある。
糸である。直接の痛みが収まった今、抜糸の恐怖に戦々恐々である。

(先生、俺のケツを見ながら)
「うむ、良好だね」

「先生、軟膏を塗るときに指に何か当たるんですが」

「それは糸だね」

「・・・抜糸は、何時ごろになるんでしょうか?」

「抜糸は無いよ。体内で溶ける糸使ってるから

オアア!早く言えよ!
そゆことはちゃんと患者に言っておきなさいよ!!






Web拍手
   シンゴジの感想かと思いきや、ぼく劇場で大興奮な横で大変な事になってたのね、お大事に
いやあ、熱とか出てないし、痛みもたいした事なかったんですよあの時は。むしろ手術した今のほうが大変。
早期治療だとつらい経験がないからわがままになってしまいます。
   うわぁ・・・お大事になさってください。きっと役に立ちますよ。いや。穴じゃなくて経験のほうが。
ありがとうございます。勿論ネタが増えたとなにかオイシイ気分になったのはやぶさかではないですが
物理的に第二尻穴がなにか役に立つか考える時、性転換手術で穴をこさえる人ってスゲエなと思います。
穴は人体にとってただの傷にすぎない訳で、やがて塞がるその傷をリスクを抱えながら克己の力で維持する。
並大抵の精神力ではありますまい。俺には無理です。とっとと塞がってほしい。かんべんしてほしい。




2016/08/04
まあね、帰省中から気になってはいたんですよ。
なんかケツにしこりがあるなあって。
具体的には肛門の斜め後ろあたりに押すと感じる丸い結節がある。
そのうちに排便にも違和感が出てきて、まずいなこれ直腸の内側に何か出来てるなと。
こっちに戻って来てわずかばかりの間に丸い結節がどんどん大きく広がって痛みだして
ああこれアレだと市内の肛門科クリニックに受診しに行った次第。

外来受付時間の30分前に行ったんだけどやはり初診は1時間半くらい待たされた。
帰省時にこれとはまったく別の案件で病院行ったのだが、やっぱどこも待ち時間長くて面倒だ。
診察室で他人に生ケツ出して横向きに丸くなる。
小さいモニターがあって俺のケツと内部がリアルタイム動画。
なんかAVみたいだなと思う。来る前にケツ洗っといて本当によかった。

んで診察結果はやはり「痔ろう」の前段階の「肛門周囲膿瘍」。
ああ、やっぱなあ。痔の中で一番厄介な奴引いちゃったよ。と頭を抱えていたら
「これから手術します」との声。
えっ?待ってこれからってこの後すぐ?直後?
「皮膚を切開し、膿を出します。
開いた空洞と肛門をゴム輪で縛り、時間をかけて治癒するのを待ちます。シートン法です」
確かに痔ろうは手術しないと治らないと聞くが早えぇな。速攻かよ。
そして肛門ピアスかよ。半年間肛門ゴムピアスかよ。
まじかー。と、言ってる内に
前後ろ逆になってる感じの濃紺の紙パンツ履かされ空色の患者衣を着て手術室で採血されるわたくし。
採血から左腕に点滴と人差し指にパルスオキシメーター、背中に心電計電極、左腕に血圧測定器具。

そして始まる腰椎麻酔。勘弁、勘弁してー。おっかねえ。これすげーおっかねえ。
ベッドの上で看護婦さんに押さえて貰って自分のヘソを見るごとく前かがみになり、まずは皮から麻酔するのだが
視覚情報が看護婦さんの腹部位しかないため針が刺さる部位を先鋭に意識化してしまう。
皮の麻酔はまだ耐えられたがその後のもう一体何回刺すんだと思う終わり無き針攻撃に体が震え声が漏れる。
右臀部の筋肉内に何か苦い液体が流れ落ちし染み込んでゆく。
イメージ的には背中をプツプツデザインナイフで刺されてる感じ。
頭頂部を優しく胸に掻き抱く看護婦さんに感謝しながら
針が刺さるたびビクンビクンする俺。早くー、早く終わってー。
「動くと危ないから動かないでください」と二回執刀医に言われたが、
脊髄注射で動きたくて動く奴がいるわけねーだろと頭の中で反駁する。

「足が暖かくなってきましたか?」と問われるもむしろ冷たい。
肛門に何か塗られたが何も温度を感じない。
うつ伏せで頭をやや下げた状態で手術が始まった。
麻酔は完全に効いていて痛みも何も感じない。人類の英知って凄い。
英知と言うか技術と経験の蓄積か。まあ英知で良いか。
ケツの穴に何か器具が挿入され、ズン、ズン、と定期的かつ機械的な突き上げ振動を内臓が感じ
電気メスケミカルな焦げた匂いが部屋に充満し、ドレーンの何かをすする音が響く。
「ああ、俺のケツが何か酷い事されてる」とは思うのだが
 環境と感覚が結びつかない。まったくの無痛である。

多分一時間近くかかって手術は終了。
点滴の小さな袋が500mlだとすると、術前に透明なのを一個、
術中に黄色いの(栄養剤?)を一個。術後に透明なのをもう一個追加。
小さいのが全部無くなってから1ℓ級の大きい奴を一個追加。合わせて2.5ℓ。
こんなに体の中に入るもんなの?
との問いに看護婦さん「余裕」
「おしっこが出るまで帰れませんよ」と入れ替わり立ち代り言われる。

どうも二時間くらいたってようやく足腰が立つようになりトイレへ向かう。
しなびたちんちんから景気悪く黄色い小水が漏れ出て安心するが、
出た小便を看護婦さんに見られる羞恥プレイがセット。
麻酔が深部に残っているせいかちんちんの感覚が寸毫も無く
マジ大丈夫か俺の下半身と割と不安になる。

手術代は44380円で、完全に持ち合わせからオーバーし、
翌日の再診に持ち越しとなった。
院の隣の隣にある薬局で抗生物質セフジニルカプセルと痛み止めロキソプロフェンNa、
胃の薬テプレノンカプセルとパラマイシン軟膏をもらい
原付に乗って帰る。まさに日帰り手術。

・・・日帰り手術は結構だが手術するとわかってたら原付に乗って来ねえよ。
振動がおっかねえよ。ケツのポイントをずらしつつ
色んな乗り方を試みる。

さすがに夜は寝られず、定期的に目が覚めてしまう。
起きてバイトに向かうが、さすがに行き帰りの原付がつらく、翌日は休みを申請した。



バイトから帰ってきて午前の診察に向かう。
先生の言うには「非常に良好」との事で胸を撫で下ろすが
手触りで触るケツの地形が変わっていて、軟膏を塗るときにどこに塗れば良いのか全然わかんないから
カメラでモニターに写してくださいと頼んでようやく自分のケツの仔細が目視できた。

俺の尻の穴から背中側の真後ろに大きな穴がぽっかり開いている。

ピンクの肉壁と浸出液に濡れたまじで親指が一本入るくらいの大穴。
うわあ、思ったよりもでかい!深い!洒落になんねえッ!
ついに第二ケツの穴開通!おめでとう!馬鹿ァ!
んで件のゴム輪はどこですか?肉に埋もれてんのかな?
「ゴムは無いよ。膿が多かったので周囲ごとえぐりとりました。くりぬき法です

・・・ 直前で術式変えたんなら術後に言えやあッ!!

昨日うんこするたび俺がどんな気持ちだったと思うねん!
こちとらゴム輪を肛門の伴侶として受け入れる覚悟固めてんねんぞ!
ゴム無いなら無いで良いけどくりぬき法治癒は早いが再発率高いとか書いてんじゃんよ!
こんな手術二度と御免だぞ!

もし再発したら
必ずおめえのケツの穴
電気ドリルで二つに増やしてやるかんな!


・・・と脳内で叫んだりした。


腸側の入り口は結紮してあるとは言え、
第二尻穴からの浸出液とめどなくパンツを濡らすため
帰りにドラッグストアで初めて女性用生理用品を買う。
正直何にすればいいかよくわかんないのでエアfitスリムってのを購入し
今現在の僕のトランクスにはそいつが張り付いている。

風呂厳禁なため、僕の今年の夏はこれで終わりだ。
直前で海に泳ぎに行っておいて本当に良かった。




Web拍手
   あの感じの肉質と、場所から考えるとツノザメとかホシザメっぽい気がする。
送り主に話を聞いたけど、やはり鮫であるということだけで正体は不明。
白い奴なんか結構でかい鮫の印象があるけどな。




2016/07/28
二年周期の帰巣本能で実家に帰省しておりました。
しこたま写真があるのですが、今回は先に帰省直前に送られて来たブツの紹介。

時々ホヤみそとか送ってくれる友人が今回もなんか送って来た。
開けてみると

さめのたれ



はてな

が入っていた。
相変わらず無言。メッセージも何も無い。なんかしゃべれや。
包み紙に記載されていた住所を見るといわゆる伊勢志摩で、なるほどこれは日本SF大会のお土産であろう。

上のは裏にサメの味醂干しとあったからまだわかるがが、
下の白い肉塊は賞味期限以外なんにも表記が無い。正体不明。
・・・まあ多分サメなんだろうけど

見た目と賞味期限以外全ての情報が抜け落ちている状態なので、どう料理したもんかさっぱりわからないが
とりあえずフライパンで焼いてみた。なんか、醤油でもかけて食おう。

さめすてーき

なんだろう。結構でかくて厚い。
ままよとそのまま齧ってみると割と甘塩。
いい意味で筋ばった歯ごたえがあり脂はまったくない。これはまあやっぱり多分サメだな。
どこの部位かもなんの種類なのかもわかんないけど。

