○『Relay』『旅人と絶輪島奇譚前編・後編』『ハーヴェスト!』
『オナニーと緊縛王 前編・後編』『ウイッシュ!』『旅人の妹相関図』『旅人と漂泊者の夜』『えすか』収録
●記念すべき単行本二巻目。印刷的にも三刊通して最も納得がいく仕上がり。
○この巻はジャンルが特に多彩で、個人的にも気に入っているエピソードばかり。
中でも「絶輪島」は作画に苦労した分思い入れも深い。
●元々「絶輪島」の骨子自体はずいぶん前(「GIGATON HEARTS」
前後)から出来上がっていて、
ページ数も単行本一冊分くらいまで膨らませることが可能なほどの諸設定ではあるのだが
「出し惜しみしない」の心情に従って50頁近くまで圧縮し、ネタを使い切った。
おかげで濃縮された南国の空気感みたいなものも副次的に増幅できて結果的にはよかったと思う。
ちなみに、原構想だと「そのキャンプ場に一つしかない水場をめぐって
２つのグループが定期的に争いを繰り返す(旅人はそれに巻き込まれる)」
というストーリーライン(当然死者も出るハードなもの)だった。
○ところで、「絶輪島」の「輪」は旅人(および流れ着いた人たち)の
原付(足…前進する意思)の意味なので、掛詞である「絶倫」の「倫」の誤植ではない。
