ラストオブアス

アンチャシリーズのチームが放つ大作
ポストアポカリプスゾンビゲー。
PS3の潜在能力を存分に使った背景やモデリングがとにかくリッチで
当時最高峰のゲームだったと言っても過言ではない。





ラストオブアスを買う。
一言で言うと、すンげーリッチな見事なゲーム。
ゲームしながら背景見て一々「・・・すっげー」とつぶやきまくる感じ。
あと序盤、ある場所での難易度がめちゃめちゃ高くて(僕は10回以上リトライした)
「キカカカカカ」って音が普通にトラウマになるのも見事に製作者の思惑通りという感じ。
この難易度設定は、いち創作者として
「ここまでユーザーを信じる事ができるのか・・・」と感銘を受けずにはいられない。
製作者の誇りと気概を感じる、威風堂々としたリッチなゲームである。

ちなみに、僕はまだ全然途中である。
ほとんどシームレスで場面が展開していくので止め時がないのだが
行く先行く先マジサバイバルでやるとすげえ疲れるのだ。






ラストオブアス。
行けども行けども殺伐としてて「もうこんな世界やだ」って思う。
主人公は鬼である。女の子も鬼である。
鬼が二人、しかしそれは紛れもなくプレイヤー自身として、駄目になった世界を彷徨う。

絶妙、そして莫大な手間をかけた細やかな自然描写。
廃墟に差し込む西日の圧倒的空気感。

終末系創作の白眉である。


PS:弓が非常に面白いし使えると言う事に終盤になって気付く。遠距離ステルスキル超楽しいー。





ラストオブアス。
ようやく中級をクリア。
もろもろ最高級の完成度であるということは承知の上で
一箇所だけどうしても気に入らないところがある。

どうしてあそこまで造っておきながらマルチエンドじゃないのか。
どうしてあそこまでジョエルに感情移入させるようなつくりにしておきながら、
結末をプレイヤーが選べるようにしないのか。

プレイヤーと作中キャラとの一体感、その体験に優位性を持つゲーム というジャンルにおいて、
その得がたき長所を捨ててまで従来の表現媒体に倣うのは非常にもったいない事に思える。

創作文化は感情移入、共感の文化だ。
多数にすばやく伝達するために「文字」
イメージ共有のための「絵」
それらを組み合わせてより伝わりやすく「漫画」
それに音を追加しさらに先鋭化させた「アニメ」
さらに限定空間での多人数同時視聴により共感を増幅し固着させるべく「映画」

ゲームは、その傍流として生まれた。
視聴者の、創作物への能動的な介入がある程度可能な、新しい表現媒体。

確かに、かつてゲームというジャンルが目指す最終目標は映画だった。
しかし、機器の性能という絶対の枷の中で練磨し研鑽した技術や演出は
こんにち飛躍的に向上したゲーム機の性能と
ネットワークにおいて併用する事で本流を凌ぐ表現媒体になるはずである。

大作映画に恥じぬ予算と期間と手法をまじえつつもなおゲームであるという
その衆人の認める先鞭となりえた作品を
最後の最後で未だ「映画」の枠に閉じ込めた
それを
もったいないと、言わずして何と言おう。




映画を超えるポテンシャルを持ちながら
最後の最後で映画であることを捨てきれなかった作品。
ちなみにアンチャと同じくプレイすると何故か強烈に酔うので
続編には手を出していない。





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