タンパク質、食ってます!って感じでこういうのもわりと好き。


次に味醂干しをちょっと切って焼いてみる。

みりんぼし

・・・うん。味濃い。濃すぎる。ほぼほぼ味醂醤油の味。
サメの匂いとかまったくしない。ただただ味醂干された何かの肉。
これも当然ながら原料の詳細はない。この手の加工品はヨシキリザメだろうか。

素材?なにそれ?的な完全な開き直りを感じるが、
一般的に匂いがあるとされ、かつまとまった量が手にはいるサメ肉に関しては
それもアリのような気がする。
迅速に適切な処理をすることでサメ独特の臭みはほとんどの場合消せるようだが
サメ全般、かける手間に見合った味かと問われると若干わたくしの目は泳ぐ。




Web拍手
   先っぽから丸ごと齧りつくと凄く美味しそう
   ・・・それはそれとして上のスジ入ってる方がイヌかイルカのチ・・・

丸齧り感は中々のトマトですよ。
期待していたほどではなかったと言うだけで安い大玉よりは全然うまいです。
確かにもうちっとひょろ長かったらそれっぽいですでげす。




2016/07/14
見たことないトマトがふれっぴーに置いてあったので購入。
名前欄には手書きで「アンデス」とある。二個入りで200円。

あんです

初めて見た時でっかいトウガラシかと思った。中々のインパクトだ。

名前に原産国を冠するくらいだからさぞやプリミティブかつワイルドな味わいに違いない。

まっぷたつあんです

縦にふたつに割ってみる。断面を見た感じは普通のトマト。

カナッペ食うみたいに端から食べてみる。

・・・これが非常に拍子抜けするほど普通のトマトの味。

覚悟していた未調整の酸味や雑味が無い変わりに
期待していた野性の歯ごたえや芳醇な香気もない。

おいしい部類だけどめっちゃ普通の味。めっちゃ普通の味。

まあ大きいので食べではあるし
この形状だとかなり食べやすい。


大体においてプチトマト系は小さい分味が濃く安定してるが
通常サイズのトマトは薄味で安定しない。
トマトに関してこの頃はどうも品種より生育環境の方が重要な気がしている。




2016/07/07
少し前、件の魚でチカメキントキが売っていたので購入。

ちかきん 体長25〜30cmくらい

焼津産680円
前回のホウセキキントキ一尾100円だった事を考えると中々のお値段の気がしてくるが
どう考えても前回の値付けがおかしいのである。100円て。

ホウセキキントキとの外見的な違いは体高の高さと尾鰭の形の違い。
捌く感じはホウセキキントキと同じ。やはり骨が比較的柔らかく捌きやすい。
うろこが細かくやや取り辛いのも同じ。


いぶくろかんぞうつりばり 胃袋&肝臓&釣針。

胃袋を貫通して釣り針発見。胃内容物はアミ。どうやら釣り物のようだ。
中々サイズの良い肝臓。あたりと言えよう。

いつものように半身を刺身
残りを煮付け塩振って一晩塩焼き


ちかめさしみ チカキン刺身。

白の真皮綺麗な血合いが食欲をそそる。
ほんのり濁ったハリのある身質。
ざくりと歯切れ良く、しかし噛むごとに白身魚としてのねばりと旨みにあふれる。
特にハラモは脂の乗りと歯ごたえが極上。非常に美味い。
ホウセキよりは酸味が無くコクに欠けるような気がするが、これが魚種としての差異なのか、
単に100円ホウセキの熟成が進んでいたからなのかはわからない。


ちかきんにつけ チカキン煮付け。

ちかきんしおやき チカキン塩焼き。

共に旨い。
肉質は火を通してより味わい深く、特に骨際と鰭際の脂が非常に旨い。
特に白身魚の繊細な旨さを十二分に味わえる塩焼きを進める。しゃぶりつくしてなお足りない。

そしてやはりホウセキと同じく肝臓が煮付けにして絶品。量が少ないのが玉に瑕。

どう料理しても問題なく旨い。
見かけたら即購入して余りある。オススメの白身魚である。



おまけ

ちいさいきんとき 体長15cmくらい。

先日、なんかちっこいのが100円で売ってたので購入。胃袋と肝臓こみで塩焼きにする。
味が薄く脂に劣るが小さくても結構うまい。良い魚だ。




2016/06/30
この時期はトマトが熱いので良く食べる。
中くらいの大きさでゴツゴツしてハート型のやつが味が濃く美味いのだが
トマトも値段相応の趣があり、高糖度を謳うやつはお値段も高く、そうそう食べられない。
一番イマイチだと思うのはやはりスーパーで普通にバラとかで売ってるそれなりの大きさのやつで
どうにも味が薄すぎる。最低価格ゆえに値段相応とも言える。

そういうわけで色々食べてみて、この頃はプチトマトをよく食べる。
大きいのに比べて大体味が濃く、糖度とトマトの香りが両立しているものが多い気がする。
今のところJAで買うソラミトマトが安定。3個に1個くらいの割合で高糖度なものに当たる。

ふれっぴーでは時々、サラダ用と称してオレンジ色とか白とか緑とか黒いのとか
よくわかんない色のものを1パックで売っていることがあるのだが
買ってみておそるおそる食べてみると普通の、むしろおいしいトマトの味
トマトの味に色関係ないんだなと感心する。

トマトの場合、どうも色からは味がわからないので
食べた事ないと思われるものは積極的に買って食べている最中なのだが
パッケージに品種名が書いてないものも多く、又同じ品種でも味の濃さのバラつきが多いため
特定よりも一期一会と割り切ったほうが良い様な気もする。





Web拍手
   ギャグ漫画でも、対象の女の子を我慢するだけ我慢させて、最終的に恥じらい
   もらしてしまう感じはけっこうグッと来るかもですよ
リアルバラムツ漫画の場合、
漏らす自覚がないのでその肝心の我慢工程が綺麗さっぱりなくなっちゃう。
しかし我慢過程がない分より高度な場所でより自然に描写可能。
使いようによっては結構いけるかもしれぬ。
   ダム決壊おめでとうございますwバラやサットウのワックスは最初ダメでも
   慣れてしまう体質の人が結構いるようですよ。私は慣れるまで頑張れませんでしたが。
まじすか。慣れとかあるんですかアレ。どうなってんだ中身。すごいぞ人体。
慣れるまで頑張ろうにもオムツやらバラムツ自体の安定供給とか、確かにそれは茨の道。
   便秘の解消にお役立ちなんです?
腸内にローションが染み渡るみたいなもんなので、ある程度効果はあるような気はします。
油だけ出てくるオチな気もしますが。




2016/06/23
と、言う訳で、オオメマトウダイのせいで漏らした座布団ひっくり返して使ったりしてるうちに
サメ料理研究家の友人から、
自身が釣り上げた押しも押されぬ尻から油漏の本格派魚種バラムツが送られて来た。

1970年に食品衛生法で流通禁止になってしまったので、
現在実際にバラムツを食べる為には個人の釣果に頼るしかない。
そういう意味では中々に貴重な食材、僕自身もいつか食べてみたいと思っていた魚だ。ありがたい。

ばらむつ

雄節か雌節かよくわからんけど尻尾方面
血合いの色を見るに鮮度的には下のほう。
脂は多いが通常の魚の油の質とは違うため酸化が遅く、
結構寝かせても大丈夫だろうと言う判断。

刺身・及び塩焼きで食べてみる。

さしみ

見た目そのまんまの白濁した白身。
普通の魚のように皮目に脂があるとかサシが入ってるとかじゃなく、筋繊維レベルで白い。
正直単なる白身の魚にも見える。ちょっとアブラボウズに似ている感じ。
ただ、包丁の手応えがこの時点で非凡
全体は柔らかいのに筋目の手応えが強く、切ればジャリィィと音がするほど。
見た目と手触りから油百貫のぶよぶよした身質を想像していたのでこれはかなり予想外。

そして味だが、かなり旨い。
まず歯ごたえが良い。例えるなら新鮮なホタテの貝柱を繊維を絶つ方向に噛み切っている感覚。
歯ごたえだけで言えば魚を食べていると言うより貝類を食べていると言った方がしっくり来る。
そして脂がくどくない。脂の味わいとしては仄かにマグロ系のトロの味なのだが
口内感覚の脂の総量と実際の脂の量が一致しない。多分サラサラすぎて感知できていない。
似た感じだろうと予想していたアブラボウズの脂・トリグリセリドとは味わいも質感もまったく異なる。
最後に明確な魚肉の旨みが来る。
脂との相乗で味蕾に浸潤するタンパク質の旨みが強く感じられる。

後半のひょろい部分を塩振って一晩塩焼き。
これも中々いい。柔らかく膨らみオイリーでありながら淡白。
味は全然違うがハダカイワシを焼いた感じに近い。軽い。

バラムツ、なるほど旨い。これは流通禁止でありながらファンがいるのもうなずける。
素の味わいを知るために生と塩焼きにしたけど、煮付けとかかなり旨いに違いない。


さて、問題は例の消化不能の油の件だが、
実はこの半日前に三切れほど試し食いをして、全然平気なのは確認済み。
今回もらったバラムツの切り身総量も以前油が出たオオメマトウダイ半分程度である。
そもそももらった部分は尻尾の辺りで、
通常の魚種では脂の乗りが一番悪い部位でもある。まあ大丈夫だろう








・・・と、思っていたらきっちり12時間後




再度パンツにDefecation! 

 大量に
Defecation!!

ふっざけんなコレ!!!


