ヤクヤノカバネVol04

○世に現出した創作物は有限ゆえに、
読者の想像力を超える物語は存在しない

●つまり、物語の完全無欠の完結はそれを阻害し、
物語が終局に向かうに従いある種の世界閉塞をもたらす。

○世界の閉塞。閉じたコミュニティからヒトが消えてゆくように。
あたかもサービスの終了するネットゲームのように。
●作品それ自体の未来への可能性がついえた時、その世界は魅力を失う。

○ならば物語の描き手たらんとする僕にとって
この二律背反に等しい命題に対する打開策は、なにか。

●一つは、その物語と現実とを普遍的なテーマ等で橋渡しすること。
そして、その物語の完結を明示しないこと。

○かつて俗世間の極致たる日曜夕方6:30等の「終わらない物語」の退屈さを嫌って、
せめて自分の物語だけは完璧に終わらせることに腐心した僕がたどり着いた結論が
(現段階では)これだったというのは、なんというか、実に格好悪い話だ。

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