マジふざけんな!

ケツから出た脂が直径5pほどの円になり
パンツ貫通して座布団貫通してコタツの敷布貫通して畳まで達している。

なにこの量と貫徹力! 
エイリアンの体液かよ!ノストロモ号穴開いちゃったよ!だめだー!だめだこれー!
普段パンツ一丁の生活様式も被害の拡大に一役買った模様。
皆これからはなるべく家でもズボン履くとよい。

油のにおいはなんか普通に便のにおい・・・と言うか古い線路のタールにまみれた黒い枕木のにおい。
・・・オオメマトウダイの尻油と全然匂いが違うんですけど。なんだこの郷愁を誘うにおいは。
というかどうすんだこれ。今度は座布団ひっくり返しても無意味だこれ。

と言うわけでその後、当該箇所に新聞紙を被せて見えない振りして生活を続けた。
幸運にもこの尻油はにおい自体さほど発散するタイプではなく
(鼻を近づけなければわからないほど)
座布団のシミ自体も一週間ほどで跡形もなく消えてしまった
(これはオオメマトウダイの尻油も同様である)


ちなみに、今回バラムツをくれた友人その他で尻油イベントが起きたのは実に私だけのようで
きゃつらの方がよほど脂の乗った腹回りボディを食しているはずだのにまことに釈然としない。
何か食べ合わせの効果かとも思ったが、その時の副菜等聞いてみたら「普通」とのこと。
んなもん俺だって普通だよ。普通に納豆と味噌汁とご飯だよ。なのに何で出た俺だけ


バラムツが流通禁止なのはこれで完全に理解した。当たり前だこんなん。
この程度の量(200g以下)で尻油爆発するし、旨いからついつい食べ過ぎる。
アメリカだの韓国だのでは「ホワイトツナ」と称して
これが普通に流通してるそうで、もう絶対にありえない。
あいつらの肛門どうなってんだ。


尻イベント発覚後瞬時に
対象に内緒のバラムツ手料理ふるまって12時間後に立ち往生した相手をアナルレイプする
海洋知識犯罪系サイエンスエロ漫画のネタが浮かんだが
これギャグ漫画かホモ漫画にしかならんな。




Web拍手
   バラムツで漏らしたんじゃ無かったのか〜?(笑)
漏れたんだよオオメマトウダイでもバラムツでも漏れたんだよお前も漏らせよコンチクショウ!
   売ってるのなんか見たことない羨ましい!と思ったらまさかのワックスですか
   オイシイ!
漏れ加減から体質と言うのもあると思いますが、オオメマトウダイだと脂の乗った奴を500g以上
バラムツだと300g以上で確実にアウトだと思います。確かに色々オイシイですが
特にバラムツを食べた際には冗談抜きでオムツ着用を強く推奨したい。マジです。




2016/06/15
ちょいと遠くのスーパーに
時々こういうのが売っている。

おおめまとうだい

マトウダイ、正確にはオオメマトウダイという深海魚の冷凍切り身である。
産地は天皇海山で、クサカリツボダイ漁の副産物なのではないかと思う。
ちなみに、ここのスーパーでしか売っているのを見たことが無い。

切り身から推察するにかなり体高が高く、扁平である。
大きさの割りに結構安く、脂も乗って旨そうだ。

マトウダイと言えばまずはソテー。

やき

・・・なんか異様に皮側が収縮してくるりと丸くなる。

身質が妙にぷりぷりしている。味わいとしては少し物足りないが脂が多く満足感はある。
これなら煮付けにしたほうが旨いやもしれん。

につけ

やっぱり火を通すと凄い勢いで丸くなるが、うむ、煮付け美味い。
この値段でこれだけ脂のある煮魚と言うのは中々見当たらない。
しかも見た目脂過多ではあるが脂自体が軽く、くどくない。これは中々気に入った。

とか言いつつ、特に脂の乗ったパックを選んで買った三度目の煮付け。
結構丸くなって縮むので、煮付け完成からついつい一パック分丸々いっぺんに食べた半日後、

・・・・?

座布団に、なんか黄色い丸いしみを発見。

すぐそばに太田ポンカンヘソの塊が落ちていたので、
ああこれお尻で潰しちゃってその汁が付いちゃったのかと
そのときは思ったのだが、
お風呂に入って、なんか妙に尻の谷間がヌルヌルすることに気付いた。
ん?なんだこれと脱いだパンツを見てみると

・・・・?・・・・・・!!!?

パンツの中にDefecation!!

ワックスだこれ!!

固体が落ちてなかっただけ良かったが、
こんな大人になってからのお漏らし(しかも大)のダメージは思いのほか大きい。
匂いをかいで見ると便の匂いと言うより生臭い魚の油のにおいである。
完全に食べたそのまま油だけケツから排出された体である。

そしてケツから脂が漏れた状態でも、まったく、本当にまったく自覚が無い。
サラサラした妙に肌触りのいい油で、皮膚感覚での探知がまったくできない。
そして尻の穴がちゃんと締まった状態でも、脅威の毛細管現象最終関所易々と突破してしまう。
まさに防御不能人類の肛門では抵抗不能である。

後日調べてみたら、オオメマトウダイはワックス成分を含むってちゃんと記述があった。
バラムツアブラソコムツ食品衛生法で流通禁止なのにこの魚は普通にスーパーで買える不思議。
液漏れ体験をしたい方々にはうってつけの食材ですぞ!(私は二度と御免だ)




2016/06/09
仕事用パソコンを新調。

今まで使っていた仕事機は組んで10年ほど経つ。
随分作品を送り出してきた感慨深い機体だが、
昨年あたりから執筆中に時々突然完全フリーズするようになってしまい
モチベーションに多大な負荷がかかってしまう事からようやく今回の代替わりと相成った。

さすがに旧仕事機は構成が古すぎるため、
今回の新型はケースからなにから完全に新規組み直しである。

CPUはCorei5の6600、マザボはUSB3.1に釣られてH170PROゲーミング。グラボ無し、オンボード。
メモリは16GBで、システムはSSD256GBM.2運用。OSはウインドウズ10。
そんなわけでベンチマーク結果は
  Sequential Read (Q= 32,T= 1) :  2298.026 MB/s
  Sequential Write (Q= 32,T= 1) :   948.324 MB/s
Random Read 4KiB (Q= 32,T= 1) :   704.402 MB/s [171973.1 IOPS]
Random Write 4KiB (Q= 32,T= 1) :   333.879 MB/s [ 81513.4 IOPS]
           Sequential Read (T= 1) :  2190.423 MB/s
          Sequential Write (T= 1) :   952.488 MB/s
   Random Read 4KiB (Q= 1,T= 1) :    50.268 MB/s [ 12272.5 IOPS]
  Random Write 4KiB (Q= 1,T= 1) :   202.561 MB/s [ 49453.4 IOPS]
こんな感じ。メモリをRAMディスク化すればもっと早くなるらしいけどとりあえずまあこれでいいや。

しかし数値上は昔のと比較にならないぐらいパワーアップしたみたいだけど、全然実感がない。
ここは我が長年の筆致、相棒ペインター]を起動させて試し斬りと仕る。いざ。


・・・・・ペインター]、起動せず!!


おおおっ、おおおおっ・・・・
調べてみると、どうもコイツメモリ8GB以上あると作動しないらしい。どうすんのねえどうすんの!?
俺にとってペインター動かないPCなんてカニのガニぐらい無価値よ!?
 一本だけ長く伸びるパイ毛ぐらい無意味よ!?
・・・大丈夫だ!そのへん誤魔化せるプログラムがあるらしい。
リンクたどってダウンロードしよ・・・わあウイルス警報出た!

・・・・うん、終わった。俺のペインター]終わった。
メモリ一枚引っこ抜くか、もしかしたらRAMディスク化したら動くやも知れぬが
しかし、だがしかし、私の手元にはこれがある!あった!

ペインター12!!

かつて単行本が何冊か出た時、さらにワンランク上の仕事目指して購入したペインター12!
買ってみたはいいが旧仕事機で動かしたらクッソ重くてまるで仕事にならず
おしっこもらしそうになりながら元のペインター]に戻した茫然自失の高額商品!
もうあの忌まわしいパッケージとか見えないふりして完全に記憶から消しておったわ。


・・・あ、動く動く。普通に動く。

・・・買っておいて良かったわ12。無駄なものなんて何一つ無かったぞ昔の俺。

ペンタブで線を引くと0.5秒後に追従するクソ重い描画速度
環境設定インターフェイスのカーソルタイプをアイコンにする事で解消。
Ctrl+Zボタン押してから1秒くらいかかるクソ重い取り消し
環境設定パフォーマンスの表示オプション
「ズーム時にオブジェクトをスムーズにする」のチェックを外す事で解消。
・・・今の性能をもってしてもデフォルトでこんだけ重いのに、
発売当時どんくらいのスペックを想定してたんだこのソフト。


そんなこんなで動作は確認。筆圧や挙動も前任と同じように調整。

そしてようやく一番大事なブラシをインポート。これが済めば仕事の環境がようやく元通り。


・・・・が、ダメッ!
 
ブラシバリアントの移植がよくわからんッ!カスタムパレットは文字化けしてるし
そもそもペインター6から引き継いできたBRSが開けない!昔と拡張子違うやん!

調べてみたけど結局よくわかんなくて
半ギレで移植作業を放棄。泣きながら似たようなブラシを似たような挙動にカスタムし直しましたん。

・・・・・・一週間かかりました。




2016/06/01
そういうわけで、今回はオオグソクムシの食感。

オオグソクムシ、改めて見るとやっぱりムシである。
エビカニと比べて取り立てて脚が多すぎると言うわけでもない(蟹5対グソクムシ7対)のだが
裏返すとやっぱりお世辞にも食欲をそそる形状ではない。ひ弱な逆関節っぷりが良くないんだろうか。

ぐそくしょうめん 等脚類はイケメン多し。

全体を覆う殻は結構薄く、横をつまめば緩く変形する。爪先や口器の先端部分は黒く、硬い。
口器は牙のある顎部分が二重になっており、噛まれるとかなり厄介で痛かろうと思われる。


どう料理しようかしばし悩んだが、
一般的なエビカニとの比較のためとりあえず丸ごと茹でる事にする。

塩振って丸ごと鍋に投入。
茹でてる最中、いわゆる甲殻類を煮ている匂いは全然しない。色も変わらない。
しかしなんだろう、魚のアラを煮ているような、なんかしょっぱい感じの匂いがする。

ゆでぐそく ・・・ヤバイ・・・

茹で上がりの匂いをかいで見ると、なんか、なんだろう生タラコのような匂い。
ぷよぷよの腹も白くパンパンに膨れ上がり、嫌な予感しかしない。

食べ方がよくわからないので、頭を落とし、
シャコと同じように側部両面をハサミで切り、開いてみる。

ひらきぐそく ・・・う、・・・ううう・・・

切ってる最中、頭を落として開いた穴から腹部に詰まった
濃褐色のドロドロ(多分未消化物)がボドボド流れ落ちてきて
いやがおうにも食欲が減退する。
サンマの内臓を煮詰めた様な微妙に食べれそうな匂いがするのが腹立たしい。

開けてみるとほとんどが内臓で、
かつて知人が「割ってみると中身全部内臓で、食べる気なくして捨てた」と言っていたのを
実感として理解できた。

・・・これ、やっぱり食べなきゃだめですか?



内臓部分は黒い一つの袋のようになっているのでゆっくりと引っ張れば丸ごと外れる。
おそらくはこの部分丸々胃袋で、
生体が口から何か臭い黒い液を出すと言うのは未消化物の吐瀉ではないのか。
食物を大容量の胃袋に詰めるだけ詰め込めるから飢餓耐性が非常に高いのではないか。

頭部側に海胆の卵巣そっくりの房が対になって張り付いており、
これがグソクムシの卵巣のようだ。

おろしぐそく ここまでくるとシャコとまるきり同じビジュアル。

尾部にあたる腹肢直下の灰色部分が肝膵臓に相当する部分と見た。ここから食べてみよう。


・・・・・・・・・。

・・・・正直に言おう。

胃内容物の匂いが気になるが、味自体は結構うまい。
粗野ではあるがこれが普通のカニの中に入ってたら喜んで食べる部類の味。
背甲周辺に付いた筋肉をちまちま削って食べてみると
ボソボソではあるがわりと主張する味で悪くない。
エビカニに比べ粗野な点といい、ほぼほぼシャコの味である。

少し期待してた卵巣とおぼしき部分は未成熟なのかべちゃりと歯ごたえ無く
内臓に隣接しているためか若干の苦味とえぐみを感じた。


とにかく全体的に可食部分が極端に少ないため
物足りない気分もう食べなくていいんだという気分が奇妙に同居する。


基本的にはやはり胃内容物の匂いがきつくて、
コレをそのまま素揚げにして丸ごと食べると言うのは正直信じられない。
噛んだらぶちゅーって口の中に出るぞコレ。

ただ、味自体は悪くないので、
もし食べる場合は生状態できちんと硬い頭を落とし、
腹部を開いて内臓部分を引き出して腹腔を良く洗う。
そうしてきちんと捌いた状態のものを
(肉量が少ないので)丸ごと素揚げにするのがベストな気がする。

あるいは捌いた状態のものを殻ごとコナゴナのペースト状にすれば何か色々利用できそう。
せんべいとか。・・・それはもうあるか。




Web拍手
   甲殻類の一番美味しい食べ方は蒸しだと思います
蒸し!蒸しも良いですね。手軽なんでついつい塩茹でにしてしまいますが
鍋の大きさに余裕があれば色んな魚介を蒸しまくりたい所存です。
   なんと羨ましい。生エゾイバラなのに黒さが現れてないのはさすが地元なんですかね。
後で聞いたらどうも漁獲された後、氷詰めにされて5日ほどたってるやつららしく
むしろ甲殻類で死後5日たってそれを感じさせない味だったことに驚きました。
エゾイバラガニは甲殻類にしては鮮度が落ちにくいタイプなのかもしれません。
表面が部分部分で黒ずむタイプがいますが、
これはどうやら漁獲された直後にすでにそうらしく、原因はよくわかんないそうです。
ちなみに下の写真の個体の甲羅中央の汚れは
グソクムシの消化液まみれのゲロだと個人的には思っています。
比較で鮮度の良いのを食べたい所ですが
漁期が5月16日で一旦終了らしいので、獲れたてを食べれるのはしばらくお預けです。




2016/05/24
どうもTVだのラジオだのの仕事が
ポチポチ入ってくるようになったらしい怪しき称号「サメ料理研究家」の友人から
静岡焼津方面に来たついでに

えぞいばらがに エゾイバラガニ 800b付近で漁獲。



おおぐそくむし オオグソクムシ 400b付近で混獲

を貰った。

どうもTVで深海ザメをさばく仕事がらみで、あまったものを貰ってきてくれたようだ。
出所はその筋では有名な長兼丸さん。
深海漁の大家にして、いわゆる「ミルクガニ」の名付け親でもある。


さて、そういうわけで諸々感謝しつつまずは早速エゾイバラガニを料理してみよう。

うら

裏側はこんな感じ。抱卵した雌個体。
以前は漁獲される個体はほとんど雄だったそうだが、
2009年の駿河湾地震直後に漁獲量自体が激減、
以降最近は何故かが多く獲れるようになったそうだ。
雄はあんまり貴 重なのでリリースしてたりするらしい。

大きなふんどし部分が左右非対称で、タラバガニと同じく異尾目なのが見て取れる。

しょうめん

正面顔はこんな感じ。両目が近いタラバ面。甲高が高くボールのようだ。
全体的に棘が微妙に鋭く結構痛い。


とりあえず、脚もいで焼いてみる。

やき

カニを焼いているというのに甲殻類のかぐわしい香りが何故かほとんどしない。
殻はズワイ程度の硬さでハサミでじょきじょき切り分けられる。
やはり思いの外トゲトゲが鋭く痛い。

やきみ

身入りは若干悪い。焼きすぎたかもしれぬ。
食べてみるとほんの僅か、仄かにひなびたヤドカリ系のえぐみがあるが
非常に動物的に味が濃く、単純だが美味い。


ボディを茹でてみる。
不味いとウワサエゾイバラガニのカニミソだが、
やはり食べておかねばならぬだろうと言うことで、ボディ丸ごと茹でる。

はいりきらぬ

・・・いつも使ってる鍋に入りきらん。
体高が高くボリュウムがあるため、茹で上がりのどうすんだこれ感半端ない。

うちこすごい

割るとこんな感じ。
圧倒的質量の卵塊とふんどし部分から流れ出る件のカニミソ
ビジュアル上では味噌にまみれたオレンジ色の内子が圧倒的食欲をそそるが
やはり何故か一般的な蟹茹でた時のかぐわしい香り全然無いので少し不安である。

まず外子。
比較的大き目の粒で、噛むとプチプチ小気味良くはじける。
食感はとてもいい、が味わいに乏しく、
仄かになにか香料のような不思議な匂いがする。
個人的には独立してバラけた部分よりも
腹肢根元付近の複数固まった部分のほうが歯ざわりと共に卵黄感があってうまい。

問題の味噌。
ふんどし接合部を切断すると液状になった味噌がどろどろと溢れてく る。
卵で感じたなにかカメムシ的な独特の匂いの本締めがここっぽい。
が、味自体は質感の通り薄味で、なにかこれといった主張はない感じ。
まずくて食べられないと言うほどではないし、好んで食べたい気分にもならない。
いわゆる肝膵臓の味わいは仄かにあるので
集めて煮詰めて固めればそれなりに独特な商品になるような気もする。

内子。
内子はコクがあり非常に美味い。
他のカニ達と同じく単品でそのものの商品価値を数段引き上げるうまさ。
友人談では生でも美味いそうだ。甲殻類は正直ぶっちゃけメス一択である。

殻の内側に厚くへばりつく白い層は同系統のカニ達と同じ味だが、若干、
「ミルクガニのミルクって、これ、・・・かな?」くらいのミルクっぽい後味がある。
茹でた胸肉部分の後味にもこれと同じミルクっぽさがあるが、全体的に気になる程ではない。


残りの脚を味噌汁に。

みそしる

やはり甲殻系の香りに乏しいが出汁は結構出てるようで味が深まる。これも中々うまい。


なぜか全体的に蟹風味の乏しい食材だが、肉の単純な味の濃さは中々にクセになる。
内子は安心できる蟹の内子の味でオススメ。


ちょっと長くなったので、オオグソクムシ料理はまた来週。




2016/05/18
今年も静岡ホビーショウに行ってみた。

と言うか、

2016静岡ホビーショウ

相変わらず人多すぎ!
つうか毎年ごとに人増え続けてる気がする。

今年は東京マルイのシューティングレンジが復活
AA-12をパカパカと撃たせてもらう。
東京マルイにはこれとは別にいろんな銃を自由に空撃ちできるブースがあり
皆がめいめい上に向かって銃を連射するさまはちょっとしたヒャッハーさん達の集会のようにも見える。

いつものごとくバンダイのガンダム関係は大賑わいで
面白いけどまともに展示が見れぬ。

ばんだい

とりあえず写真は撮ったが、やっぱりなんでそんなポーズなんだアキヒロ。


事前に
「前回試射ブースが設置できなかった東京マルイがブチ切れて、今回モデラーズクラブは西館に追いやられた」
てなことを聞いていて、年々版図拡大をもくろむモデラーズクラブもついに落ち着いたか、と思ったのだが

モデラーズクラブ

もう全然そんなことなかった。
前にも増して酷かった。全然自重してなかった。
支配面積は前回と同じくらいで、
かつ入りきらずに溢れたサークルが西館をも占拠したのが実情だった。

そのおかげでモデラーズフリマは西館を追い出され辺境に追いやられて
なんだか三階四階連結の妙に込み入った構造になったが、
これはこれで中々ダンジョン的ワクワク感がある。

全体的に例年を越える盛況に感じられた。中々やるな静岡、だがやはり今年もアニメ砂漠静岡。




2016/05/11
コミティアお疲れ様。
来てくださった方々、どうもありがとうございました!

僕はと言えば帰りの物産展で買ったはぶ茶なるものが完全に予想外の味だったので
これこんなにいっぱいどうしようと頭を抱えておるところです。




2016/05/04
と言うわけで
前回の告知にもあるように明日5月5日開催のコミティア116に参加します。

スペースbヘM05a 月刊製作委員会(仮)


しかしながら新刊は間に合いませんでした。駄目でした。すまぬ。
新チラシはありますので適当に持っていってください。よろしくー。




Web拍手
   元値200円の煮つけじゃないw。
ねー。アラは基本的に魚の美味いとこ総取りの食材なので、
当たりを引くととてもラッキーな気分になります。
アラのアラとかアラなのに二千円とかしますしね。レッツアラ探し!




2016/04/26
件の魚屋にて

ひらめあらでかい

なんかでかいヒラメのアラがお安く売り出されていたので購入。
座布団級の大きな魚体だが、何しろ目当てはこのうまそうな卵巣と肝臓である。
というか、ヒラメの肝臓ってこんなにでかかったっけ?

うしお汁も考えたが、量が多すぎるので結局そのまま煮付けにした。
そういやよく考えたら加熱したヒラメを食べた記憶がとんとない。大体刺身になっちゃうもんね。

ひらめにつけ

皿に乗りきらないので一部だけ。

・・・うまい。

さすがヒラメだわ。うまいわ。文句なしに旨いわ。
ホロホロとした白身にエンガワの脂と旨み、もにゅもにゅとしたヒレの皮。
卵巣はちょいと未成熟だったけど、この丁度良い味わいの肝臓は幸せもんだあ。

やっぱり養殖対象になるような魚のうまさは王道だわ。




Web拍手
   アライッペは浜に打ち上げられていたところを
   漁師に保護されたという設定を持つ大洗町のマスコットですw

   実はあのガールズ&パンツァー劇場版にもちらっと登場しているという……
調べてみたらあの白いうにょうにょはシラスなんですね。
そしてあのハマグリは口なのか鼻なのかどっちなんだ。
なんかみんなからきもいきもい言われてるし、なんて言うか、ギリギリ・・・、
ゆるキャラとして色々ギリギリなおもしろいデザインです。






PS
さて、コミティアまであと一週間ほどである。
カタログのサークルカットにはドヤ顔で意気揚々と「久々エロ!」とか書いてあると思うが







・・・・すまぬ・・・・









すまぬ・・・すまぬ・・・




2016/04/18
また唐突に荷物が届いて、誰だと思ったら
旅行先からホヤ味噌とか鯖の塩辛とか送ってくれる友人からだった。

このところ何故か友人達からの面白いお土産が集中しており、食料事情的にも実にありがたい。

今回送られて来たのは

おおあらい ホッキ味噌とあんこうカレー。

どうも大洗あたりを流したらしい。
・・・またよくわかんないものを・・・。

あんこうカレーアンコウの胃袋使用が売りらしく、中々僕好みの憎いチョイスである。
アンコウの肉質は煮込みにはあまり向いてないと思われるが胃袋ならば煮崩れの心配は無い。
カレーの具としては理に叶った部位選択だと思われる。

アンコウカレー

・・・まあでも言うてもカレーなんで別に写真なんていらんだろうと思うが一応。
中央の物体が胃袋の模様。これ以外にも小さめのものがちらほら。

ご当地レトルトカレーはカレーのパワーにかまけて微妙なのが割とあるが
これはその中でも中々うまい部類のルー。
胃袋部分はおでんの牛スジみたくなっちゃってるので
コリコリ感は失っているがこれはこれでカレーの具としてかなりアリである。
全国の捨てちゃう胃袋は全部カレーにしちゃえば良いのに。


もう一個同封されていたのは
ホッキ味噌なる未知のもの。

食べてみるとごま油薬味の長ネギ等が豊富な
これ単体で完結するタイプの味味噌。

若干焦げた味が強いが非常にご飯が進む。

時々おぼろ肉のようなホッキ貝成分が散見されるが
味噌の味が強すぎて正直よくわからぬ。
うまいがホッキ味噌としての個性はちょいと薄めである。

今の所のマイベスト「○○味噌」はやはり
飛びぬけたホヤ感が味わえる末永海産のホヤ味噌である。


・・・それにしても

ほっきみそ

・・・・この、「深きものども」的なビジュアルブランドキャラクターは一体・・・・。
大丈夫か大洗。まさか住民全員インスマス面になってなかろうな。



Web拍手
   これが某ネッシーの正体らしいウバザメなんですね
   写真からも迫力が伝わる怪物感。まさかの実食に驚きましたがどの食べ方も美味しそうで羨ましい!

生でミツクリザメ、メガマウスと見て来ましたがこれもやはり自分の目で見たかった所です。
巨大魚ゆえ部位ごとの味の違いはあるはずなのでなんとも言えませんが
少なくとも僕の食べた部位は流通する食材として十分通用するうまさでした。
   ウバザメうらやまけしからんですね!
昔は専用の漁があったらしいですが今日ではお目にかかるのも中々難しいようです。
こういう珍しいものを食べれるというのはやはり有難く嬉しいものでした。  




2016/04/12
鮫料理研究家というなんだかよくわかんない希少称号持ちの友人から
なんとウバザメの肉が送られて来た。

こないだ6メートル級横須賀に水揚げされたとかで
そのお裾分けのおこぼれである。(詳しくはこちら)

その時の写真も送って貰ったが、さすがウバザメ。怪物だ。

うばー いいなあコレ。生で見たかった。

んで、送ってもらった身はこんな感じ。

うばみ うばみー。

柔らかくてきめ細かくピンク。なんか一見脂肪のようで馬のタテガミに見える。
部位的には尾部近くの身だそうだ。
処理が良いのかウバザメがそういう肉質なのか
いわゆる「嫌なサメの匂い」全然しない。

シンプルにソテーにして食べてみる。

うばそてー うばそてー。

硬そうに見えるがかなり柔らかく箸で割れる。
鮫なので脂はなく、味わい自体もそう濃く主張するわけではないが
柔らかくありながら繊維質であり、
噛み締めるごとに組織の奥からタンパク質のうまみじゅわっと溢れ出る。

うばせんい うばせんい。

ホタテの貝柱みたいだがあれよりもずっと口の中に残る。
この繊維感は独特で癖になる。かなり美味い。
身自体の味わいは若干水っぽく癖がないタイプなので
干物、あるいはこのふわっと感繊維感を生かしてフライなんかに向いてるかもしれない。


ウバザメ肉たっぷりのパスタソースも同封されていたので後日食す。

うばすた うばすた。

もっと尾部に近いスジ肉部分を使用したそうだが、
むしろでゅるんでゅるんと絶妙に柔らかく煮込んでおり
この食感なら何か色々利用できて万人受けしそうなおもしろい食材である。
これなら鍋とかいいかもしれない。
こういう一手間はさすが鮫料理研究家である。(個人的にもうちょい塩分欲しかったが)


今回巨大魚の一部分だけを食べただけだが、一応総評としては
ウバザメは鮫の中でもかなり美味い。もし売ってたら買うくらい美味い。

もしなにかそういう機会があったら積極的にオススメである。




2016/04/05
件の魚屋ネタ。

なんかすっげえ珍しい魚置いてた。
「テングダイ」である。
伊豆産 驚きの1680円。
た・・・高けぇ〜・・・。
こんな熱帯魚みたいなナリなのに高けぇ〜。しかも左目が潰れてるし。
・・・でもこれを逃すとこれから先の人生で二度と会う機会が無い気がする。しきりとする。
などという妙な強迫観念も手伝って、・・・・・・買ってしまいました。
単体の魚で一番高価な買い物かもしれない。これで不味かったら死ぬしかない。

てんぐだい

強く太く鋭い鰭棘、厚い皮、いわゆるカワビシャ系。
ぶっちゃけツボダイと同族なので不味いことはないはず。多分。
(ちなみに昔ツボダイ?っぽいものを買ってきて記事にしたことあるけど
後で調べてみたら「チョウセンバカマ」ってやつでした。
・・・なんであのナリでカワビシャ科じゃないんだろう)

かお

面相はかなり異様な部類で、ヒゲダイのように下顎に小さなアゴヒゲが密生している。
頭蓋は硬板が露出しておりすこぶる硬く、太古の甲冑魚のよう。
無茶苦茶硬いのに加えてヘンな頭の形のせいで俎板の上で安定せず、梨割は諦めた。
突出した口は比較的柔軟で、ヤッコのように岩のくぼみや隙間を狙うのに適しているようにも思う。
その際頭をぶつけても大丈夫なようにあんなに頭蓋が堅牢なのかもしれない。

とにかく全般的に骨が硬い。肋骨すら硬い。

鰓が結構白く、鮮度の面で不安がよぎる。

ばらばら

肝臓は赤黒く、ちょっとハズレ系。
また、胃袋と見まがうかごとく腸が太く、その点も他の魚と異なる。

胃内容物は消化途中の石灰質的な節の欠片と赤い触手が一本。

しょくしゅ ・・・ピンボケた。

触手のみてくれはゴカイだが硬質で、どうもクモヒトデのものではないかと思う。
後日調べてみるとこの魚はウミシダを食べるようで、あるいはウミシダの切片かもしれない。
しかし仮にコイツが棘皮動物専門捕食者だとすると、
そんなもんばっか食ってる奴の肝臓は大丈夫なんだろうか。
なにか良からぬものが蓄積されてはおるまいか。

鱗はそれなりに硬いが鱗落としで綺麗に剥がせる。

にまい

当初は洗いにしようかと思っていたのだが、厚みのせいか湯引きしても噛み切れないほど皮が強く
また若干独特の匂いもするので結局引いて普通の刺身にした。

さしみ

身は締まっており、ざくざくとした適度な歯ごたえ。はらもの部分は特に歯ごたえが強い。
白濁して血合いもほとんどなく白っぽい印象なのは鮮度の関係なのかどうなのか。

歯ごたえ味わい共に間違いなく刺身として高級。背側から取れるささやかなエンガワもうまい。
・・・ただ、かなりうまい部類だと思うが値段相応の個性があるかと問われると少しもにょる。

なんだか脂の味わいや皮の匂いがコショウダイに似ている気がする。


引いた皮と内臓とアラを煮付け

につけ

なんかガッカリ肝臓のせいかどうかはわからぬが煮てる最中煮汁がどんどんどす黒くなってゆき
前述のコショウダイの脂的な匂いが増幅されてみるみる食欲20%ダウン。嫌な予感がする。

ないぞう 上から胃袋・肝臓・腸。

胃袋、腸共にうまいが肝臓がやっぱり赤黒小型系のガッカリ味。
その中に仄かに腐敗が始まったような生臭さがあるので、
やはり鮮度的にはイマイチだったのかもしれない。
アラの肉をこそいで食べてみるが味わいとしては普通。
皮は火が通ってようやく噛み切れるようになる。にちょっとした歯ごたえ。
ただ構造的によく汁を含むため前述の匂いが満遍なく保持されており、つらい。


アラとサクの切れ端を塩振って一晩塩焼き。

しおやき

サクの切れ端は問題なくしっとりとうまい。
背鰭のエンガワ部分に期待したのだが、骨の構造が結構ごつくさほど肉の量が無い。
肋骨が非常にがっしりしていてその周辺が中々うまいがやはり皮に付随する匂いが気になる
一時気になりだすと気になって気になって身の旨味が半減してしまう。
いやーなんと言うか・・・だめだこれ。


結論として、刺身はうまい。身が締まって適度な歯ごたえ。一級品白身と言って良い。
が、匂いの件を加味しても肉の味は凡庸で煮付けや塩焼きは評価として普通。
値段相応かと言われれば正直疑問である。

ただ、今回の場合は鮮度に問題があったような気がするので
もし釣れた場合は活け締め血抜き内臓抜き、調理時の皮剥ぎ等の処理を徹底すれば
一級食材として十二分に活躍できるポテンシャルはあるように思う。


余談であるが実は煮付け食べた直後に人生最大の眼精疲労に襲われ
眼底後頭部の痛みに嘔吐して一日中行動不能に陥った。ホントに死ぬかと思った。
原因は多分全然関係ないのだが、おかげでこの匂いがおかしな条件付けになってしまい
しばらくこの系は食べれそうにない。



Web拍手
   PS4でPSO2が出るよ!また会えるのを楽しみにしてるよ。
   実際にキリちゃんが描いた本を買いに行きたいよ。いつか必ず買いに行くからね〜!!

おおびっくりした!Yoshikoさんお久し振りです!ありがとうございます!皆は息災でしょうか。
のめりこむ性質の私にとってPSO2は面白すぎて危険すぎます。
でもPS4で綺麗になったキャラとか見てみたい気もするし実に悩ましいですね。
ただしばらくはコミティアの原稿等で大変(大幅に遅れております・・・)なので
INするにしても随分後にコッソリする事になると思います。




2016/03/28
直前でもう一度告知しますが
5月5日のコミティア、今回も参加します。
スペースbヘM05a 月刊製作委員会(仮)
よろしくどうぞ〜。


Web拍手
   昔、釣ったマトウの肝を酒蒸しにしたら、蒸し上がりはゾンビみたいな緑色で一瞬退いた(笑) 
   冷めたら色が戻ったけど。

タンパク質の変性後に色が変わるとなると「析出した色成分が酸化したから」以外に原因が思いつかない。
それにしてもわけがわからんなマトウダイの肝・・・。
   魚の肝が硬いってゴリ鯖・岩カツオみたいなものなのかな?
石カツオに関しては当たった事がないので僕も全然わかんなくて、
と言うかサバもゴリ化(笑)するんですか!?・・・ふむう。
筋肉組織より内臓の硬化の方がまだわからんでもないような気がしますが、
ゴリ化自体の原因はなんなんでしょうね。
もしかしたら気絶ヤギみたく積極的なスケープゴートのための
遺伝的群集システムの一環だったりして。




2016/03/22
前回のアンコウの肝はガッカリだったので
今回は肝だけ買ってみた。

まとうだい マトウダイの肝臓、卵巣付き。

格安すぎんだろー!

実は前日、太ったマトウダイ一尾丸々売ってたんだけど
2000円クラスでちょいとお高かったのと
単なる飽食で胃が膨らんでるだけだったらどうしようと二の足を踏んでいた所
翌日にはパーツごとに分解されてお求め易いこのお値段に!
つーかマトウダイは肉の味が淡白で、むしろ肝がメインだと思ってたのでこれは有難い。
本当は一尾丸ごと買って開いて「ヤッター当たりだー!」ってやりたかったんだけど、
やはりそういう博打的喜びブルジョワでないと味わえぬ。

いつも通り、煮付ける。
と言うか肝単体で食すに限り、他の調理法が思い浮かばぬ。

きもにつけ 良さそうじゃあないか。

早速食べてみよう。

・・・
・・・・・んん、・・・硬い?・・・硬いぞ!
今まで食べた魚の肝臓の中で一番硬い。なんだこりゃ。
煮すぎた訳ではないのにカッチカチに密で硬い。ケシゴムくらい硬い。
味は良い。味は良いが脂がないのか滑らかさがなくボソボソ感がある。さらにケシゴムっぽい。
噛み締めてうまいと言うなんか肝臓にあるまじき味わい。
んんー?あれー?なんでこれこんな事になっちゃってるの?
昔食べたマトウダイってこんなに個性的な肝臓だったっけ?

気を取り直して卵巣をつまんでみたらこれが美味い。
舌触りなめらか粒状感で非常に美味い。前に食べたマツカワガレイの卵巣に比肩するぐらい美味い。

なんだろう。肝臓こんなに大きいけど実は産卵期で卵巣に油脂が全部行っちゃって
それでこういう事になっちゃってるんだろうか。見た目も妙に白っぽかったし。

この硬さだったら薄く切って刺身にした方が良かったかも知れぬ。

なんというか種類以前に個体ごとに味が結構違うので、
特に肝臓レヴューは数をこなさなきゃ意味無いように思えてきたぞ。



Web拍手
   アコウ(メヌケ)なんかもエラを唐揚げにして食べられるよ〜。
おお初耳。確かに唐揚げなら更に食べれる魚種は増えそうだ。
プランクトン食連中の鰓耙や鰓弓が固いやつだとそれでも無理な気がするけど。




2016/03/15
件の魚屋ネタ。
35cmくらいのお手ごろサイズのアンコウが売っていた。

あんこう

そういや今冬はアンコウ食べてないなと購入。680円と価格も中々お手ごろ。
ようし鍋だ鍋だアンコウ鍋だ。

ざんねん

腹を開けて肝臓の確認。
・・・・赤黒タイプの萎縮ガッカリ肝臓だ。残念無念。
前に買ったお手ごろサイズと価格のアンコウもこんな感じのガッカリ肝臓だったのだが
サイズが小さいとガッカリ肝臓なのか、
ガッカリ肝臓だからお手ごろ価格
なのか、一体どっちなのだろう。
外見から肝臓の出来がわかるすべがあるのなら、これは是非身につけたい重要スキルだ。

アンコウ捌くの自体は結構簡単で、捨てる部分は両顎胆嚢。それ以外は全部食べれる。
エラも食べれる魚はこれとホテイウオ以外寡聞にして知らぬ。

いらないとこ

胆嚢をうまく外すのは重要で、間違って潰すと周辺が胆汁のケミカルな苦味瞬時に汚染され
せっかくの高級食材が一瞬で台無しになる。細心の注意をもって周辺ごとハサミで除去しよう。

腸は細く長いタイプ。
胃との境周辺にヌタウナギの卵みたいなラグビーボール型の組織がいくつかあるのだが
これは一体なんなのだろう。幽門垂関係?
そして洗浄中に手が滑って
腸周辺全体が流し台の排水溝につるりと瞬時に丸ごとダイブイン消失という痛恨のミス。ノオーッ。

と言うわけで、七つ道具が一つなくなってしまったが
皮をはいでブツ切りに。

すなお

このサイズで二人前くらいになる。ただし希少部位を狙っての殺し合いが勃発するので
もくもくと一人鍋で食べきるのがのぞましい。

んで、出来上がり。

なべ

うむ、うまい。
・・・しかしやはりと言うか、肝臓がダメだったのでまったく脂っけがない。
肉質はどちらかと言えば貧弱で味が薄い。
つるつるもにゅもにゅコリコリした皮や周辺組織の方が食感として優勢。
なので魚食ってると言うより貝食ってるような気分になってくる。
そんな中、唯一存在感を示すのが頬の肉で、これはアンコウの肉の中でも特に味が濃くうまい。
そういや子供の時分によく通っていた魚屋で、
アンコウボディは刺身にならないが鮮度の良い頬肉だけは刺身に出来ると聞いた事を思い出した。
今度鮮度のいいのが手に入ったら一度試してみるか。



Web拍手
   スクロールしたら食べてみた感想が出てきやしないかと一瞬焦りました。
   検索するとあんまり美味しくないらしいですねクリオネ

なにしろ小さすぎるから佃煮にすると良さそうな感じ。物凄い値段の佃煮になるでしょうけど。
いつもピコピコ泳いでるから筋肉量はありそうですし、なんでもっと大型がいないんでしょう。
バッカルコーン展開時に頭を下にすると体構造含めまんまイカの形になるのは収斂進化なんでしょうけど
頭足類の祖先はこういう分化の仕方をしたのかもしれないなーなんて考えるのはとても楽しいですね。




2016/03/07
JAふれっぴーで最強夏みかん「はるか」を買い漁るついでに、
普段行かない魚屋なんかをそぞろ見て回る。

そしたらエスパルスドリームプラザの魚屋で

くりおね

・・・こんなん売ってた。

聞いた事あったけど実際に売ってるの初めて見たわー。
南極産って書いちゃったのを修正してるのが面白い。

・・・つーか、
・・・・・・・高くね?

「冷蔵庫で2〜3ヶ月生きます」って書いてあったんだけど
観察のたびに冷蔵庫パカパカ開けるんだろうか。
お母さんに怒られるぞ。



Web拍手
   ハチビキはウチの辺りの漁師はアカサバって呼んでる。
神奈川あたりだとそう呼ばれるんだ。
確かに肉の味はサバっぽかったが、やっぱりハチビキって本名の方がカッコイイよねえ。




2016/02/29
件の魚屋ネタ。
ハチビキを売ってたので買ってみる。
スタンダードな体型だがどっちかっつーと深海系な魚。

ハチビキ

高知県産で大体40cmくらい。お値段158円。
・・・安すぎだろう。相変わらず搾取されてるんじゃあないのか高知漁民。心配だぞ高知漁民。

まさに正統派の青魚といった体型で、鱗は中々しっかりしているが実に気持ちよく綺麗に剥がせる。
肉の色が少し独特で、体色の影響か紫がかった赤身。多分安い理由もそこ。

胃内容物は小さなカタクチイワシっぽいのが大量に入っていた。
中々のフィッシュイーターのようだ。口も結構伸びる。

まず刺身、皮がうまそうだったので洗いにした。

はちびきあらい

肉質自体は血合い部分が結構大きい。
が、臭みやそういったものはなくなんかクリーミーなきめ細やかな食感
(ただこれは鮮度にもよると思う)。
そして脂がまったくないためかなりさっぱりした味である。
けしてまず くはないがこれといった特徴がない。
なので皮の規則正しい舌触りと歯ごたえがよいアクセント、洗いで正解。

アラを味噌汁。

はちびきみそしる

赤が鮮やかで非常に食欲をそそる。肉は刺身と同じでさほど濃い味ではないが十分うまい。
頭の周りもおいしくしゃぶれる。肝臓はぬとっとしたいい味。なぜか目玉は味が薄い。
中々良い出汁も出てるみたいであぶらっけはないがこれは中々うまい。

塩振って一晩塩焼き。

やきはちびき左
やきはちびき右

肉自体は微妙な色だが皮の焼けた赤がいい色で骨離れもいい。やはり脂はなくややパサつく。
全体的に薄味で脂の抜けたサバみたいな肉質と味。だがこれはこれで結構うまい。


肉質からどうもとか煮物とかに向いている気がする。
全体として悪い言い方をすれば「あぶらっけの無い味の薄いサバ」なのだが
それにしても150円で売られるべき魚ではない。
実は今回のこれは結構若魚で、成魚だと脂の乗りや味わいもまた変わってくると思う。
80cmオーバーの大型をいつか食べてみたいものだ。




2016/02/23
このところ件の魚屋ハシキンメが容易く手にはいるので鍋にしてみた。

はしきんめなべ 一尾大体100円〜200円。

相変わらず安い。そして鱗がモサい。

なべ 見た目も良い感じ。

野菜と相性がいいのか、かなり良い味。
骨が軟いので食べやすいが、サイズ的にやはり肉量が少し足らない。
あと本体に脂っけがまったくと言っていいほど無いので、
割と大きめの頭蓋に隠された脳組織が非常に良いアクセント。うまい。
もうちょっと大きいのが食べたいなー。




2016/02/15
太田ポンカンの季節が完全に終わり、冬の柑橘祭りも折り返し地点である。

とりあえず太田ポンカン総評として、今年の個人的ランキング一位は・・・
「片平和世」
さん、及び「杉山寿一」さん!

どちらも甘さ、香気、歯ごたえ共に文句ない出来栄え。これぞ太田ポンカン!
香気の鮮烈さにおいて「杉山寿一」さんの太田ポンカンが僅かに勝る感があるのだが、
こちらはとにかくものが少ない。
対して「片平和世」さんはかなり安定した供給があり、入手難易度の点から同率とさせていただいた。

ちなみに太田ポンカンを食べだして三年目になるが、今の時点で気付いた事は
この品種、「割と味が安定しない」という点。
もうなんか木ごと年ごとに味が変化してる感がある。
甘さが安定しないのはわからないでもないのだが、歯ごたえが一様でないのはどういうことなのか。
後半登場する、明らかなミカンテイストな太田ポンカンはもう別品種なのではないのか。
ランキングのアーカイブも溜まって来たが、同じ生産者で同じ袋に入っていても微妙に味が違う。
毎回おみくじ引いてるみたいで結構楽しい。

このごろは個人的最強夏みかん「はるか」のいいのが入荷してきた。
このはるかは甘さと酸味のバランスが絶妙爽やか(太田ポンカンと比べると格段に味が安定している)
かつリリース時期も長い。大玉を探してしばらく楽しめそうだ。


初エンカウント柑橘メモ
麗紅(れいこう)
(清見×アンコール)×マーコット
綺麗なオレンジ色で比較的なめらか
皮が薄く硬くごわっとした印象
剥いた時点で袋から液漏れをおこすが清見ほどではない。
種はあるが少なく果肉はジューシー。
ネーブルのようなやや硬質の香りがありつつ爽やかに甘い。かなりうまい。

津之輝(つのかがやき)
(清見×興津早生)×アンコール
麗紅と比べると表面ややごつごつ
皮は薄いが硬くは無い
清見ベースなのでやや液漏れあり
ジューシーで十分甘いがややマイルドな味わい、香気も麗紅と比べるとおとなしめ。
種がほとんどなく、みかんとしてはおいしい。


麗紅はちょっとチェックだ。味が濃くて中々いける。




2016/02/08
件の魚屋ネタ。
今回はこれ

ハシキンメ ハシキンメ

件の魚屋での呼び名は「コセ」
ここでも幾度か登場してる魚だが、深海魚のくせに
この頃は普通に売っていて簡単に手に入れられる。
用宗産で、一尾大体198円から298円と中々にお安い。

こせさしみ お刺身

銀の真皮たまらなく食欲をそそる。
柔らかいが一線で粘る程よい弾力
脂の仄かな甘味。うまい。

みそしる あらの味噌汁

加熱すると甘味と張りが増す。見た目にそぐわぬ繊細な味で骨も比較的軟いため
はばかることなくしゃぶれる。
難点は細かい鱗が文字通りごそごそする事だが、
鱗自体もそう硬くないので無視して食べて咳き込むとよい。
出汁も良く出て、これは恐らく鍋にするとかなりのものになると思われる。
ただ残念な事に肝臓がかなり淡白で、その点上品すぎるきらいはある。

塩振って一晩塩焼き 塩振って一晩塩焼き

やや薄いがプリッとした繊維質の身。うまい。鱗が邪魔になるかならないか実に微妙な所。
これなら鱗ごと油でぱりぱりにするのもアリかもしれない。
身自体は素直なので恐らく何の料理にでも合う。

鱗をどうするかで悩む以外は見た目に似合わず骨が軟いため捌きやすい。
ことさらに主張する味ではないが生でよし煮てよし焼いてよしの良物件である。



Web拍手
   アカヤガラは大型の刺身以外はギリギリ熱が通るくらいの料理で初めて生きる感じがします。
   加熱するほどダメになるような。
ぬう、やはり・・・。もう一度大型個体を手に入れなければ・・・。
あと料理の腕を磨かなければ・・・・。




2016/02/01
件の魚屋ネタ。
今回はこれ

あかやがら あかくてながい。

アカヤガラ。
相良産298円。あまり大きくは無い個体。
僕にとっては子供の頃釣りに行った漁港で、
漁師のおじさんに身の丈くらいのこいつを貰った思い出の魚である。
なお、頭は粉末にして漢方になるとかそういった方面に気を取られて、
味はどうだったのかさっぱりおぼえていない。

とりあえず開く。

ひらき

・・・長いねん。
おろしやすいのだが、小型個体と言う事もあり皮が物凄く剥ぎづらい。

ばらばら 一番上は胃袋・肝臓・開いて洗った腸。

身質は透明感のある綺麗な白身。
見た目通り一般的な魚とは色々形質が異なる点があり
後頭部のあたりに肩甲骨みたいな長めの骨板がある。
内臓は非常にシンプルで少ない印象。
よくわかんないのが腸で、比較的太く強いのが肛門まで一直線に腹の中に詰まっている。
形状と質感的にはボラのヘソの後ろ半分をずーっと伸ばした感じ。
こいつ純然たるフイッシュイーターのはずなんだが、なんでこんな内臓してるんだ。
ともあれ、中々うまそうなのでこれも一緒に食べてみることにする。

刺身、吸い物、塩振って一晩塩焼きでいざ実食。

刺身

刺身。皮を剥げなかったので表面を軽く焼いた炙り風。
中骨があるがさほど気にならない。
細かい繊維の舌触りの、非常に癖のない白身。脂はなくうまいが癖がなさすぎて物足りない。
側線に沿っての小さな棘列皮に埋没した鱗ざらざら感がほんの少しあり、若干舌に障る。
これは可能なら皮を剥いだ方が良い。

吸い物・・・ふう

吸い物(風)
白だしがなかったので昆布だしを入れたら単なる薄い煮付けっぽくなってしまった。
刺身と同じく非常に素直な白身の味。
やはり癖がないので肝臓、胃袋、腸共に箸安めのアクセントとして良い。
ただ、これも皮由来なのか汁を飲み終わると不思議な苦味が僅かに口蓋に残る。
頭から背中までの骨の形状が面白く、大型個体なら肉をせせる楽しみがあると思われる。
眼下の鼻梁になかなかの大きさの軟骨があるのでお忘れなく。

しおやき

塩振って一晩塩焼き。
凄い貧相なみてくれになってしまった。
ただ、これはなかなかうまい。
やはり身自体に癖がないので腹腔の腎臓付近の味わいがワンポイントとなる。
これならあの腸も焼いたほうがおいしいかもしれない。皮付近はやはり微妙にざらざらする。
アカヤガラ皮ダメだ。

密かに評価の高い魚であるということで、
しかし個人的には悪くないが期待していたほどでもない味わいであった。
小型個体と言う部分も大きいかもしれない。あとちゃんと料理できないとダメなタイプかもしんない。




2016/01/25
ちょいと前に物産展でそば茶を見つけたので買ってみた。
韃靼そば茶ではない国産のそば茶である。800円。さすがのお値段。

そばちゃ

煎れてみるとわりとふつーの焙煎の色。
韃靼そば茶の場合、オロナミンCみたいなルチン感溢れる黄色いお茶になるのだが、
やはり韃靼と普通の蕎麦は違うようである。

同じようにして飲んでみると、一口で言うと薄い。
粒が小さいからなのか、同じ量煎れても、味、香り共に韃靼そば茶よりも薄く感じる。
・・・正直物足りない。
なんだかもうブーリバじゃないと物足りない体になってしまった。
次はもうちょっと濃く作ってみよう。




2016/01/18
件の魚屋ネタ。

よろいいたちうお にょろん。

「ヒゲダラ」と称して売られていた、恐らくヨロイイタチウオ。まだ小さい個体。
焼津産で198円。リーズナブル。

やや粘液質の魚体で薄く弱い鱗がある。
なにが「ヨロイ」なのかよくわからないのだが、頭はすこぶる固く鰓蓋付近に強いトゲがある。

ひらき ぴろん。

肝臓・胃袋共に非常に小さく残念。胃内容物なし。強い浮き袋あり。
見た目は癖のない白濁白身。おかしなにおいも特になし。

いつものように煮付けと塩振って一晩塩焼き。

につけ にろん。

煮付け。
脂はなく、淡白。癖がなく素直でうまい。
ドンコ(エゾイソアイナメ)に似るがあれよりも身質はしっとりしている感じ。
骨が硬いところもドンコによく似る。肝臓がガッカリなドンコ(えー?)

次いで振って一晩塩焼き。

やき やきん。

ちんまり。
これも煮付けと同じ。
驚くほど癖がなく、うまいがしかし個性に欠ける。
「これ!」というものが無い万能選手の風体。
なんだか少し物足りない感じがするので次に会ったら干物にでもしてみるか。


ところで、今年も太田ポンカンの季節がやってまいった。うまいっ。
一日に3〜4個軽く食べちゃうのだが、やっぱりこの品種、味に結構なばらつきがある。
フレッピーに置いてあるのは包装に生産者の名前が表記してあるので、
この頃は「太田ポンカン最強決定戦」なる自作ランキングつけるのも密かな楽しみとなりつつある。
ちなみに第二回の今年、今んとこトップは「片平和世」さんとこのポンカン。質量値段共に高得点。
太田ポンカンは盛期が短い。このまま逃げ切る予感がぷんぷんする。他もがんばってほしい。



Web拍手
   明けましておめでとうございます。「夏の魚」の創作秘話もお待ちしております…!
おめでとうございます!本年もよろしくどうぞ!
ああ、「おしごと」の所のあれですか。すっかり忘れてた。
そのうちまとまるだろうからそのときにまとめてやろうと思ってたら
なんか流れたっぽくて(涙)、そのまま放置してたんでした。おおおお。




2016/01/12
年末、久々に連絡を取った群馬県の友人から「焼きまんじゅう」が送られて来た。

聞けば来る日も来る日も蒸した焼きまんじゅうを箱詰めする無間労働に従事しているとの事で
海至上主義を標榜する我輩としては海無し県など魍魎とヒャッハーが跋扈する不毛の地であり
そのような荒涼たる環境と苦役に糊口を凌ぐ者の味覚にいささかの疑念を禁じえないのだが
焼きまんじゅうなる未知の郷土料理の話題から
マッドマックス
の話題にパラダイムシフト的に移行したあたり
まさか本当に送ってくるとは思ってなかったので飢えた僕は大層喜んだ。

やきまん

開けると中にはこんなんの

やきまん

微妙に繋がった素のまんじゅうが16個と味噌ダレ、竹製のハケと焼き串同梱。
空けた瞬間飛び込んできた文字「刷毛(ハケ)と焼串」「剃毛と焼串」に空見して
おまんじゅうなる隠語と渾然一体となり一瞬「何事!?」と混乱した。ニードリングかと思った。


さて、
友人がわざわざ送ってきてくれた貴重な頂物である。
この場合説明書に従いとりあえず一番本格的なやり方で料理を進めるのが
最も適切な作法であり礼儀であると言えるだろう。

まずは蒸す。
しかし我が家に蒸し器は無い。
初手から手詰まりである。しかたないのでレンジでチンした。
本格的とか俺にはまだ早かった。

次にハケでタレを塗って焼く。
しかし我が家に七輪は無い。
しかたないのでガスコンロに付いてる魚焼きグリルに投入した。
説明書によればまんじゅう表面がきつね色→たぬき色に変化せしあたりが食べ頃との事。
視認性が著しく低下する魚焼きグリルにおいては、しかし
仄かにぴちぴちと味噌ダレの焼ける甘く香ばしいにおいがする。



やきまんこげ


ごめんコゲた。

本格的にはどうもタレの重ね塗りをするようなのだが、隙を見せると秒速でコゲる。
まんじゅう素体が九州の軽羹(かるかん)のような多気泡で軽く
ゆえにタレで焼き固まった表皮と相まって面白い食感である。
パリッふすっとした独特の食べ応え。
味噌ダレが非常に甘くまんじゅう本体が軽いため、分類としてはおやつである。
これは中々うまい。

ただ、表面のパリッとした食感を求めると糖分と加熱とのギリギリのチキンレースとなる。
多分遠火でじっくり水分を飛ばせばよいのだろうが、何しろこちらは飢えた狼であるので
きつね色たぬき色→・・・たぬき色ってなんだ?
タレ厚塗りしたら即たぬき色じゃないか?→と思ってる間に大体コゲてゆく。

結局、食べて炭の味がしない限界までふんばって焼きまんじゅうをヒャッハーするまでに
約12個目のまんじゅうがたぬき色それ以上メガ進化してしまったのだが
しかしこれで正しく焼きまんじゅうを堪能できたのかどうかは俄然自信がない。




2016/01/04
今年もあけおめでございます。

毎年恒例、今年の初日の出はこんな感じ。

がんたん

今回は遮る雲も無く、久々にパーフェクトな元旦初日の出。

というか避難が開始された巨大百貨店の最上階区画のトイレで
ブルーレット置くだけのごとき綺麗に真っ青なクリスタルブルーの尿を小便器に大放出するさまを
横合いから幼女と高校時代のクラスメイトに監視されると言う
まったくもって意味のわからない初夢を見てしまい
なんかもうせっかくのパーフェクト初日の出とかもうどうでもいい心持である。
なんなんだこの初夢。

でもまあ
ともあれ
今年もまた
諸々よろしくお願いいたします〜。





2015〜2016
2014〜2015
2013〜2014
2012〜2013

2011〜2012
2010〜2011
2009〜2010

<HOME>
inserted by FC2 system